クラウドERPのトレンドと中小企業の向き合い方

ERPというのは、随分昔からあるシステムですが、対象はどちらかというと大企業向けでした。

企業の経営管理機能のほぼ全てをカバーし、リソースを最適化するためにはどうしても費用が高くなってしまうというのが根本的な原因です。

ただ、最近はクラウド化の波がERP市場にも訪れており、変化が生じています。

約一年前に調べたのですが、改めて状況をアップデートしていきたいとおもいます。

ERP市場の現状と今後の展開を調べてみた

ERP市場の全体トレンド

真っ先に見つかるERPの市場規模調査では、ITRが出している2018年の調査があります。

ITR Market View:ERP市場2018 | ITR

このデータから見えてくるのは、ERP市場全体の拡大と、クラウド比率の増加です。

もう少し細かくみると、オンプレミス型のERPが大きく減少していき、それに置き換わるようにIaaS型が増えていくと予想されています。これを見ると、

  • 大企業・中堅企業に導入されていたオンプレミス型のERPはIaaS型への置き換えが進む
  • 中小企業を対象にクラウド型のERPが新たに導入される

というシナリオが考えられます。

 

クラウド化と価格低下が導入ハードルを下げる

実際、調べてみるとクラウドERPというのは各社が提供し始めています。ボクシルで取り上げられていたのは、こちらのサービスです。

  • NetSuite
  • クラウドERP ZAC
  • SAP Business One
  • Oracle ERP Cloud
  • GLOVIA OM
  • Workday

ERPシェア・市場規模 | 世界調査と国内最新動向・注目クラウドサービスも紹介 – ERP(基幹システム) | ボクシルマガジン

それ以外にも、ALL-INというサービスもありました。こちらは金額も明瞭で、15人利用する場合であれば、ざっくり年間100万円程度です。年100万円で基幹系システムが導入できるというのは、すごい時代になってきた感があります。

料金プラン – ALL-IN(オールイン) | 中小企業・ベンチャー向けトータル経営システム

それ以外にも、オープンソースという選択肢も出てきています。昔からこの領域は存在していたようですが、最近ではOdooというOSSが勢いあるようです。

Open Source ERP and CRM | Odoo

こちらの会社様が、日本をはじめとするアジア圏での導入を積極的に展開されています。

オープンソースのクラウドERP Odooで業務改善 – コタエル/Quartile

これらを調べてみると、各社クラウド化に熱心になっており、特にALL-INのように中小企業向けを明確に示し、料金もわかりやすいサービスが登場してきていることからも、この領域は中小企業を中心に、これまでERPを使ってこなかった層を対象に市場を広げていくでしょう。

 

ということで、ざっくりとではありますが、ERP市場のトレンドを確認してみました。クラウド化の波が大きくやってきているので、中小企業も含めて幅広く浸透するのではないでしょうか。

参考:
ERPのトレンド:クラウドERPに移行するべきか?
6つのERPトレンド、AIやブロックチェーンなど(上) – 6つのERPトレンド、AIやブロックチェーンなど:CIO Magazine