MSの無料データ分析ツール「Power BI」でGoogleアナリティクスを分析する

ウェブサイトのアクセス解析ツールは、Googleアナリティクスを使っていますか?
Googleアナリティクスは無料ですし、たくさんの機能が搭載されている便利なツールです。先日も、ユーザーエクスプローラという機能が追加されました。

Googleアナリティクスの新機能ユーザーエクスプローラーはどう使うべきか?

だけど、機能や指標が多くて、どう分析したら良いかわからないこともあるでしょう。それを受けてか、最近は様々なアクセス解析結果をわかりやすく表示するツールが登場しています。無料有料様々ありますが、今日はマイクロソフトの無料ツールをご紹介したいと思います。

 

Microsoftのデータ分析ツールであるPower BIが無料で使える

Microsoftが、様々なデータ分析に使える「Power BI」というツールを無償で提供しています。

Power BI | 対話型のデータ視覚化 BI ツール

ここでサインインして、「データの取得」をしましょう。Googleアナリティクスと連携する場合は、ここで「サービス」を選択します。

連携可能なサービスがたくさん表示されますが、少し下にあるGoogleアナリティクスを選びます。認証が通れば、連携開始です。

連携した後はデータ取得に数分かかると思いますが、それで簡単にレポートが表示されるようになります。以下のような感じで、グラフィカルで見やすいですね。

レポートの他にダッシュボードもあり、様々なグラフや表を追加することができます。また、それぞれのデータから「エクスポート」を選べば、CSVでデータもダウンロード可能です。

使いこなせれば、いろいろカスタマイズできますし、データのダウンロードや、様々な指標との関係性も分析することが可能です。ただ、「とりあえず触ってみよう」という方であれば、デフォルトで表示されるレポートだけでも、曜日別のトラフィックの推移や、OS別のユーザー数などが表示されますので、そこから始めるだけでも分析の手始めとしては良いかな、と思います。

 

まとめ

  • Microsoftのデータ分析ツール「Power BI」は簡単にGoogle Analyticsのデータ連携できる
  • 無償で利用可能
  • デフォルトでGoogle Analytics用のレポートが表示されるので、とりあえずの人はそこから開始すればOK
  • 使い慣れてきたら、いろんな分析項目を追加していけば良い

最近は様々なデータ分析ツールは最近たくさん登場してきていますし、データ活用はいろんな企業が注目しています。できるだけ効率よく、自社のビジネスの役立つデータ分析の基盤を整えていきたいですね。

ユニクロとしまむらの違いをGoogleトレンドからデータ分析したよ

最近、ユニクロの業績が落ちており、四半期決算で純利益が予想より大幅に低下したというニュースがありました。

カジュアル衣料品店チェーン「ユニクロ」の成長神話の陰りが鮮明になってきた。ユニクロを運営するファーストリテイリングは2016年4月7日、業績予想を大幅に下方修正し、16年8月期の純利益は従来予想を500億円下回る600億円とした。2015年8月期に比べ45.5%の大幅減だ。

「業績は不合格」柳井氏も認めるユニクロの「陰り」「値上げ」引き金の客離れが止まらない : J-CASTニュース

原因のひとつとして、値上げがフォーカスされています。一方で、しまむらは値上げによって業績を回復させているという記事がありました。両社は価格に対する反応が随分違うんだな、と不思議に思いました。

ユニクロのように「値段が安い」というブランドイメージが定着している場合には、あまり値段をいじらないほうが良く、逆に、ユニクロほどイメージが定着していないなら、値上げが上手くいくケースもあります。

東洋経済オンラインは6日「しまむら、V字回復の理由は「値上げ」にあった」と題する記事を掲載しました。2015年の秋冬シーズンに売り出しヒットした「裏地あったかパンツ」は、同社にしては高価格帯にも関わらずヒットし、3年ぶりの営業増益を牽引したとのことです。

ユニクロは対前年比でマイナスになることが多いですが、しまむらは対前年比マイナスが非常に少なくなっています。
同じように値上げ戦略をとりながら対照的な結果になっているユニクロとしまむら。この違いに注目することが大切だと思います。

KON617「訪日外国人客・ホテル稼働率・ファーストリテイリング・しまむら~政府は数字遊びではない現実的な問題解決を考えよ」

勝手に、両社とも安いというイメージがあったので、値上げに対して反応が異なるというのは意外でした。

なぜユニクロとしまむらで、値上げに対する反応が違うのか?

