任天堂の業績から、Nintendo Switchとスーパーマリオランの貢献度合いをみる

任天堂がNintendo Switchの投入後、非常に攻勢に出ています。それを受けて、株式市場も好感になっているようです。

任天堂、時価総額5兆円超 ゲームのシェア拡大期待  :日本経済新聞

第1四半期が発表されて、Nintendo Switchやスーパーマリオラン、ポケモンGOの影響はどのように見えてるのか、気になったので業績を確認してみました。

任天堂の業績

まず、任天堂の過去7年間の売上高と利益率の推移を見てみます。

2011年は非常に売上も利益も高かったですが、それから売上も利益も減少しています。最近は売上は徐々に低下しながらも、利益率の改善を図っている印象でした。

そして、こちらが四半期ベースの推移です。

ゲーム事業は主にクリスマスを中心にした年後半(Q3、Q4)で売上を稼ぐモデルになっています。しかし、今回のQ1は過去の同じ四半期の時期に比べると、突出して高い数値になっています。実際にグラフにしてみたのがこちらです。

Nintendo FY3

見てわかるとおり、例年のこの時期(4~6月)はあまり売上も利益も出ていない時期です。となると、今四半期は相当業績は良いことがうかがえます。

20183月期1四半期決算参考資料(PDFよりグラフ作成)

Nintendo Switchは、業績にどれぐらいのインパクトは誰なのか?

今回の決算資料に売上の内訳が公表されていて、今期売上の3分の2がニンテンドースイッチです。

Nintendo 売上内訳

やはりすごいですね。ニンテンドー3DSやWiiなどのコンソールが衰退していく中で、大きなインパクトを生み出した形です。TechCrunchの記事によると、今のペースでいくと一年でWii Uの販売合計を超えるペースだそうです。

任天堂は新しいゲーム機、Switchを製造されるはしから売りまくっている。先ほど発表された決算資料によれば、 任天堂は4月から6月の四半期で合計197万台を販売している。現在までのSwitchの販売台数は470万台前後だが、これは発売以来2四半期しかたっていないことを考えればきわめて好調だ。 クリスマス商戦までこの人気が継続すればSwitchは1年でWii Uの販売合計を上回りそうだ。

任天堂の四半期決算はSwitchのヒットで好調 | TechCrunch Japan

ただし、こちらのサイトの数字をみる限りでは、Wii Uの販売台数は任天堂の他のコンソールに比べるとあまり売れていない方で、WiiやニンテンドーDSが非常に多く売れたことがわかります。

任天堂ゲーム機の販売動向をグラフ化してみる(主要ハード編)(2017)(最新) – ガベージニュース

Nintendo Switchがこれらのコンソールに代わるほどインパクトのあるものになるかは、前述のTechCrunchの記事にある通り、製造能力の問題も含め、解決しなければいけないでしょう。

スーパーマリオランやPokémon GOはどういう影響があった?

Nintendo Switchの前は、スーパーマリオランやPokémon GOが話題になりましたね。スマートフォンに初めて搭載されるマリオゲームということで、WWDCやAppStoreで大々的に宣伝されました。Pokémon GOも、言わずもがなです。

さて、それらの影響が業績にどう影響していたのか、合わせて今回の四半期決算資料から見てみたいと思います。

以下が、全体の売上高と、スマートフォン等のカテゴリーの売上高の推移です。今回と前回の四半期で比較しています。

Nintendo IP

ちょっとわかりづらいグラフになってしまいましたが、ここから言えることは次のことです。

  • 1年間で、スマートデバイス関連の売上高は大きく伸びている(約6倍)
  • とはいえ、全体の売上高への貢献という意味では小さい(今四半期で5%)

任天堂の発表をみても、スーパーマリオランはあまり課金がうまく言っていないようです。

任天堂のスマホアプリ「スーパーマリオ ラン」は同社の期待を下回る売上となったようだ。 日経によると、任天堂の君島達己社長は、Android版の配信がスタートした同アプリに関し、「課金については我々の期待に届いていない」と話している。

任天堂「スーパーマリオラン」の売上は「期待に届いていない」 – SUPER MARIO RUN

むしろ、ガチャ課金型のゲームの方が、ダウンロード数はマリオより少なくても課金率は高いとのことです。

参考:「スーパーマリオラン」のビジネスモデルは失敗だった。売上の変遷から見た任天堂のモバイルゲーム3タイトルの最新動向 – GAME Watch

任天堂の戦略

任天堂の競合として大きいのは、ソニーですね。デスクトップ型ではではPS4、モバイル型ではPS vitaが競合しています。以下は、2016年の年間ハードウェア販売動向のデータがありました。

機種別で見ると、PS4は56.8%増の1,308億円と大きな伸びを示したが、3DSが14.4%減の1,096億円、Wii Uが48.6%減の238億円、PS Vitaが0.6%減の467億円と、その他ハードが軒並み落ち込んだことが縮小要因となった。

引用:電撃 – 【週間ソフト販売ランキング TOP50】3DS『スーパーマリオメーカー』8.4万本で2週連続1位(12月26日~1月1日)

昨年はソニーが優勢だったようですが、新たに投入されたNintendo Switchは、非常に大きな伸び示してますので、どれくらい巻き返してくるか、今後が注目です。

とりあえず、スマホにシフトするというのは売り上げ規模からすると考えづらく、当面は手探りながら事業を拡大させていく、という程度にとどまるのではないでしょうか。一方で、面目躍如というか、新しいコンソールでこれだけヒットさせてしまうというのは、やはり任天堂は恐ろしいな、と改めて思うのでした。

今回のニンテンドースイッチは、出足はとても好調に見えます。今後、どこまで成長するのか注目しましょう。