GREEの業績をみたので、やっぱりついでにDeNAもみておくかって感じです。
こうしてみると、最初はDeNAの方が大きかったけど、2011年にはGREEはほぼ同じぐらいの売上高まで迫っている。ちなみに、財務諸表の構成も両社でそっくり。流動比率は高く、利益剰余金も高い。売上高営業利益率も高い。まあ、同じ業態なんだということが改めてわかるね、ということだけど。
売上高の成長率ではやや下がってきている両者で、DeNAはコンプガチャの影響をあまり受けていない、GREEは影響を受けていて売上低下予測が発生しているのはどういうことなんだろ。
朝日新聞デジタル:コンプガチャ全廃で収益明暗 DeNAは↑、グリー↓ – 経済 |
この記事を読む限り、DeNAはコンプガチャで出遅れた分、今回の規制の煽りを受けずに済んだということか。
GREEとDeNAのコスト構造の特徴
それぞれのコスト構造を確認してみる。以下は、売上高と営業利益の推移をグラフにプロットして、線形近似したもの。
なんというか、両方とも本当に同じ傾向を示しているんだな。近似曲線の傾き(収益性)も同じだし、切片(固定費)もほぼゼロ。本当恐ろしい数字だなと思う。
で、これを踏まえると、ニュースで言われていることもわかってくる。とりあえず市場の期待としては「この成長スピードを維持できるの?」ということだと思うわけです。
一方で、国内のソーシャルゲーム市場がどこまで伸びるのか、というとそろそろ限界なんじゃないの?という話もあるわけで。
この記事の数字をそのまま使ってしまいますが、市場規模はコンソールゲーム(いわゆるプレステとかWii)が5000億円ぐらいの市場で、ソーシャルゲームは3000億円を超えたぐらい。
国内の各ゲーム市場規模を比較してみる(2012年版)|逆転裁判合同ブログ1号店 |
もちろん、ゲーム市場とソーシャルゲーム市場がそのまま同程度になると決めつけられないし、ソーシャルゲームは携帯をプラットフォームにしているので、ゲームをする対象や機会を増やしていると考えると、伸びそうな気もする。けど、そんな既存のゲーム市場と規模感が変わるほど市場があるのか?というのはやはり疑問が残るところ。
ソーシャルゲーム企業の海外進出
ということで、国内のパイが近いうちに飽和になるだろうから、ニュースでさかんに「海外展開」といわれる理由がわかってくる。
DeNA&GREEの海外展開についてまとめてみた【田中翔太】 : TechWave |
ただ、GREEはすぐに結果が得られるような状況にはないようだ。
グリー田中良和社長「海外でいい手応えが得られたことは大きな収穫。」←虚勢?アメリカでは「ドリランド」も「釣りスタ」もランク外 | IRORIO(イロリオ) – 海外ニュース・国内ニュースで井戸端会議 |
ちなみに、最近IPOで話題になったアメリカのソーシャルゲーム企業ZyngaとGREE・DeNAとの売上・利益の違いについて書かれたTechCrunchの記事が面白かった。Zyngaは獲得ユーザ数ではGREEと桁1つ違うほど多いのに、売上も利益率も低い。これは主戦場がPCかモバイルかの違いだそうだ。
巨大ゲーム企業Zyngaが日本のGREEなどより極端に低利益なのはなぜ?このままでいいの? |
個人的には、どこで新しい事業モデルをつくっていくんだろうということに興味有りです。
まあ、成長期なんで両社とも財務バランスなんてあまり重要じゃないよね。利益率高いし、潤沢なキャッシュ持ってるし。どちらかというと、収益の成長エンジンが止まることが最も怖い。
まとめ
- DeNAもGREEも同じぐらい業績を上げている
- ソーシャルゲーム市場はそんなに早くない時期に飽和になるリスク
- 両社とも海外展開は始まったところであり、結果が出るのはこれから