BCGの営業改革本。ちょっと興味を持ったけど、特に営業とか気にしなくても読める。あと、基本的なコンサルティングのパターンがほとんどなので、そこらへんを読み飽きた方はパスした方が良いかも。指標を取得し、理論的事実に基づき変革の方針を打ち出す、というパターン。
自分としては、今の仕事と当てはめて、いろいろ思うところ有りって感じ。
「型にはめる」ことと「裁量に委ねる」のバランス
どういう仕事でも、結構問われる。どこまで管理して、どこまで自由裁量で部下に仕事させるか。ここは、ある種上司のセンスが問われるところでもあると思っている。ポイントは、
管理しすぎてはいけない→部下の成長を阻害するから
放置しすぎてはいけない→上司の存在意義がなくなるから
の2点だと自分は常に考えている。で、この本のタイトルが「思考する営業」なんだけど、組織にはある程度「型」が必要だと述べている。型があるからこそ、そこから各自が考えを発展させ、組織が発展するのだと。そういう軸となる体制を作ることが肝要なんだろうな。
組織の方向性は、達成KPIと行動KPIに分けて設定
KPIを2段階に分けるってのは、考えたことなかったな。達成KPIは、多分今までよくイメージされていたKPIで、組織としてクリアしたい目標。売上●%アップ、とか、新規顧客獲得数●人、とか。いわゆる「結果」を定義する。
そして、行動KPIはその達成KPIを導くためのKPI。達成目標のためにこういう行動をしましょう、というもの。結果は、そこに至るまでに多くの外的要因も含まれた上で導かれるものだが、それを評価指標としてしまうと、自分のコントロール外の要因(不景気で売上激減など)によって、いわば個人から見れば理不尽と思われる理由で評価されてしまう。行動KPIは、そういう外的要因を排除し、各自がコントロールできる「行動」を指標とするもの。
確かに末端にとってはありがたい話だけど、こういう制度設計するのって、大変だとも思ったり。本の中では、KPIは極力シンプルにし、行動KPIは短期間で成果が測れるものが良いとしている。あと、それを継続的に組織に浸透させるためのPDCAサイクルの実施も検討する必要がある。こういう制度設計をできる人は、今後重宝されるかもね。だから、コンサルティングファームの仕事もなくならないんだと思うが。
変革とは、何かを犠牲にすること
組織の行動やマインドを変えていこうと頑張ってるんだけど、そのときに気をつけているのは、変革に必要だからって、何でもかんでも仕事を増やさないってこと。これは大事。何かをやろうと思うときは、何かを減らしたり止めたりしないと、現場は疲弊していまうから。
何かを加えるのと同時に、無駄な作業を洗い出して削減したり。仕事量のバランスをとれることも、変革のリーダーには必要な気がする。