年齢を重ねると細かいことは誰も注意してくれない

昔親に、「会社に入ったら、どんなに辛くても不合理なことがあっても3年は続けろ。そうすれば見えてくるものがある。」と言われた。実際に同じ会社で3年は過ぎたわけだが、確かに見えてくるものは経験とともに変わってくる。

ただ、最近気づいたのはその逆のことで、年齢を重ねると、新人の頃に教えてもらったような基礎的なことは誰も教えてくれなくなる、ということだ。例えば、日本語文章の「てにをは」や、挨拶の仕方など、それ以外の各種業務の「基本のキ」と言われるようなことは、自分が十分に行き届いていなくても、教えてくれなくなる。注意してくれなくなるのだ。

誰も教えてくれなくなる理由

理由はいくつかあるが、一番シンプルな理由としては「できて当然」だからだ。働く以上は、年齢とともに経験値を上げ、コストパフォーマンスを上げることが求められる。だから、年齢が上がればそれ相応のコストパフォーマンスが当然のレベルになるし、今更基本的なことを教えるなんて、ありえない。

次に、研修にはコストがかかる。教える時間、それを準備する時間。その分作業効率は落ちる。最初に入社してから数年経てば企業としては人材に対する投資時期を終え、収穫時期に入る。いつまでも研修なんてしてられない。

あとは心情的な問題。組織上偉い立場になると、基本的なことを誰かが指摘するのは結構勇気がいる。プライドを汚すことになるし、余計な軋轢を生まないためにも、そっとしておくことが合理的な行動になる。

自分に基本ができていなかったらどうする

というわけで、経験を重ねるといろんなことを誰かから受動的に教わることは難しくなっていく。これを解決するためにはどうすれば良いだろうか。

受動的に教わることが難しい、ということは逆に自分から学ぶ姿勢を作る必要があるということだと思う。自分で気づく機会を作って、自分で学習して、実践していく。誰かが積極的に教えてくれる時期は過ぎたのだから、自分から学んでいかないとダメなんだろうな。

あと、プライドも自分の中で整理しないといけないかもしれない。プライドは自信を持って仕事をしていく上では重要だと思うんだけど、時に逆効果というか、変に持ってしまうとなかなか純粋にいろんなことを吸収しづらくなる。自分もぼちぼちそうなってるかもしれない。

そういう意味では、MBAでは利害関係もないし、自分がやっぱりできていない部分があるんだなって再認識させてくれるところも大きい。ひとつのコミュニティだけじゃなく、いろんなコミュニティに所属する、というのは環境を変えると個人間の利害関係も変わって、新しい気づきを得やすいというメリットもあるんだろうな。

 

というわけで、何年か社会人景観を積んだ方々は、自分で積極的に学ぶ機会を作ろうね。そんだけです。あと、それでもいろいろ教えてくれる人が周りにいるのであれば、大事にしたほうが良いということです。