改めてユニクロ(ファーストリテイリング)としまむらの業績を比べると、しまむらの方が季節変動が少なくなってる気がします(iPhoneアプリの「ポケットIR」から拾ってきたのですが、ちょっとファーストリテイリングの値が怪しいかもしれません。)

FR_しまむら

あと、過去のファーストリテイリングのIRインタビューが公開されていて、顧客は価格感応度が高いことが語られています。

Q3: 原油価格の低下により、最近では素材関係も下がり気味だと思いますが、今後の価格戦略についてコメントをください。
A3: 岡崎CFO:
足元の1品単価が上がっているのは、一部の商品の値上げをさせていただいた影響もあるとは思いますが、それより大きいのが比較的価格の高い商品の売れ行きが好調だということです。例えば、ボトムスや、ヒートテックエクストラウォームのような価格が比較的高い商品の需要が強く、販売は好調です。お客様の志向としては、価格感応度はまだ高いと感じています。

質疑応答の概要 | FAST RETAILING CO., LTD.

また、過去をみると人件費高騰でも価格を上げていますし、今回が初めてのことではありません。

ユニクロ、今期2度目の下方修正が映すもの | 専門店・ブランド・消費財 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

で、ここで仮説として思い浮かんだのが、「ユニクロとしまむらは、季節変動のインパクトが違うのではないか?」ということです。季節変動が大きいということは、セールなどと組み合わせて価格反応度が高いと思いますし、季節変動が小さいということは、価格反応度がそれほど大きくなく、コンスタントな売上・利益を出すということになるのでは、と。

Googleトレンドのデータで季節変動を確かめる

では、ユニクロとしまむらについて、季節変動の違いをどう調べようかと思ったときに、Googleトレンドを使ってみようかなと思いました。Googleトレンドだと検索件数の相対的な傾向が2004年から月単位で取れます。

実際にみてみましょう。赤が「ユニクロ」で、青が「しまむら」です。

ユニクロ_しまむら

ここから言えるのは、ユニクロの方が検索回数が多いってことと、ユニクロの方が変動が大きいということです。このグラフを見ても、ユニクロの方が季節変動が大きいのよね?と思いますよね。

で、ユニクロとしまむらが、どれほど季節変動になっているのか、Googleトレンドの値をもう少しデータ分析して推測しようと思います。

ここからは、R言語を使ったデータ分析になります。細かいことは省略しますが、時系列データから季節変動要素を取り出してみます。

その結果がこちらです。4つグラフがありますが、生データ、季節変動、トレンド、残差(ランダム成分)になります。季節変動を見たければ、2番めを確認しましょう。見事に繰り返しになっていて、5月に小さな山、11月に大きな山というトレンドです。

ユニクロ

次は、同様にしまむらでもGoogleトレンドのデータを分析してみたいと思います。その結果がこちらです。

しまむら

ユニクロと同じように、2番めのグラフでは季節変動が生じています。これだと「ユニクロと一緒で季節変動あるじゃん?」となりますが、右側にある変動幅の数字が違います。しまむらの方が変動幅が小さいんですね。なので、季節変動という点でみると、しまむらにも季節変動はある。ただ、ユニクロよりは小さいということが言えます。

