内部統制ってなんだ!?

友人にすすめられて読んだ。

若干おかたい内容であるので、躊躇していたが、割り切って流し読み。 全体の流れがつかみやすく、理解しやすい本だと思う。

SOX法の全体像、必要な組織体制、導入する際のスコープの決め方、業務フローの分析、指標となるキーポイントの設定、導入テスト、継続監視まで。 事業会社、特に上場企業に勤める方は、読んで損はないと思う。

 

借入資本金

自治体の新しい会計制度を書いたが、今日の日経新聞に関連記事が掲載されていた。

それは地方公営企業が多数、実質債務超過に陥っている、という内容だ。それはそれで気になるんだが、もっと気になったのは、以下の点だ。

地方公営企業は設備の建設などのための借入金を「借入資本金」と呼び、資本の部に含める独特の会計処理をする。

以前から、公共機関は民間と会計処理が違う、といわれているのは知っていたが、 具体的な点はあまり知らなかった。こういうこともあるのだな。

借入金というのは、自分の解釈で言うならば「借金」だ。貸借対照表では「負債の部」に含まれる、と思う。だけど、設備投資のための借入金は「資本」になる、というのは、どうも納得がいかない。

ネットで調べてみたが、なんでこうなっているのかはよくわからなかった。ずっと会計制度は昔から変わらずにきているみたいなので、その名残りとして今もそうしている、というのが個人的な予想だ。

不思議なことが多いな。

 

参考:
http://www.pref.shimane.lg.jp/kigyo/yougo.html
http://www.pref.saitama.lg.jp/A90/BD00/yousui/12report/kousui/kousui41-49.pdf
http://aol.okwave.jp/qa2944136.html

自治体の新しい会計制度

ちょっと前だが、夕張市が事実上の「倒産」をした。 疑問だったのは、何で気づけなかったのか、だ。 ネットで調べればすぐ解決した。会計制度だ。 一時借入金の制度が利用された。

 

一時借入金は、税収の確定時期と入金の時期がずれた際などに、当座の資金繰りのために金融機関から受ける短期の融資。年度内に返済することになっているため、予算書や決算書には記載されない。限度額は自治体の予算額とされる。  夕張市は、この仕組みを「悪用」。一時借入金を返済するために、別の金融機関から借りるという「自転車操業」を繰り返し、02年3月末からの4年間で約112億円も残高が増えた。(参照

 

自治体には民間と同じように新しい会計制度を導入するべきだ、という議論も以前からあったように思う。 ちょっとネットを調べたら、これまた対策としての財務制度案があった。 ちゃんと今回の問題点を是正するような案になっていると思える。 キーは以下だ。

  • 第3セクターなどと連結で財政状態をチェックする
  • 監査範囲を広げることで、決算資料を正しくチェックする
    (参照: http://www.kobe-np.co.jp/rensai/access/91.html http://yoshidashouin.blog26.fc2.com/blog-entry-807.html)

監査範囲を広げれば、一時借入金などはチェックできるのだろうか。 よくわからないが、破綻することで自治体のサービスレベルが下がることが現実化すると、 やはりこの問題は重いのだと思える。 ちなみに、他の地方自治体の財務状況もここでちょっとわかる。

参考までに。

 

 

(20070506追記)

時間があべこべになってしまったが、5月1日の日経新聞に 上記の新しい自治体の再建制度が今国会で成立する見通しであることが掲載されていた。 内容としては、上記に挙げた点と特に変わりない。

観想力

読み物として面白い。企業の様々な事例を取り上げて、 いろんな角度から物事を捉えることによって、 新しい道を拓く可能性があることを示唆してくれる。

こういう力は、日々ずっと鍛錬して、 長い間経ってやっと見に付いていくものだなーと思う。頑張ろう。

 

世界を変えるモチベーション

最近何かと目にする機会が多い「社会起業家」。

そういえば、日経新聞でも特集が組まれていたな。 各国で翻訳されているらしい本書。世界の実際の社会起業家の事例が多数出てくる。

読み物として、すらっと読める。事例はどうしても発展途上国のケースが大半で、 日本人としてすんなり入り込めるかというと難しい点もあるが、ひとつの働き方として、素晴らしいと思う。

社会起業家に求められる要素としていくつか挙げられていたが、 一番重要なのはやはり「モチベーションの質」なのだろう。 あきらめず、柔軟に、自分の目指す世界にするために日夜努力する。 こういうモチベーションが欲しい。 と言っている間は、自分には到底その境地にたどり着けそうにないな。。。。

デービッド・ボーンスタイン 類似の本として、これがお勧め。アショカもこれで知りました↓

 

営業という仕事

自分は営業職ではないが、営業職の人はすごいと勝手に思っている。いろんな営業職があるとは思うが、一般的イメージから言えば、 知らない人に会いに行き、自分の商品を買わせるのだ。それはすごいことである。

さて、スーパー営業マンの本を読んでみる。 すごいと思うのは、やはり行動力である。何事も迅速に。 ビジネスの世界では、正確性よりもスピードが活きるときが多いように思う。

