コンパクトシティを実現するためには何が必要か

人口減少時代で町並みはどう変わっていくか、という話。これまでは日本はどんどん土地を拡大していて、郊外にショッピングセンターができて、商店街が機能を失っている、というのは良く聞くことで、それに対するカウンターがコンパクトシティという考え方。

簡単にいえば、人が活動する場所を狭い場所に集積させて、利便性や効率性を高めようということ。間延びした公共交通機関や公共インフラのメンテナンス費用も低減できるし、徒歩などの近い距離圏で生活を済ませることができる。

 

北海道伊達市の例

北海道の伊達市は、コンパクトシティを実現した快適な居住環境が実現されており、移住が多いそうだ。その理由が市のホームページに書いてある。

(伊達市ホームページ あなたの憧れを実現するまち 伊達に住もうより)

 

小冊子も作られているし、これほどマーケティングが明確な都市もそんなに多くないんじゃないかな。実際、人口は15年ぐらいで徐々に増加している。

(伊達市ホームページ 人口の推移(平成7年~)より作成)

 

コンパクトシティを実現するためには何が必要か

伊達市の場合は、コンパクトシティを実現するにあたって、病院を街の中心に移動させている。考え方としては、「まちなか集積医療」というのがあって、詳細な以下で読むことができる。

www.nira.or.jp/pdf/0907report.pdf

 

病院は、人が距離を理由に選ぶ要因が強く、人が集まりやすい。また、病院はサービス業であり、集積することで、情報や人の移動が密になり、分業も促進されるため、サービス品質も効率も向上することが期待される。人が集積することで、都市全体の効率が向上することは、TEDの動画でも紹介されている。

都市および組織の意外な数学的法則 | Synapse Diary

 

また、この「とれいん工房の汽車旅12ヶ月」というブログでは、コンパクトシティという発想は悪くないものの、街の中心を成すためにはたくさんの「機能」を中心地へ戻す必要がある、ということを述べている。

「市役所や警察署、病院、中学や高校などの公共施設も、旧来の市街地にあった施設が手狭になったこともあり、郊外への移転が次々と行われてきた」ことで、街の中心性は失われた。中心市街地活性化もコンパクトシティも理屈としては分からないわけではないが、現実問題、都市の”核”としての機能が失われたところに人々が帰ってくる保証はない。そこまで思い入れのある人は少ない。魅力あるコンパクトシティにするには、巨額の財政出動が必要だ。それを支持する市民はあまり多くないだろう。

“中心”が存在しない日本の都市にコンパクトシティは似合わない。 – とれいん工房の汽車旅12ヵ月

 

これは、「商店街を活性化させよう」とか「郊外のショッピングセンターを規制しよう」というのではなく、人が住む上で必要なたくさんの機能、特に公共機関などの社会インフラを街の中心部に設けることが、改めて都市部に人を寄せることになるんじゃないかと思う。公共機関もそうだし、既に郊外に広がってしまった建物や人々をどうするかは、コンパクトシティを考える上ではとても重要な課題になるだろう。