あとは、4番目にある残差(ランダム成分)の値が全体としてユニクロより小さいのが特徴ですね。

ということで、ユニクロの方が季節変動が大きいため、セールや価格値引きなどを組み合わせて売る調整が必要になっているように思われます。しまむらは、変動要素が高くないため、値上げしてもそれほど大きく顧客離れを引き起こさないモデル(ブランドイメージ)になっていると考えられます。

こちらからは以上です。

国会議員の育休についてネガポジ分析してみた

年末ですね。久々にデータ分析を実行してみました。

Twitterでデータ分析してみようと思い、テーマとしてこれを選びました。

国会議員カップル「育休とりたい」 制度ないけど計画:朝日新聞デジタル

 

Twitterからデータを抽出

「国会議員 育休」という条件で検索して、その結果を分析します。APIの制限で1500件ぐらいしか取得できないので、結果としては昨日・今日のツイートだけが対象になります。

tweet

結構みなさん、つぶやいてるんですね。まあ、それが想定されたからテーマに選んだのですが。タイムラインをここに貼っておきますので、なんとなく雰囲気はわかるかな、と。

 

頻出語を可視化

つぶやき結果を形態素解析して、頻出語を可視化します。結果はこんな感じです。

wordcloud

「橋下」というキーワードが多く登場してるようですが、どうやらこれが原因みたいですね。

ネガポジ分析もやってみる

ネガポジ分析というのは、登場するキーワードの特性から、その文章がポジティブな感情表現なのかネガティブな感情表現なのかを分析するものですね。今回は、これをやりたかったというのがあります。

早速分析結果です。

negaposi

3/4がポジティブという結果が出ました。これ、どう感じますかね。

ちなみに、このネガポジ分析は以下の記事を参考に行っています。

R言語 – テキストのネガポジ度を分析する – Qiita

比較的簡単にできるので試してみましたが、日本語の文章をポジティブ/ネガティブで分類するというのは、それほど簡単なものではなく、アプローチの仕方によって結構結果は変わります。ニュートラルな文章というのもあるでしょうし。今回示した結果も、あくまで一つの推測手法だと捉えてください。

別のアプローチとして、ヤフーがリアルタイム検索として「感情」を推測していますが、それでみると否定的な感情が多い結果になっています。

yahoo

「国会議員 育休」のYahoo!検索(リアルタイム) – Twitter(ツイッター)、Facebookをリアルタイム検索

 

分析結果はともかく・・・

蓮舫さんや橋下さんは、任期が限定されていて身分が保証されているのに、その間に育児休暇ってさ?という論点なのだと思っています。ただ、海外では総理や経営者も育児休暇を取得しており、どんな形であれ、広くそれを認める形にすれば良いのかな、と思います。

育児というのは、「休暇」とついていますが、ある意味戦争ですしね。。。。生まれたての子供の面倒を見るというのは、本当負担が大きいものです。国会議員にそういう制度が十分じゃないなら、これを機に整えればいいのかな、と。

経済成長を考える時に人口というのはとても重要です。最近読んだ「新・観光立国論」で書いてありましたが、日本が高度経済成長を達成したのは、人口が劇的に増加したためです。人口の増加は経済にとても大きなプラスのインパクトをもたらすのです。

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それでも日本は間違い無く人口減少に向かっていきますし、人口減少の影響は今後いろんなところで表面化していくでしょう。その減少速度を少しでもゆるやかにするためにも、子供を産み育てることが、社会に取ってプラスであるということを理解し、いろんな制度が変わっていけばいいなと思います。

 

今日はこのへんで。

大手新聞社のツイッターアカウントをテキストマイニングしてみた

 

新聞のツイッターアカウントを調べてみました。テキストマイニングもしてみましたよ。

大手5社の発行部数とツイッターのフォロワー数

新聞大手5社の発行部数と、ツイッターのフォロワー数を見てみましょう。新聞の発行部数は、読売新聞、朝日新聞がトップ2で、それを毎日新聞、日経新聞、産経新聞が追うような状況です。

http://news.livedoor.com/article/detail/9822428/

整理した結果が、以下です。

新聞発行部数アカウントフォロワー数
日経新聞275万534部@nikkei1,311,613
朝日新聞710万1074部@asahi873,508
毎日新聞329万8779部@mainichijpnews283,849
産経新聞161万5209部@Sankei_news47,811
読売新聞926万3986部@Yomiuri_Online458,277