あと、よく言われることだが、 客が望む解決策を提案する。客が買う気がないと思われるときは、 納得していないときだ。 確かにそうだ。断る理由・悩む理由はひとつずつ消去するべきだ。

とりあえず勢いをもらった。 たまには自分と違う職種の本も読むべきだと、改めて思う。

会議の生産性を上げるには

最近ある人に、会議が長い傾向がある、という話をしたら、
そっとこの本を貸してくれた。
いや、常にこういう意識が必要なんだと思う。
実務レベルで、非常に細かく書いてあって、面白かった。
以下、気になった点を抜粋。

人件費10億円程度の組織(平均賃金700万円程度の社員が150人ほどいる組織)では、2億円から3億円程度が会議に使われていることになります。

会議の効果が出ないのは、「改善案が実効性に乏しいこと」と「優れた改善案が組織に十分に徹底されていないこと」、この2点が問題となっているわけです。

(資料について)
時間と枚数の関係については、A4サイズであれば、説明する資料1枚につき3分から5分を見積もっておくのが適当です。報告時間に15分もらえるのであれば、3枚から5枚が妥当な枚数でしょうか。

優れた議論とは、以下の2つの要件を満たしているものです。
・目的に合った結論が出る
・参加者が結論に納得する
そのためには、次のような条件をそろえなければなりません。
・論点が明確であり、十分網羅されている
・論点を参加者が共有し、必要な意見を述べている

ビジネスコンサルティングの知識工房
会議の教科書 強い企業の基本の「型」を盗む!
会議の教科書 強い企業の基本の「型」を盗む!
山崎 将志

伝わってこそ意味があるのだ

マエミヤキタコさんの本。 ホワイトバンドや100万人のキャンドルナイトのPRを手がけた人。 広告会社に勤めながら、NGOなどのPR活動をするすごい人。

この世界がエコにシフトしていくために、何が必要なのか。それがわかる本。 この本を読むと、いくら良いことをやっていても、 伝わらなければ本当の力は発揮されないんだなーと痛感する。 複雑で気難しい問題を、ファッショナブルにやわらかく伝える。

本当にマスへ伝達する力って大事だと実感しながら読んだ。 それが結果に結びつくところなのだから。 あと、貧困を生み出すメカニズムも記述されていて、興味深く読んだ。

以下、抜粋。

貧困の特徴は病院と学校が少ないことです。あるいは、たとえあったとしても医療費と学費が高い。学費が高い結果として、女の子が学校に行かせてもらえなくなり、お母さんの識字率が下がり、乳幼児の死亡率が上がり、不本意な妊娠と出産が増え、人口増加率が上がる。医療費が高い結果として、病気が広がり、ささいなことで人の命が失われていく。社会に不満と絶望が広がり、争いごとや戦争が増えていく。

端的で的確な説明のように思う。 この構造を断ち切るためにどうするかってことを考えなきゃいけないのだ。

 

フラット化する世界

まずは結論から。 ハイ・コンセプトを読んだ後は、この本を読もう。

本当に今後の世界がよくわかる。

上巻は少し退屈に感じるかもしれない。主に今までの状況の整理が述べられている。しかし、下巻に進むにつれて内容は深みを増していく。

社会企業のインパクト、適切なガバナンスに求められる要素、テロリズムを抑制する国家体制などなど。幅広く、そして細かな点まで描かれている。今、そしてこれからの世界がどの方向に進んでいくか。構造的に捉えることができる名著。早く読むべし。

 

フラット化する世界(上) フラット化する世界(上) トーマス・フリードマン

結果が先か、手段が先か

平野啓一郎公式ブログを読んで、 最近モヤモヤしていた気分がスッキリしたのでポスト。

金儲け本を見たりすると、何か素直に良いと思えない自分がいたりする。しかし、お金に魅力を感じている自分もいる。 お金がないとできないことが多いというのも事実だと思っている。何か、どちらとも割り切れない気持ちの間で揺れ動いていた。

難しいことを書きましたけど、極単純な例で言えば、あまり尊敬できない方法で金持ちになっている人を見る時に、社会が感じる反発の中身は、この人は、今の世の中を、確かに巧みには生きているけど、善く生きてはいない、といったものでしょう。あるいは、イジメを見て見ぬふりをしてやり過ごすというのも、巧みではあるけれど、善くはない生き方だと言えます。

これを読んで思ったが、やっぱり結論は「どちらも正解」なのだ。それだけ今の社会というのは複雑にできていて、生き抜く手段の学習だけでも難しい。結果としてこうなりたい、という気持ちがあるとき、その手段の良否を問わず選択しないと、その域まで達することはできないのだろうか。

全てはキレイごとだけでは済まない。要は自分の生き方なのだ。ただ、今生きている社会がこういう状態なんだと、 平野啓一郎公式ブログは気づかせてくれた。 善い生き方をしたいもんだ。