行政改革の処方箋

PwCがまとめた行政機関の調達を中心とした課題と対応を纏めた一冊。べき論が書かれたありがちな内容ではなく、具体的な問題認識と対応策が書かれているのが特徴。

この類いの本は、社会全体として圧倒的に少ないので貴重だ。

調達能力の強化は進んでいるか

IT調達は、件数で8割、金額では9割以上は随意契約だ。(「情報システムに係る政府調達の基本方針」でも記載されている。www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/hosakan/densi/dai2/2siryou1_1.pdf

ただ、安易に随意契約から競争入札に切り替えれば良いというわけではないし、「随意契約けしからん」といって競争入札にできるかといえば、実際にはいくつもハードルは存在する。

これを打開するためにはいろいろ調達方法を工夫するということもあるが、それ以上に、組織としての調達能力を向上することが求められている。ここでいう調達能力というのは、調達実績や市場動向、業者の情報を分析し、集中的に戦略を立案する機能を組織で有するということである。

新しい調達方式の登場

調達方式は複数種類が存在し、調達する内容の特性に応じて使い分けが必要になる。調達するものが汎用的で自明である場合は価格競争が良いだろうし、提案要素を求める場合は総合評価方式、プロポーザル随意契約などがある。

さらに、新しい調達方式が米英では進められている。eオークション方式、調達カード方式、競争的対話方式などだ。これらが今政府調達が抱えている問題を全て解決するわけではないが、これまでの問題を受けてより良い調達を実現するために生み出されたものであり、メリットが存在する。

eオークション法は日本でも試験導入することが決まっており、こういう新しい方式を含めて複数の調達方式からベストな方法を選んで調達していく力が求められるだろう。

 

 

調達の現場で何が起こっているのかについては、この本で知ることができるだろう。なお、電子政府に関する本であれば、「e-ガバメント論」の方が体系的に整理されている。