また、ツイッターアカウントのフォロワー数も調べました。これは日経がぶっちぎりです。朝日新聞がそれに続いていて、それを読売、毎日が追う状況です。産経はやる気ないですね。。。。

これだけでも、各社のネット戦略が見えてきます。特に日経は、発行部数とツイッターフォロワー数の順位が大きく変わっていて、ネットに力を入れていることがわかりますね。

さて、各社のツイッターアカウントを分析していきます。上位5社のうち、読売新聞以外を対象にしました。(読売新聞は、なぜかつぶやきを十分な件数取得できなかったので。。。)

日経新聞のツイッター分析

日経新聞アカウントのつぶやき状況

これがアカウントのつぶやき状況です。だいたい、1日平均70件ぐらいでしょうか。

nikkei_tweet

日経新聞アカウントのテキストマイニング

日経新聞アカウントのつぶやきをテキストマイニングしてみました。当然といえば当然ですが、政治・経済系の単語が多くを占めていますね。

nikkei_text

朝日新聞のツイッター分析

朝日新聞アカウントのつぶやき状況

アカウントのつぶやき状況を見ると、だいたい一日100件弱ぐらいですかね。日経新聞よりはちょっと多い感じがします。

asahi_tweet

 

朝日新聞アカウントのテキストマイニング

こちらは、安保法案の多さが目立ちますね。それ以外にも、「囲碁」「ラグビー」「逮捕」など、趣味・スポーツ・社会系の記事を幅広くつぶやいているのがわかります。

asahi_text

 

毎日新聞のツイッター分析

毎日新聞アカウントのつぶやき状況

毎日新聞は、一日70件ぐらいですかね。日経新聞と良い勝負なんじゃないかと思います。

mainichi_tweet

 

毎日新聞アカウントのテキストマイニング

もっぱらプロ野球って感じがしますね。。。それ以外でいくと、安保法案ですか。

mainichi_text

産経新聞のツイッター分析

産経新聞アカウントのつぶやき状況

これまでの3社に比べると、少なめです。一日平均40件弱でしょうか。冒頭で紹介したようにフォロワーも少ないですしね。あまりネットには力を入れていないのでしょうか。

sankei_tweet

 

産経新聞アカウントのテキストマイニング

記事タイトルの最後tに「産経ニュース」が常に入っているので、テキストマイニングするとこんな感じになってしまいました。。。恐らく、記事サイトのTwitterシェアボタンからつぶやいているんだろうな、と。

それ以外は、あまり特徴的なキーワードがないですね。

sankei_text

 

 

さて、新聞のツイッターアカウントを調べてみましたが、それぞれのイメージと合ったでしょうか。こうやってみると、各社の戦略や傾向が見えてきて、面白いものです。

日経新聞がファイナンシャルタイムズを買収しましたが、今後は各メディアが新聞という枠組みを超えて、特徴を出していくことが求められていくでしょう。

新国立競技場に関する検証報告書をテキストマイニングしてみた

 

新国立競技場の設計・建設に向けての検証報告書が出ました。

新国立競技場整備計画経緯検証委員会 検証報告書(PDF)

この内容についてニュースになっていますし、文科相が辞任という流れになっていますが、少し気になったので、この検証報告書をテキストマイニングしました。

新国立競技場に関する検証報告書をテキストマイニングする

その結果が以下です。ちなみに、報告書の核心である三章と四章を分析対象にしています。

houkokusho

あまり特徴がない感じですね。だいたい聞き慣れた単語が並んでるようです。

今度は共起ネットワークでも見てみたいと思います。

net2

多すぎるとネットワーク図としてわかりづらくなるので、単語数は絞っています。それっぽく関係ある単語で固まっていますが、あまりここから意味を見出すことは難しいですね。かろうじて、「意思決定」が重要視された内容である、ということは言えるかもしれません。

