女性を活用する国、しない国

たった60ページぐらいの短いブックレット。けれど、いろいろ思い知らされる事実が並んでいたよ。何となくしか知らなかったことも多かった。

例えば、国連が発表しているジェンダー・エンパワーメント指数が109の国・地域中57位とか。全国の市町村議会の4つに1つは女性議員ゼロの状態とか。

なぜ女性を活用する必要があるのか?

最初は欧米で女性の活用が進んだ。欧米は今でこそ女性の活用が進んでいるが、昔は日本と同じ「男が稼いで女は家庭」モデルだった。しかし、産業が発展し、肉体労働など男性優位の仕事が減り、逆に知的労働の産業比率が増えてきたことで、女性の労働力が必要という課題に直面する。つまり、産業構造の転換が起こったため、人材活用の仕方を変えなくなった。

女性を社会に出そうとするには、女性がこれまで無償で行ってきた家事・育児・介護を社会全体で担う必要が生じる。家事・育児・介護を社会サービス化して、女性の労働力を社会へ出そうということだ。

なぜ女性の活用が進まないのか?

これについては、鶏が先か卵が先か、という感じではあるけれど、いくつか要因はある。

まず、「同一労働価値同一賃金」がちゃんと適用されていないため、これまで女性が担っていた社会的サービスが低い価格になっていること。あるいは、女性労働者が多いパートタイムなどを職務に応じて賃金を上げていくこと。

これによって、時間に限りがあったとしても、それに応じた賃金を得られれば、女性が自立することもできるようになる。逆にこれが実現できないと、女性が社会に進出する機会が少なくなるので、結局男性も何も変えられない。

 

 

でも一番意識すべきことは、これ。

日本でも2003年、指導的な地位に就く女性比率を2020年までに30%程度にまで上げるという目標が掲げられましたが、国際指標の順位の低落傾向に歯止めがかかっていません。原因は、海外でのほかの国のスピードの速さに、日本の人々が無関心であり、政策的に追いつくための具体的措置がほとんど採られていないことにあるといえそうです。P.11

どんどんグローバルの人材競争から置いてけぼりにされてるという現実。価値観を大きく変えないとダメなんだろうな。

 

こうやって教科書から情報が削除されていく事実というのも、どうなんだろうね。
mネット・民法改正情報ネットワーク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です