以前ネット販売の隆盛について調べていましたが、久々に小売全体とその中でのECの位置づけを確認したいと思います。
小売業のマクロトレンド
改めて、経産省が出している小売業の統計数字を確認してみます。
これをみると、小売業全体としては2000年初頭の低迷を持ち直し、やや横這いから増加という状況です。人口減少はあるものの、インバウンド消費含め持ち直していた、というところでしょうか。コロナでまた状況は変わっていると思いますが。
そして、代表的な業態として「百貨店・スーパー」「コンビニエンスストア」「ドラッグストア」も見てみました。
売上規模でみると、ざっくりいえば、以下のような規模感です。
・百貨店・スーパーの半分強がコンビニ
・コンビニの半分ぐらいがドラッグストア
コンビニも寡占化で厳しいと言われながら、業界はまだ伸びてるんですよね。すごい。
ECの存在感はどの程度?
経産省がちょうど最新のEC動向について、調査レポートを発表していました。
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)
全体として伸びていて、ECの市場規模は約20兆円、EC化率は6.7%です。
物販系だけに絞ってみると、それぞれこのようになっています。
家電・書籍などEC化率が30%を超えているジャンルもありますが、食品や化粧品などはまだ10%を切っています。ECが得意とする商材がクリアに見えてきている気がします。
逆にいえば、オフラインの店舗販売にはまだまだ可能性というか必要性があるとも言えます。
ニューリテール
最近、リテール関係の本を読んだのですが、前提としてあるのは「全てがECに置き換わるものではない」「逆にオフラインの割合はこのまま多く存在する」という点です。
Amazonが大手スーパーのホールフーズを買収したり、様々なEC系の企業がオフラインに進出しているのは、拡大にはオフラインのリーチが必要である、と判断しているからに他ありません。
アマゾンのホールフーズ買収で、米国の食料品市場はどのように変化したのか | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ | ネットショップ担当者フォーラム
デジタルの波は確実に小売業にもやってきており、オンラインーオフラインをどう掛け合わせていくか、小売り現場でのDXはどう実現していくか、など様々な領域でトライが進んでいるところです。Amazon Goなどはわかりやすい事例ですが、それ以外でも様々進んでいます。
中国の事例なども、とても面白く感じます。そういえば、最近読んだワークマンも「Click&Collect」がこれからのトレンドで、店舗を持っているのは強いと語っていました。
リテール、激変の中で新しいイノベーションがこれから出てくる領域ですね。