才能や学歴ではない。仕事で結果を残せる人は、何が違うのか

社会人になって、ビジネスで活躍できる人とそうでない人がいて、それは決して学歴が高い・低いだけでは決まらないということに気づきました。

その違いはどう生まれるのか、ずっと疑問に思っていましたが、明確に言語化することができませんでした。しかし、この本を読んで長年の疑問を晴らすことができたのです!


この本は、仕事やスポーツなどで結果を残せる人というのは、どのような特性を持っているのかを様々な研究から明らかにしたものです。

大きな成果を残せる人は「やり抜くことができる人」

本のタイトルになっている通り、大きな成果を残せる人が共通して持っている特性は何かと調査していき、それが「やり抜く力」であると特定します。

マシューズが驚いたのは、困難に対処する力は才能とはほとんど関係ないということだった。訓練の途中で辞めていった者たちは、才能がなくて辞めたわけではない。それよりも重要なのは、マシューズの言葉を借りれば、「絶対にあきらめない」という態度だった。

結果を残せる人というのは、もともと才能があるということよりも、粘り強くあきらめず取り組める態度が重要だということです。

また、個人的に発見だったのが、多くの人が「天才」や「才能」というものを重視している事実を示していることですね。

参加者にとって明らかな唯一の相違点は、2名のピアニストの紹介のしかたにあった。ひとりは「才能豊かで、幼少時から天賦の才を示した」とあるいっぽう、もうひとりは「努力家で、幼少時から熱心に練習し、粘り強さを示した」とあった。 するとこの実験では、先ほど紹介したアンケート調査の結果(才能よりも努力が重要)とは矛盾する結果が出た。音楽家らは、「天賦の才」に恵まれたピアニストのほうが、プロの演奏家として成功する確率が高いと評価したのだ。

自分が敵わない、想像できない領域にいる人を、その距離を表現するために「あの人は天才だ」とか「才能があるんだ」と言ってしまう訳ですね。しかし、成果を残す人は多くの努力をしており、その積み重ねによって高いレベルへ到達しているのであり、「才能」と一言で片付けられるものではないのです。

逆に言えば、努力の積み重ねによって、誰でも大きな業績を生み出せる可能性を秘めている、とも言えます。

どうやったら「やり抜く力」を伸ばすことができるか?

「やり抜く力」を伸ばすための方法が、この本には書かれています。詳しくはぜひ読んでいただきたいのですが、これは何歳になっても、どのような状況であっても、活かせる内容になっています。

驚いたのは、これまで自己啓発などでよく登場する言葉が、何度も登場してきたことです。目標を持つこと、ポジティブ思考になること、良いメンターを得ること。これらは内容としては新しくないかもしれません。しかし、それが「やり抜く力」を形成する上で、「なぜ重要なのか」を具体的に説明されていて、その意味を腹に落ちた形で理解することができます。

最後のあたりは、子供の教育にも触れられています。どうやったら、自分の子供に「やり抜く力」を身につけてもらえるか。これは若手育成など、どの年代でも教育という視点で考えて見ると、発見があるんじゃないでしょうか。

こういう研究によって、人の特性が解明されるというのは、非常に刺激的です。今回この本を読んで、いろんな刺激を受け、自分の行動を変えないといけないな、と認識することができました。

ちなみに、TEDで著者によるスピーチを見ることができますよ。



というわけで、人の能力のどこに注目するべきか、どうやったら結果を残せる人になれるのかに興味がある方には、非常にオススメです。

最後に。この言葉が一番、心をどきっとさせられました。

もしあなたが自分の子どもの「やり抜く力」を引き出したいなら、まず、「自分が人生の目標に対してどれくらいの情熱と粘り強さをもって取り組んでいるか」、つぎに、「子どもが自分を手本にしたくなるような育て方をしていると思うか」、考えてみよう。

今日はこのへんで。