それ以外、日付などありきたりな単語は削るなど、分析の精度は工夫の余地がありそうです。

「新国立競技場」を含むツイッターをテキストマイニングする

今度は、ツイッターで「新国立競技場」を含むつぶやきをテキストマイニングしてみました。9/24時点のものです。

twitter

こうやってみると、「責任」「問題」「検証」というのがフォーカスされていますね。また、「文科」というキーワードも多くなっています。また、「毎日新聞」や「産経新聞」も登場しており、ニュースメディアが取り上げた情報が出ていることもみてとれます。

 

というわけで、実際の報告書とツイッターの情報を、テキストマイニングで比較してみました。こうやってみても、メディアがある程度要約し、論点がフォーカスされた情報が流通されるんだな、と感じました。

報告書は60ページもありますし、なかなか直接目を通す人は少ないでしょう。その分、要点を伝えるニュースメディアの存在も必要だと思いますが、少しは報告書がどういう文章で構成されているかは、わかったでしょうか。

【書評】データサイエンティスト養成読本(機械学習入門編)

「データサイエンティスト養成読本」も3冊目になり、ついに機械学習入門編が発売されました。「人工知能」「機械学習」というキーワードがとても注目されており、早速購入して読んでみました。専門的な内容がわかりやすくまとめられており、「機械学習の技術領域を入門的に知りたい」という位置付けで、非常に良い本です。興味があるけどどれを読んだらよいんだろう、という方は「買い」でしょう。

 

機械学習の全体像を説明

なぜ今機械学習が注目されているのか、改めてこれまでの歴史がわかりやすく説明されています。今は、Webの拡大によるデータ取得の容易性、コンピューターリソースの進歩によるデータの蓄積・分析の高度化、R言語などのフリーウェアの登場、分析アルゴリズムの共有によるデータ分析ツールの市民性獲得が重なり、これまでは専門家でしかできなかったことが、誰でもできるようになっています。

また、ディープラーニングという技術的ブレークスルーが2012年に生まれたことで、人工知能への到達にまたひとつ現実味が出てきていることが、機械学習が注目を集めている理由です。

 

機械学習が行うのは「外れ値検知」と「分類」

機械学習って何に使えるの?という答えに対して、本書の中では「外れ値検知」と「分類」と書かれていました。つまり、何かインプットを与えると、それがYesなのかNoなのか、という判別をしてくれるわけです。あるいは、AかBかCのどれに該当するかを教えてくれます。

メールのスパムフィルタや、アマゾン等のリコメンド機能に使われています。こういう原理を知ると、どこに応用できるか発想が広がりますね。

 

これからのデータ分析ソフトウェアは?

Rはデータ分析に特化したフリーソフトで手軽に使えること、豊富な追加パッケージがあることがメリットなのですが、サーバーサイドの分析にあまり強くなく、そういう面ではPythonの方が強みを発揮してきてるのかな、というのが本書を読んだ印象です。

実際に、本書の中ではこう書かれていました。

ただ、私見にすぎませんが、昨今ではPythonの方が勢いがあるようにも思われます。また、機械学習に慣れてきてフルスクラッチでアルゴリズムを書きたい場合も、PythonはNumpy、Scipyを駆使して高速なアルゴリズムを書けます。一方で、Rは多くの場合、Rだけでは十分な速度が出ず、CやC++等を用いて高速化する必要が出て、学習の負担が大きくなりやすい傾向にあります。

Rは手軽に使えること、比較的環境セットアップや言語習得が容易であるものの、高度なプログラミング処理を行う場合は、Pythonなどで組み上げる必要がある、ということでしょう。

