竹中平蔵さんの新刊。ちょっと前の「闘う経済学」と重複する内容もあるけど、基本的には民主党に政権交代した後の、民主党への提言というタイムリーな内容。経済的観点からの政策や、官僚との付き合い方など、経験者らしい詳しい提言が含まれている。
日本の所得捕捉率について
恥ずかしながらこの本で初めて知ったのだが、所得捕捉率(国が所得を把握している率)はかなり低いそうだ。用語として、「クロヨン」とか「トーゴーサンピン」などと言われるらしい。
事業によって不公平が発生している現実から考えると、消費税は平等かもしれない。ただし、低所得者に対してはある程度加味する必要があるとは思うけれど。
本書では、納税者番号制の導入をうたっている。プライバシーの問題で導入が見送られているらしいが、システム屋の発想からいえば、データベースでID振って管理するのが最も簡単であり、いろんな場面で現状導入されている。自分がどこかの企業に渡した個人情報は、既にID管理されているし、ユーザはそれを気づいていないか、もしくは気にしていないと思う。実際、WebサービスではIDやユーザIDを登録するし。当然のことだ。なぜ反対されているかは不明。
本の内容から少しずれたけど、内容はタイムリーではあるけれど、何分新書ということもあって、若干内容が薄い。どちらかというと、「闘う経済学」の方をすすめる。
闘う経済学―未来をつくる「公共政策論」入門
posted with amazlet at 09.11.07
竹中 平蔵
集英社インターナショナル
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