アビスパ福岡の経営難から、Jリーグのチーム数を考える

少しタイムリーではなくなってしまいましたが、J2クラブのアビスパ福岡が債務超過という報道が流れました。

一部報道についてのお知らせ|アビスパ福岡 公式サイト
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内容としては、以下の通りです。

アビスパがJリーグ退会の危機に陥った。クラブ関係者によると、運営資金約5000万円が不足。資金調達のめどが立たず、12月にも社員や選手の給与の遅配が起きる恐れがある。  今季は営業収入約9億6000万円で予算を組んだが、9月末現在で約8億2000万円にとどまっているという。

アビスパ危機 経営難 資金5000万円不足 Jリーグ退会も – 西日本新聞

ということで、今日はアビスパの経営難と今後のJリーグについて、です。

アビスパ福岡のこれまでの収益状況

アビスパの過去の収入状況はこんな感じでした。

全体として右肩下がりになっています。2006年と2011年が上がっているのは、J1に昇格したからだと思います。J1になるとなぜ収入が増えるかといえば、対戦相手が変わることと、Jリーグからの協賛金が増えるからです。J1だと有名選手が来て来場者が増えたり、相手がアウェイでもサポーターが来てくれるからですね。

そして、収入の低下に伴ってコスト削減もしていましたが、それに追いつかず赤字になることも発生していました。観客動員数も、こんな感じで減少してきています。

というわけで、観客が減る、スポンサーからのお金が減る、コスト削減でも間に合わない、というスパイラルで、資金繰りに困ったという状況です。

ただ、今回の問題は一時的な資金繰りに困りそうで、給料などの支払いが遅れる、ということだと思われます。なので、経常的な債務超過や破綻、というわけではないので、Jリーグ自体も今は静観ということのようです。

クラブライセンス制度からアビスパ福岡経営危機を読み解く | 新:アビスパ福岡ファンブログ (非公式) #avispa

Jリーグのチーム数は妥当かどうか

今回のアビスパの件で考えてしまったのは、最近話題になっている2ステージ制と根は同じで、Jリーグそのものの関心が薄れ、スポーツ産業として流れるお金が少なくなっているということです。

九州でいえば、福岡・鳥栖・北九州・大分・熊本と、J1・J2合わせて5チームあります。これだけチーム数があると、サポーターもスポンサーも分散します。ホームタウンが近いほど親近感も増しますし、いろんな地域にあればそれだけファン層を掘り起こせる、という考え方もあると思いますが、一クラブあたりが小さくなってしまい、選手年俸への投入やスタジアムの整備など、クラブ運営や戦力増強に必要な資金が、ひとつひとつ小さくなって確保できなくなってしまうリスクもあるんじゃないでしょうか。

JリーグがJ3を創設してチーム数を増やすのが悪いとは思わないですが、市場から引き寄せられる金額のパイとの関係から、チーム数など「プロサッカー」というスポーツ産業の規模は決まってくると思うわけです。そうなると、数を増やし続けること、今のチーム数が本当に良いのだろうか、という疑問は感じます。

プレミアリーグやブンデスリーガなど、世界のトップリーグに比べると1/3程度です。しかしそれぞれの一部リーグのチーム数は、ブンデスリーガは18チーム、プレミアリーグは20チームで、Jリーグとほとんど変わりません。

各国サッカーリーグの売上高合計推移

なかなか愛着があるとチーム数を減らすことは難しくなりそうですが、既にJリーグでもJ1の上に新しいリーグを作る、というプレミアリーグ構想も議論には出ているそうなので、経営が困難なチームが続出すれば、2ステージ制+ポストシーズン以外にも、制度変更を導入する可能性が上がってくるんじゃないでしょうか。

Jリーグ改革の切り札、日本版プレミアリーグ構想とは?|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva|集英社雑誌記事

 

チャンピオンズリーグは、いくつかのフォーマット変更を経て、今の盛り上がりを実現しています。お金やチーム数、対戦方式などを含め、リーグを盛り上げていくための制度設計は、非常に重要なポイントです。

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