Synapse Diary

AdobeとGoogleが共同開発した無料フォント「源ノ角ゴシック」で美しい資料を作成する

今回はマニアックなネタで。

GoogleとAdobeが共同開発したフリーフォント「源ノ角ゴシック」が発表されていました。

Adobe、日中韓の漢字を網羅したオープンソースのフォント「Source Han Sans」を公開 – 窓の杜

結構きれいな日本語フォントです。これを無料で利用できるってすごいですね。

普段あまりフォントを意識しない人には「なに?」って感じだと思いますが、それなりに面白い動向なのです。

 

知られざるフォントの世界

WindowsだとMSゴシックとかMS明朝なんかを良く使われてると思いますし、Windows Vistaからはメイリオという、新しくとてもきれいな日本語フォントが導入されています。Macはヒラギノという、こちらもきれいなフォントが存在しています。

スティーブ・ジョブズはフォントにこだわりを持っており、初期のMacに複数のフォントやプロポーショナルフォントを導入しています。(プロポーショナル・フォントについては、Wikipediaの説明をどうぞ。)

そして、英語の場合はアルファベットで構成されているのでわかりやすいのですが、日本語などの文字数が多い地域では、フォントを形成するだけでも大変です。

日本の場合JIS基準という統一規格が定められており、よく使われる漢字を定義したJIS第一水準、JIS第二水準をあわせると6300字あまりが存在します。

JIS第一水準漢字・第二水準漢字 – フォント専門サイト fontnavi

ただ、これは当然全てをまかなえるわけではなく、異字と呼ばれる似たようで微妙に異なる漢字は考慮されていません。「はしご高」とかですね。

 

AdobeとGoogleそれぞれの目的

今回、AdobeとGoogleはそれぞれ、どういう目的でこのフォントを作成したのでしょうか。それはプレスリリースをみればわかります。

まず、Adobeから。

「今日まで、日中韓3か国語のコンテンツのサポートや表示のためにWebサイトやアプリケーションの構築に携わってきたデザイナーや開発者は、対象閲覧者にコンテンツを正しく提供するためにさまざまなデザインのフォントライセンスを取得する必要がありました。しかしそれは、時間がかかりコスト効率の悪いプロセスでした。Source Han Sansの開発は、アドビの30年に及ぶフォント開発の歴史の中で最も大がかりで複雑な作業であり、Googleとパートナーのフォントメーカーの協力がなければ実現できませんでした。コンテンツクリエイターのワークフローを簡素化し、特に東アジアのユーザーに豊かなエクスペリエンスを与える書体を紹介できることを本当にうれしく思います」

アドビ、Googleと協力し、画期的なデジタル書体を発表 | Adobe

今回発表されたフォントは、日本語・中国語・韓国語がセットになっています。これまでは、これらの言語でコンテンツを提供しようと思うと、それぞれでフォントを購入しなければいけないし、デザインの統一も大変な作業になっていました。それを統一フォントという形で、複数言語のコンテンツを統一されたコンテンツで、効率的に構築できるようにすることが目的でした。

AdobeはIllusratorなど、コンテンツ作成を支援するソフトウェアを販売しています。なので、コンテンツクリエイターに対してサポートしたかったということですね。

次はGoogle。

「日中韓3か国語用の新しいオープンソースフォント、Noto Sans CJK*をリリースできることをうれしく思います。Notoファミリーに新たに追加されたこのフォントは、全言語をカバーするという目標に向けての大きな一歩です。Noto Sans CJKはアドビ、Google、および当社の国内パートナーメーカーの共同開発の賜物であり、Chrome OSと当社の他の製品との調和の見本となります」

アドビ、Googleと協力し、画期的なデジタル書体を発表 | Adobe

これだけだとちょっとわかりづらいですね。今回Googleは「Noto」というフォントファミリーに新しく加えています。「Noto」というのは、「No Tofu(豆腐)」の略です。

コンピューターで表示できない文字がある場合、文字の代わりに小さい四角い箱(□)が表示される。Googleではそれを”豆腐”と呼んでおり、Webから取り除くためにNoto(No Tofu)フォントを作った。

Noto – Wikipedia

つまり、Webコンテンツで表示できない文字を撲滅したいということです。GoogleはChromeやAndroidなどOSレベルまで手を広げています。表示されない文字があるというのは、コンテンツとして不十分になります。また、スマートフォンなど小さい画面でも見やすくなるフォントを広げたかったという目的もあると言われています。

 

とりあえず「源ノ角ゴシック」を使ってみよう

ややこしいのですが、今回AdobeとGoogleは別々の名前でフォントを公開しています。どちらからでもダウンロードは可能ですので、お好きな方からダウンロード、インストールしてみてください。以下のサイトでは、Googleからのダウンロードが紹介されています。

週末スペシャル – Googleとアドビが作った無料のフォント「源ノ角ゴシック」を使ってみよう:ITpro

正直なところ、僕の端末ではディスプレイ上はあまりきれいに見えませんでした。文字が小さすぎたからかもしれません。メイリオの方がディスプレイ上ではきれいでした。ただ、紙に印刷すると、すっきりしてきれいなレイアウトです。メイリオは若干重厚感が漂うので、ライトな印象を持たせたいときには良いと思います。個人的には、「Light」あたりが好みです。

Webコンテンツやパワーポイント資料など、時々フォントを変えると、自分にとってもそれを目にする人にとっても印象が変わって、新しい気持ちになります。そういう意味でも、フォントに関する知識を多少持っておくと、日々の作業が楽しくなるんじゃないでしょうか。

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