新しい知識と経験を求めよう。「RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる」

年末年始に読んでいたんですが、この本が大変面白かったです。

個人や組織が良い選択をしていくために、どのような学習が必要かが書かれています。AI時代に人がどう学ぶべきか、という点も書かれています。
基本的にはタイトルにもなっている通り、”学習の幅”が重要なのですが、それも様々な角度から検証されていてとても刺激的でした。

早い時期から専門性を高めるのは良いことか

子供を育てている方であれば、自分の子供がどういう学習の仕方をしていくと将来活躍できるのだろうかということを考えると思います。幼少期から専門的な教育を行うことで、一流の人になれるのではないか、という話です。
タイガーウッズなど、早期教育で活躍した例なども検証しながら、教育の効果についてひも解いていきます。そしてひとつ示されるのは、創造性が求められる領域については、「訓練の幅が重要になる」ということです。
全体として見えてくることは、ある代表的な研究の結果と一致する。その研究は音楽だけに限定した研究ではないが、それによると、「訓練の幅の広さは、応用の幅の広さにつながる」。言い換えると、多くの文脈で学べば学ぶほど、学習者は抽象的なモデルをより多く構築するということだ。学習者は、これまでに見たことがない状況に知識を応用するのがうまくなる。これこそが、クリエイティビティーの根幹だ。


専門性の重要さが失われるわけではないと思いますが、いろんな領域に触れておくことが重要ということです。

我慢して続けることがポジティブか

GRIT(やり抜く力)という有名な本があるのですが、「RANGE」でもこのGRITの本について触れられるところが出てきます。
力を発揮しようと思うときに、やり抜く力が重要という点はだれしも「そうだろう」と考えると思いますが、この「RANGE」では「自分の適性を理解して、時には何かをやめて、場を離れることが重要だと説いています。
自分で活躍するフィールドを築く人は、辞めるタイミングも理解し、より自分が活躍できる場所へ進んでいる、ということですね。

幅広い意見を受け入れるために

あとは、この示唆も個人的には好きでした。
科学にとても興味のある人たちは、その内容が自分の現在の信念に合っていてもいなくても、常に新たなエビデンスを見ることを選んだ。一方、あまり科学に興味のない人たちはハリネズミ的で、知識を得ると、自分の考えに反するエビデンスにはさらに抵抗するようになり、政治的により偏向していった。科学に興味がある人はこの傾向に逆らった。

科学リテラシーは、自分の意見をうまく軌道修正しながら考えていけるのに役立つのだな、と。