ぐるなびと、食べログを運営する価格コムが決算発表を行っていました。特に、ぐるなびの業績悪化が目立ち、ネットで話題になっていました。
以前分析してみましたが、最近の状況をアップデートしておこうと思います。
ぐるなびの事業モデル
ぐるなびの業績悪化は、結構衝撃的な感じでした。
ぐるなびの決算発表読んでるけど、売上はそれほど落ちていない。けど、営業利益の落ち方が。。。20億減少してる。 pic.twitter.com/a35MlllqzU
年次の業績推移をグラフ化したのがこちら。売上高は微減ではありますが、営業利益が大きく落ち込んでいるのがわかりますね。
四半期ごとの2年間の業績をみても、営業利益率の低下傾向がはっきり出ています。
売上がそれほど落ち込んでいないにも関わらず利益が減ったということは、コストが減っていないということです。
ぐるなび、売上はそれほど減少してないのに営業利益が減ったのは、コストが増えてるから。ソフトウェア投資など各種コストは増加傾向。 pic.twitter.com/v95MzGYkjz
投資を増加させていたということは、売上が伸びていく想定だったはずなんですよね。それが想定外だったのは、既存顧客の契約解除が続いているからと思われます。
ぐるなび、営業利益は前期比で-30%だけど売上は-2%で持ちこたえてる印象。だけどベースになるストック型売上が減ってる。契約解除が増えてる。 pic.twitter.com/D1YMEQsRgJ
ストック型のビジネスモデルであるだけに、ここが崩れていくのは、相当嫌な感じがします。
ここで、食べログと比較してみましょう。
ぐるなび、食べログとGoogleトレンドで比較してみた。途中から食べログが逆転して、そこからはずっと差がある。送客力の差はなかなか埋められていないのかも。 pic.twitter.com/uztArIa9xW
途中で食べログが大きく逆転して、そこからはその差は埋まらずにいます。最近がずっと低下しているのは、アプリ利用が増えているからでしょう。
グルメサイトとしては、いかに送客できるかがポイントになるはずなのですが、それが難しくなっているということでしょうか。
ぐるなび、次は売上利益ともに落ち込むが、2020年には回復を見込んでいる。 pic.twitter.com/KfBFbNOKM7
食べログの業績はどうなってる?
しかし、その一方で食べログは順調に業績を伸ばしています。
食べログも決算資料読みはじめた。食べログは売上伸びてる。有料会員が増加。 pic.twitter.com/bc7nWztPPb
単純な業界トレンドというよりは、食べログ一強になってるのではないでしょうか。
ネットに強い食べログらしく、トラフィックが安定しているのと、ネット予約件数が増加しています。ネット予約便利ですよね。
食べログ、ネット予約対応店舗数が増加して、ネット予約件数も増加。トラフィックが増えているので、送客が安定しているのが強み。 pic.twitter.com/mQLJQeG6XU
ぐるなびはどれぐらいトラフィックを獲得しているのかはわかりませんが、送客力が低下しているのが要因のひとつと書いています。
ぐるなびと食べログはビジネスモデルが違っていて、売上はぐるなびの方が大きいのですが、利益率は食べログの方が高いのです。
ぐるなび、チェーン店を中心に手厚いサポートで儲かるモデルだと思っているけど、人件費をはじめ投資が必要になっているから原価が下げづらいのでは。
マンパワーを中心にコストをかけてスケールさせるぐるなびと、ネット中心に高い利益率を実現する食べログは、今後どうなっていくんでしょう。この領域も新しいフェーズに入ってきている気がしました。