中途入社の罠

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転職して、成功する人としない人の違いはなんだろうか。

転職なんてどんどん珍しくなってきているし、入れ替わりが激しい業界だったりするので、中途入社の人と仕事する機会が多い。途中から組織に加わる人というのは、それ特有の苦労というか、ギャップに苦しむケースも見受けられる。どうしてそういうことになるんだろうね。

新入社員は組織において個別最適化される

新入社員は、社会人経験がないため、その企業に合わせて個別最適化されてゆく。考え方、言動、会社ルールの熟知が積み重なり、会社における評価軸にフィットさせていくのだ。だから評価されやすい行動に走るし、求められる期待に応えようとする。

盲目的な人材を生んでしまう可能性も孕むものの、組織からみれば最も使いやすい人材を養成できる、という意味で新入社員を確保する重要性は未だ大きい、と思っているのではないか。

中途入社の何が有利/不利か

新入社員と異なり、個別最適化されてないことが有利でもあり、不利でもある。

企業買収と同じで、養成するまでにかける時間を「買っている」のだと思うと、その分キャリアとして通用する部分を求められる厳しさがある。

そして、本質的には組織内に違う「血」を入れることで別の価値を見出していく、カンフル剤的な要素も求められるはずだ。

だから、企業が求める評価軸にすぐにマッチできない可能性がある、という意味で不利でもあるし、企業には余りない要素で、かつ企業内で必要とされる要因があれば、それはとても有利ということになる。

マインドの転換を求められるのが辛い

残念なパターンは2つほどある。ひとつは、そもそも企業が求めるスキルが不足している場合。この場合はもう不幸というしかない。結果が出せず、炎上することも多い。採用リスクのひとつだろう。

もうひとつは、スキルとしては十分なものの、マインドが転換できない。「郷に入りては郷に従う」ではないが、マインドを転換できないと、いつまでも組織の中でいつまでもブレイクスルーできない気がする。

最近ハマった「進撃の巨人」の中で、軍隊に入った新人を厳しく尋問する「入隊儀式」がある。これは、組織で生き残っていくために、これまでの自分を否定させることが目的らしいのだが、「マインドを変える」というのは、それぐらい大変な作業なんだな、と思う。

自分のマインドを変えようと思ったら、心が折れるほどの経験をしたり、自分を素直に否定して新しい要素を受け入れなければいけない。ある程度経験がある人ほど、自分を否定することができず、マインドの転換を図れないような気がする。人の心理というのは、面白くもあり、時に厄介だ。

というわけで、新しい組織にうまく適合できていないと思う人は、自分が抵抗を感じることを受け入れる努力を検討してみると良いかもよ。って、転職もしたことない自分に言われたくもないだろうけれど。

とはいえ、職業柄社内でもプロジェクトが変わると、人も環境もカルチャーも多少なりとも変わるので、その点でどうやって自分を適合させるかは、常に考えてはいたりする。一気に変えるのはしんどいので、少しずつ変えていくのが、ひとつのコツみたいな感じもする。違う人と話し、少しやり方を工夫してみたり、自分とは違う人の話し方を真似してみたり。電気ショックみたいにいきなりバーっと自己否定するんじゃなくて、ゆっくり変える努力をすることが重要なんでないかねえ。

諫山 創¥ 249

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