社会起業家。ソーシャル・アントレプレナー。
「社会における公益」と「企業としての利益」の両方を目的として事業体の、
世界におけるいろんな事例を取り上げた本。
読んでいて思うのは、慈善の心で寄付をするだけでは、
根本的解決にはならないんだということ。
そこには持続性はなく、焼け石の水。
また、社会における公益を追求する姿勢は世界で求められており、
それが企業のイメージアップや事業の優位性を生むこともある。
以下、内容抜き出し。
メキシコでは、1日の収入が2ドルに満たない人が約1億人いて人口の40パーセントに相当する。
彼らはお金を貯めて少しずつセメントを買い、自分たちで家を建てていく。
もちろんお金がないので「4年で1部屋ができるくらい」のペースだそうだ。
そこでセメント会社は3割引でその極貧層に提供することにした。
そして新たに1億人の消費マーケットを開拓することができた。
「医療と薬品を、貧困層にも行きわたらせる」という
社会的使命を掲げるソーシャル・ベンチャー。
目の不自由な人の9割近くが途上国に住んでおり、
失明の原因の3分の2前後が白内障であることに注目。
治療法は濁った水晶体レンズを人工のレンズに取り換えること。
ただ途上国の人には高くて買えない。
そこでこのベンチャーは生産方法を見直し、
1個300ドルだったコストを約10ドルまで下げた。
さらに面白いのは料金体系。患者の収入に応じて手術費用を
「無償」「実費の3分の2」「実費を上回る値段」の3段階に分ける。
いわゆる応能負担。
他にも教育や人権、メディアや建築などいろんな分野の事例がある。
かなり面白かった。
チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える