「孫正義LIVE2011」が熱い

Ustreamで公開されていたので、拝聴。面白かった。いろいろ考えさせられましたよ。

ソフトバンクの会社説明会の位置づけらしいけど、前半は孫正義社長の生い立ちから今に至るまでの振り返りや、信念の説明。後半は、今後のソフトバンクのビジョンが語られていた。

ちなみに以下のリンクで、全て書き起こされている。
孫正義、【志】を語る。「孫正義 LIVE 2011」書き起こし(その1) | kokumai.jpツイッター総研

思ったことをつらつらと。

冷静と情熱のバランスを考えるとき、最後に情熱が勝つ

これは前々から思っていたことだけど、優秀なリーダーは冷静と情熱のバランスを考えたときに、最終的には強烈な情熱が勝る傾向にある。今回の孫正義LIVE2011でも同じ感想を持った。

食事するときも必ず教科書を左手、左手に教科書、右手で箸とかフォーク。そん時思ったんですけどねえ、一度ゆっくり両目でお皿を見て料理を食べたいな。そしたらどんなにおいしいだろうかな。そんな贅沢ってあるのかな。

と思ったわけですよ。

皆さん食事するとき大概両目でお皿見て食べるでしょ。僕はね、そんな贅沢はなかったんですよ。そんなことはできない。必ず、食事するときも教科書をにらみながら、視野のはしっこにボーッっと見える皿にフォークを突き刺してとりあえず刺さったものを食べる。ときどき胡椒みたいなのがそのまま入ってガーッと叫んだりすることも。
孫正義、【志】を語る。「孫正義 LIVE 2011」書き起こし(その1) | kokumai.jpツイッター総研

これを聞いて「いや、ご飯と勉強を切り分けた方が効率が良いんじゃないの?」とか「ご飯を早く終わらせる方法を考えた方が・・・」とか「箸やフォークを使わない食事を・・・」なんて突っ込みをすることには余り意味がない。

そこまで強い思い込みによって何かの作業に打ち込めるか、ということだと思う。全体を通してみればわかるけれど、冷静な部分ももちろんある。「自分はちょっと世間からするとおかしいと見られるかもな」というような、客観的な目線も持ち合わせている。それでも、最終的には自分の情熱・信念が勝る。

その信念が正しいものであるかどうかは問題ではない。誰でも間違いはあるのだから。ただ、リーダーになろうと思うのならば、少なからず冷静と情熱のバランスを考えたときに、最終的に情熱が勝つような資質が重要だ。(自分にはない。冷静になろうと過ぎる傾向にある。)

日本は第2次産業革命の終焉の時期を迎えている

日本や経済を見る目としても、重要な示唆をしている。イギリスで始まった軽工業に対する第一次産業革命、アメリカを発端として重工業に対する第二次産業革命を経て、今に至る。日本は、この第二次産業革命で製造業を発展させ、日本社会を牽引してきた。

でも、それも終わりを迎えようとしている。講演の中では、「絶対に今後の日本では製造業で発展することはない」ということを述べている。

トヨタや日産、ソニーなどの企業が終わる、という意味ではないが、社会を発展させる役割をその分野だけに担わせるのは限界である、ということを示しているのだろう。強く同感した。

もう言われ尽くしているけれど、製造業などの人が与える付加価値が高くない作業については、低い賃金の方に流れる。それどころか、最近は高度作業でも新興国の企業に流れ始めているくらいだ。

そういう中で、日本社会はどういう付加価値をつけて、アジアや世界の経済の中で生き残っていくかを考えなければいけないんだろうと思う。

2時間ぐらいあるけど、あっという間だね。熱くさせる人だ。ちょっとソフトバンクのファンになったもの。

井上 篤夫
実業之日本社
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