 

以上です。R活用編に比べると、具体的な説明が少ないですが、それでもいろいろ事例やコードが書かれているので、データ分析を試してみたい、と思わせてくれます。

分析アルゴリズムが共有され、誰でもあまり深く意識しなくても利用できるようになってきているので、データ分析は本当にいろんな人に身近になってきています。興味がある方は、一度試してみてはどうでしょう。R言語に関しては、参考になるネタをこのページにまとめています。

https://synapse-diary.com/?page_id=3783

さーなにやろうかな。

安倍総理の戦後70周年談話をテキストマイニングしてみた

安倍首相が戦後70周年談話を発表しました。少しタイミングが遅れてしまいましたが、過去に発表された村山談話(戦後50周年)、小泉談話(戦後60周年)と合わせて、テキストマイニングで分析してみようと思います。

分析の前提

R言語で分析を実施しました。それぞれ以下のサイトから全文を取得しました。

村山総理大臣談話
小泉総理大臣談話
安倍総理大臣談話

全文テキストを日本語の形態素解析を行い、名詞を抽出しました。

3つの談話の分析結果

村山談話、小泉談話、安倍談話の3つを形態素解析して、ワードクラウドで表示したのが以下です。

村山談話

murayama

小泉談話

koizumi

安倍談話

abe

 

3つとも同じ条件で解析したのですが、特徴的なキーワードはちょっと違っていることがわかります。村山談話や小泉談話は「平和」というキーワードが多くなっていますが、安倍談話では「日本」「世界」というキーワードが多くなっているのがわかります。

また、そもそも3つをみると、安倍談話→村山談話→小泉談話の順にキーワードの数が少なくなっているのがわかります。全文テキストの文字数でみると、こうなっています。

村山談話(1995年)1285文字
小泉談話(2005年)1135文字
安倍談話(2015年)3354文字

安倍談話が突出して文字数が多いのがわかりますね。いろいろセンシティブな国際情勢の中で、説明に苦慮した結果なのかもしれません。

 

とりあえず、こうやって比較すると特徴がみえてくるものですね。

自民党のイメージが低下しているのか、Twitterで分析してみる

自民党の報道圧力に関するニュースがいろいろ騒動になっています。そんな中で、石破地方創生相が、こんな発言をしています。

自民党がガタガタとするのは政策よりも「なんか自民党、感じが悪いよね」と国民の意識がだんだん高まっていったときに危機を迎えるのが私の経験だ。政策は大事だが、「嫌な感じ」が国民の間に広まることは心しなければいけない。

「自民、感じ悪いよね」国民に広まると危機 石破氏:朝日新聞デジタル

ということで、実際にイメージがどうなっているのか、Twitterで分析してみようと思います。

例によって、ヤフーのリアルタイム検索を使います。

Yahoo!リアルタイム検索~Twitter(ツイッター)、Facebookをログインなしで同時に検索!

 

日本の政党で、議席数獲得上位5党のTwitter分析結果が以下になります。

自民党は報道以降、Twitterの件数が増えており、「感情の割合」ではネガティブが民主党に比べて多くなっています。

jiminminshukoumeiishin   kyousan

政治は権力であり、常に批判される対象ではあるので、全体としてネガティブが多い傾向なのは当然といえば当然かもしれません。ただ、5党でネガティブな割合を比較すると、やはり自民党が頭ひとつ抜けてる印象があります。

あと、ツイートの件数でみると、自民や民主が多いのはわかりますが、議席数が比較的少ない共産党のツイート数が公明党や維新の党より多いです。共産党はマーケティングが結構優れているというか、ポジションがぶれないので、わかりやすいというのはあるんじゃないかと思います。

 

企業も政党もそうですが、イメージとしてどう抱かれているのかというのはとても大切です。なぜかといえば、人には「代表制バイアス」というものがあり、ある特定の事象が全体の印象を決めてしまうからです。

