これまで、いくつか組織論に関する記事を書いてきたので、これは読まずにはいられなかった。
ドラマや映画のセリフを引用しているものの、内容自体は至って真面目な組織論。テイラーやマックス・ウェーバーはもちろんのこと、様々な組織の理論と踊る大捜査線の状況が結びついているので、組織論を学ぶ入口としては良いのではないかと思う。
組織論が取り扱う範囲は広く、この本一冊からたくさんの示唆が得られると思うが、ここではひとつ取り上げようと思う。それは、「無力感を人が学習する」ということだ。
どれだけ崇高な使命感を抱いても、どこかで自分の力だけではどうにもならないことを知る。あるいは、組織の中での自分の能力不足を知る。そうすることで、人は「無力感を学習する」のだ。踊る大捜査線のスリーアミーゴスのように。
しかし、そういう無力感の漂った上司がいるからこそ、部下が自立し、現場への権限委譲が進む場合もある。そういう皮肉というか、マイナスだと思った点がプラスに作用する場合もある。それが組織なのだ。組織全体でどう作用するかが難しいから、優秀で強い組織を作るのは大変な作業になるのだろう。
組織のことを考えるのは面白い。日々の仕事の中に、たくさん発見がある。