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なぜ組織は形骸化していくのか

作業をしていると、いろいろ「形骸化」している場面に出くわす。

ある目的で立ち上げられたタスクフォースが、一応実行されているものの、誰が何の目的で作業しているかがよくわからず、とりあえず集まって、言いたい意見を言っておしまいになっていたり。

「ちゃんとルールを文書化しよう」と意気込んだものの、その文書が全く更新されず、いつの間にか誰の目にも触れずに眠ってしまっていたり。

 

こういうのを見ると、やっぱり意識し続けないと目的が見失われていくし、時間が経てば人は忘れていく。ルールを作ったとしても、立派な目標を立てたとしても、それが継続して実行されずに終わるのであれば、何の意味もない。

現場は「不必要と思う」ものは風化させていく

現場は面倒くさくて、一見効果的でないと思えることはどんどん風化させていく。これはもう見事にそうなる。個人の問題ではなく、現場における作業の優先度に関する考え方の問題だ。

これに従うと、緊急度も重要度も高いものがまず選択され、現場では次に重要度が低く緊急度が高いものが選択される。ここで、組織内で正しく緊急性・重要性が理解されていないと、「あの作業、何のためにやるかよくわからないし、後回しにするか」と判断されて、後回しにされる。そうやって、見事に風化し、形骸化していくのだ。こういう光景を見ると、組織というのは本当よくできているな、とある意味感心する。

だから、新しい仕組みやルールを導入するときは、現場に対してちゃんと緊急性・重要性を理解してもらう必要がある。

ルールは一度決めたら終わりではない

ルールをちゃんと文書化しよう、というのはいろんな場面で見られる。マニュアルなんかも整備する。だけど、それに定期的なメンテナンスが必要になる、というのは忘れられる場合が多い。ルールは一度作ったら終わりではなく、常に状況に合わせて最新化する必要がある。

そのためには、予めメンテナンスを想定したルール作りや制度設計が必要になる。こういうことを想定しておかないと、すぐに忘れられるか、誰かが思い出しても「メンテナンスするなんて面倒だ」っていう方向で処理される。

最後はリーダーの意志だ

精神論は好きではないけれど、結局仕組みだけでは全てを賄うことはできない。組織が継続的に改善され、発展していくためには、組織としてそれをちゃんと全うするという意志がインストールされる必要がある。そして、それをインストールするのがリーダーなのだ。人が動くためには気持ちが必要になるんだよ、結局。

 

というわけで、形骸化しないためには、予め手を打っておくことが重要だし、維持していくためには相応のコストが必要だということです。

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