アメリカで本国回帰っていう話があった。
アメリカの本国回帰トレンドを日本にも — 岡本 裕明 : アゴラ – ライブドアブログ アメリカの本国回帰トレンドを日本にも — 岡本 裕明 : アゴラ – ライブドアブログ |
アメリカで本国回帰が大きな流れになりつつあり産業、特に製造業の海外拠点から国内へのシフトが目に付くようになってきました。理由は海外、特に狭義の意味で中国の製造コストが上昇、運賃や労働効率性を考えればアメリカ本国で製造しても競争力を維持できるようになってきたのです。
中国の人件費向上はどれくらい?
実際にどれくらいなんだろうと思って検索してみたら、中国の人件費は、ずっと10%前後の上昇を達成しており、2009年時点で上海の年収は66万円程度になっている。
中国の平均年収(年収/所得/給料/賃金/報酬)2010年データ | 上海ではたらくビジネスマンのWEBサイト 中国の平均年収(年収/所得/給料/賃金/報酬)2010年データ | 上海ではたらくビジネスマンのWEBサイト |
これに輸送コストや研修コスト、労務管理リスクなどを含めていくと、人件費によるコスト圧縮効果が下がってきているんじゃないか、ということだと思う。今後もこんな感じで人件費が上がっていくことを考えれば、そろそろ事業構造をシフトしておかないと、という危機感もあるのかもなあ。
他に人件費が低い労働力を提供できる国ないの?
中国が人件費が上昇してくるとなると、他のまだ人件費が低い国に資本が集まるんじゃないかとも思うし、タイなどは親日で今後発展が期待されるという話があった気がした。だけど、これを見ると、東南アジアで中国以外に大きな資本投入が見込めるほど人件費が高い国はないんじゃないかと思えてくる。
www.bk.mufg.jp/report/aseantopics/ARS166.pdf www.bk.mufg.jp/report/aseantopics/ARS166.pdf |
それに、カントリーリスクや物理的な距離、人口や土地なども考慮する必要があるので、中国と同じような規模で人口や土地を有している国というのは、アジア地域ではないのかもしれない。
日本でも国内回帰が進むか?
日本でも国内回帰の動きはある。レノボやHPは、日本工場での生産によって、「Made in Japan」のブランド力を利用したり、高い量産品質や柔軟な対応力を取り込んでいる。
レノボ、HP……PCメーカーの「Made in Japan回帰」はなぜか (プレジデント) – Yahoo!ニュース レノボ、HP……PCメーカーの「Made in Japan回帰」はなぜか (プレジデント) – Yahoo!ニュース |
アメリカでも日本でも、製造業は旧時代のビジネスのように捉えられているけど、市場としてはまだ立派に存在している。今後はいろんな国でアウトソーシングの意味は変わってくると思う。少なくとも「安い労働力確保」という要素は相対的に低くなっていくと思う。そのとき、日本国内にも投資拡大のチャンスは訪れるんだろうか。