「シリコンバレー」の作り方

東 一眞¥ 500

以前ソフトピアジャパンについて書いたけど、単純にソフトピアジャパンって、「なんでシリコンバレーみたいにならないんだろ?」と思ったんだよね。ソフトピアジャパンが「日本版シリコンバレー」と銘打たれて設立されたのであれば、どういう要素が必要かを研究されたはずだろうし、その結果が現状なのだとすれば、何が地域経営として問題だったのだろう。

というわけで、少し古い本だけど「シリコンバレーの作り方」を読んでみた。シリコンバレーの発祥とか、シリコンバレーのようなテクノリージョンを形成する上で必要な要素の分析とか、いろいろ面白かった。

読んでみて最後に思ったのは、結局ソフトピアジャパンで決定的に不足しているのは「生まれた技術や企業を、どうやって市場につなげるか」という仕組みがないことではないか、という気がした。ここ数日調べてみたけど、ソフトピアなどで生まれたスタートアップ企業に対する経営面でのサポートというのがほとんど情報がみつからなかった。

(過去に岐阜県が主体になってベンチャーキャピタルとして投資していた実績を見つけた。時期的にはITバブルの頃か。http://www.pref.gifu.lg.jp/soshiki/shoko-rodo/mono-zukuri/index.data/vc_houkoku.pdf)

つまり作ったあとどうやって大きくしていったり、企業に買われていったり、上場したりという主に経営ノウハウに関する情報やそれを企業にインストールしていく仕組みがないんじゃないか、と。

前回記事で、成功したものの岐阜には市場がないから結局出ていってしまった企業がある、ということを書いたけれど、いかに残ってもらうインセンティブを形成しておくか、というのは大切かもしれない。それは税制優遇措置だったり、ベンチャーキャピタルの存在だったり、人材の吸引力だったり、知識人の豊富さに現れる。

日本ではここ数年で新規上場数が減ってきているし、逆にロシアなんかはスコルコボという「ロシア版シリコンバレー」を大統領の肝いりで構築しようとしていて、その内容や本気度は全く違う。

【連載】 西田光毅の「ロシア版シリコンバレー“スコルコボ”レポート」Vol.1 | Impress Innovation Lab.

「スコルコボ・プロジェクト」とはモスクワ郊外の街スコルコボにあるロシア版のシリコンバレー・プロジェクトで、税金やその他の誘因によって、ロシアでのイノベーションやハイテク産業の生産を盛り上げようと、ロシアが「特区」のような形を取って、力を入れているプロジェクトである(正確には特区ではなく、バーチャルな特区)。

日本という国は元々資本がない中でどうやって生きていくか、という点に関して、シリコンバレーがひとつのモデルになると思うのだけれど、どうしたもんか、という感じだなあ。