先日カメラのキタムラに行ったら、非常に混雑をしていて、失礼ですが驚きました。
写真のプリント市場と言うのはデジカメやスマホの普及によって減少していると思っていたので、写真をメインにビジネスをしているカメラのキタムラが、とても盛況の状況を自分でイメージできていなかったせいです。反省しました。
というわけで、カメラのキタムラの業績を確認して、業界動向やカメラのキタムラの戦略を探りたいと思います。
カメラのキタムラの最近の業績
まず過去5年間の通期業績から。
「カメラのキタムラ」を展開するキタムラの通期業績。これまで頑張って伸びてきていましたが、直近は売上減少で赤字。 pic.twitter.com/xr1IevJTh7
売上は減少しています。最新の通期では赤字も計上していますね。
四半期でみても苦戦している印象があります。
「カメラのキタムラ」を展開するキタムラの、四半期業績。こちらでも、売上の減少傾向がみえます。 pic.twitter.com/fKhf0J8rMc
IRの資料を見ても、ここ数回の四半期発表で業績があまりよろしくないことが書かれています。
とは言え、カメラや写真の業界が変動している中で、無策であったはずはありません。カメラのキタムラはどういう戦略の変遷を取り今どこに向かおうとしてるのでしょうか。
カメラのキタムラの戦略
Wikipediaに、これまでの戦略概要が書かれています。
非常にわかりやすいですね。カメラはデジカメなどで価格競争を行い、プリントサービスによって収益を作り出すモデルをとってきたようです。
さらに最近ではスマートフォンの販売も取り扱っており、売上拡大のチャネルを増やしてきました。
だいたいわかったのですが、具体的な状況確認するために、もう少し細かい業績を見てみようと思います。
セグメントごとの売上
IR資料から、各セグメントの業績を確認しましょう。以下が、セグメントごとの売上になります。いくつか事業がありますが、圧倒的に店舗販売の売上高が大きいですね。
そして、こちらが過去3年の売上高の推移になります。
さらに経常利益も見てみると、過去3年で店舗販売セグメントが減収減益になっています。これが、全体の業績に最も大きい影響を与えている状況です。
店舗販売のさらに詳細を見てみると、売上高として構成比率が高いのは、「イメージング部門」と「ハード部門」。最も売上高が高いのが「ハード部門」で、デジタルカメラやスマートフォン販売が対象になっています。そして、その売上高が最も落ち込んでいるのも「ハード部門」です。
各部門の利益率は発表されていないので、売上高側からの推測になりますが、まずデジタルカメラ市場全体で、販売台数が落ちてきている状況があります。
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そして、スマートフォンについても、総務省の販売ルールの変更などもあり、キタムラは影響を受けているようです。
カメラのキタムラ大量閉店は、総務省のスマホ割引規制が影響か?—広報に聞く – CNET Japan
IR資料によると、2018年3月期の柱は、次の6つになっています。
- 店舗の戦略的配置
- 専門性の強化
- 固定費の削減
- イメージング商品のラインナップ拡充
- オムニチャネルの加速
- 七五三・年賀状
これを読む限りは、1000店舗を超える店舗網を生かした戦略がベースにあり、カメラやスマホの販売、写真印刷の販売というモデルはあまり大きな変化を行わないように見えますね。
スマホの普及、インスタグラムなどのSNSの普及で、僕らが撮る写真の数は圧倒的に増えました。今後は、それをどう保管したり、アレンジしたり、シェアして楽しむか、というところに一層フォーカスされていくと思います。
久々に店舗に訪れたらとても人が多かったのですが、数字を見る限りはやや厳しい印象を持ちました。今後、キタムラがどうビジネスを展開していくのでしょうか。