冒頭の記事であるように、「なんか感じ悪いよね」というイメージが侵食していくことは、組織としては良くないことでしょう。そして、こうやってネットからだとイメージを可視化できるようになっているので、そういうのも企業などのブランディングに活用できる時代になっている、ということです。

 

民衆の意思が可視化され、政治に取り込まれていく、という考え方は、まさにこの本の通りですなあ。

 

今日はこのへんで。

なぜ、ソフトバンクやファミリーマートがTポイントに出資するのか?

geralt / Pixabay

ソフトバンクがTポイントへ出資、というニュースがありました。

ソフトバンク、Tポイントに出資 ヤフーも追加出資:朝日新聞デジタル

また、同じタイミングでファミリーマートも出資しているようです。

「Tポイント」に200億円出資 ソフトバンクとファミマ  :日本経済新聞

 

最初は、「Tポイントへ出資」の意味がわかりませんでした。「ポイントに出資する、ってどういう意味だろ?」と思ったのですが、「株式会社Tポイント・ジャパン」というCCCとは別会社がいるんですね。さらに、「株式会社Tポイント」という別会社もあります。

Tポイント – Wikiwand

 

これまでのTポイントと個人情報保護の関係

今回の出資の意図を考えるには、Tポイントのこれまでの経緯を理解しておく必要があります。

Tポイントというのは、自社だけでなく複数の企業が付与・利用できるようにする仕組みになっています。ポイントは、複数の企業にまたがるデータを集めて、分析することで、マーケティングに活用しよう、という取組みであった点です。

その何が問題なのか?といえば、「共同利用する」という範囲がユーザーから見て非常にわかりづらい点です。それが個人情報保護法にも抵触しているのでは?という話があったわけです。要は、「取得した個人情報を共同利用するからには、その範囲を事前に明確にしておく」という点が、ポイント参加企業がどんどん増えていくことで、明確にできなかったというわけです。なので、ユーザーが個人情報を提供した時点では意図しない形でいろんな企業に情報が共有される状況だったわけです。

個人情報保護法とTポイントの関係は、この記事を読むとわかりやすいと思います。

Tカードは個人情報保護法違反に該当するのか?──津田大介の「メディアの現場」vol.44より:津田大介の「メディアの現場」:津田大介チャンネル(津田大介) – ニ(コニコ)ちゃんねる:社会・言論

そのような指摘もあり、Tポイントは規約が改訂されて、複数企業による「共同利用」から、「第三者提供」という位置付けに変えました。同時に、「自分の情報は第三者に提供したくない」という意思表示をできるオプトアウト手続きが提供されています。

ニュース – 「共同利用」から「第三者提供」に、CCCがT会員規約を大幅改訂へ:ITpro

 

ソフトバンクやファミマがTポイントに出資することの狙いは?

簡単にいえば、データの共有を促進させたい、ということでしょう。単なる参加企業の場合、「第三者提供」という形になりますので、オプトアウトなども含めて個人の購買履歴などがうまく利用できない可能性が今後高まっていくと予想されます。

しかし出資関係を構築することで、「グループ企業」という事実関係を作れることから、より深くいろんな企業で取得した購買履歴などの情報を共有することが可能になると思われます。それは、先ほど挙げた記事を読むと書いてあります。

鈴木:はい。今回のTカード問題でまず論点になるのが、(3)共同利用者の範囲です。T会員規約には、共同利用者の範囲は「当社の連結対象会社及び持分法適用会社」と「ポイントプログラム参加企業(TSUTAYA加盟店を含みます)」と示しています。 経済産業分野ガイドライン45頁をみると「本人からみてその範囲が明確であることを要するが、範囲が明確である限りは、必ずしも個別列挙が必要ない場合もある」というように示されています。 持って回った言い方をしていますが、ここの趣旨は、共同利用者の範囲は、第一に個別列挙方式を原則とすること。すなわち、A社、B社、C社とすべて限定列挙することが望ましいということを示しています。第二に、本人から見て共同利用者の範囲の明確性があれば例外的に個別列挙原則を緩和するということが書いてあります。

