従業員は、自分からどういうアプローチでモチベーションを上げられるか、また今の自分の企業を振り返り、自分の求めている企業として今後も勤めても良いか、考えてみると良いだろう。
経営者や上司の振る舞いが最も重要
モチベーションが低くなる要因として、経営者や上司の人間性に失望する、自分が経営者や上司に大事にされていないと思った、というのが最も高い。賃金や福利厚生などの待遇などを差し置いて、最も高いそうだ。
それぐらい、経営者や上司の振る舞いはものすごく重要であり、部下がいる人は「常に見られている」という意識を持つ必要がある。これは、「人間として完璧でなければならない」ということと同義ではない。自分の欠点も認めながら、部下も個人として尊重する、ということである。「この人は自分を見てくれていない」「いざというとき、この人は裏切る」という失望の気持ちを抱かれたときに、モチベーションの低下は始まってしまう。
継続して積み重ねないと定着しない
読んでいくと、どの企業も当たり前のように企業の理念を作っており、またそれをどう浸透させていくかに大きな労力を割いている。手段はいろいろあるが、大事なのは継続しないと定着しないし、積み重ねによって人の心は変わり、組織は強い方向性を打ち出して動いていく。
「外部講師による研修は素晴らしいのですが、その場だけ感動して忘れてしまい結果としてやりっ放しになってしまう」との考えから、繰り返し何度も同じ研修を受けることができるようにと社員に講師をさせるのです。
アウトソーシングが叫ばれて久しいが、改めて何を自分たちの中で抱えて、何をアウトソーシングするかは考えなければならない。継続的に確保する必要がある知識や価値観については、内部で醸成してゆく仕組みが必要なのだ。
実際読んでみると、ああ、こういう良い企業があるんだなーと明るい気持ちになる一冊。
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