Tカードは個人情報保護法違反に該当するのか?──津田大介の「メディアの現場」vol.44より:津田大介の「メディアの現場」:津田大介チャンネル(津田大介) – ニ(コニコ)ちゃんねる:社会・言論

 

つまり、「ポイントプログラム参加企業」だけでは、その他大勢の企業と同様の扱いになり、「第三者提供」の枠を抜けだせません。それを出資関係になることで「共同利用」方式をとって、情報を共有する形を採りたいのだと思われます。あるいは、匿名化などのデータ提供ルールを調整する際の主導権を握っておきたい、というところかもしれません。日経新聞の記事でもこう書いてありますしね。

加盟店はポイントを顧客の囲い込みに使う。だが現在、得られる購買履歴のデータは、自社の店舗での利用に関するものに限られる。出資を機に多様な店舗での購買データを活用。ソフトバンクはスマートフォン(スマホ)で年齢や性別などの属性に応じた食品や日用品の割引やポイントを使った決済を手掛ける考えだ。ファミリーマートは独自商品の開発や品ぞろえの改善につなげる。

「Tポイント」に200億円出資 ソフトバンクとファミマ  :日本経済新聞

 

それぐらい、購買履歴というデータには宝がたくさん埋まっている、と考えているのでしょう。データ活用が今後はもっと広がっていくと思いますし、そのときに強いのは「データを握っている企業」です。そういう戦略を今後強化していく上で、ソフトバンクやファミリーマートはしっかりとデータを利用したりコントロールしやすい状況にしておこう、という狙いなのだと思います。

 

企業が提供するこういうポイントプログラムをどう信用し、利用していくかは利用者側にも理解というかリテラシーが求められます。こういう情報を提供する、利用するのが嫌だ、ということであればオプトアウトするなり、ポイントの付与を受けない代わりに購買情報の提供を拒否するという考え方もあります。

 

ポイントプログラムによる囲い込みは、一時期様々な企業が提供していましたが、ある程度絞られた感があります。ソフトバンクやファミリーマートなどの大企業がが自分たちでポイントプログラムを提供をしていないのは、その証拠ではないか、と。

今だと楽天とTポイントが優勢ですかね。

楽天スーパーポイント VS T-POINT &ヤフー 会員数と提携店舗数 比較

楽天はネットに強く、Tポイントはリアルに強いというそれぞれの特徴があります。それぞれの戦略は見ていて面白いですね。

 

個人情報保護については、個人情報保護法の改正やパーソナルデータ活用など、いろんな動きが生まれています。この本を読むと、主要なポイントや流れを抑えることができて良いんじゃないか、と。

【Twitter分析】「地方創生」がどう話題になっているかを調べる

統計フリーツールのRを使って、Twitterを分析していますが、前回の「ピケティ」に続き、今回は「地方創生」にしました。

【Twitter分析】「ピケティ」がどう話題になっているかを調べる

 

Twitterのつぶやきに「地方創生」というキーワードを含むものを9000件ほど取得しました。時系列で件数を表すと、次のようなヒストグラムになります。一日あたりの件数は結構多くて、1000~1500件程度です。

tweet

これをRMeCabを使って形態素解析して、名詞を抽出、ネットワーク分析にかけます。それで出たのが以下の図です。(N-gramは3の結果を表示してます。)

net3

「東洋」「経済」がキーワードにならんでいるのは、このシリーズが話題になっているからだと思います。

地方創生のリアル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

特にこの記事ですかね。

特産品で地方創生ができるという「幻想」 | 地方創生のリアル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

「2月7日」「自民党」というキーワードがありますね。知らなかったのですが、このツイートがその正体かと。

 

 

なるほどなー統一地方選も近いですしね。

 

今日はこのへんで。