【MBA書評】ケースで学ぶERMの実践

だーくろと共同テーマで書いている「MBA書評」ですが、これまでの書評は以下の通りです。

【MBA書評】企業分析入門 | Synapse Diary
【MBA書評】コーポレートファイナンス | Synapse Diary
【MBA書評】ビジネスインサイト|だーくろのブログ
【MBA書評】成功するビジネスプラン|だーくろのブログ

今回は結構ごっつい系の本について書きますよ。企業経営を行う上では、リスクマネジメントというのは外せない項目になっているわけでして、その考え方や取組内容は知っておかなければいけません。

特に、リスクマネジメントの世界も発展していて、ERMという企業全体でリスクマネジメント体制を構築することが重要になっています。

というわけで、今日の一冊はERMを構築するための理論と実例を集めた本です。

本の概要

分厚い本であるが故に、たくさん事例が掲載されています。なので、ERMを構築する、というあまり馴染みがないことに対しても、実際の企業例と照らし合わせながら確認することができるので、理解はしやすい本だと思います。

リスクを把握し、評価し、対策する。それだけといってしまえばそうなのだけれど、それが組織構造にも影響を与えるし、財務インパクトも予め計測しておいた方が良い、ということになります。そういう、リスク管理を中心にして、企業経営上考えなければならない要素が書かれています。

 

本のみどころ

リスクは基本的には「確率×インパクト」で把握するものですが、さらに残余リスクと許容リスクの考え方、リスクの保有・移転・回避などのアプローチなど、リスク対策の基本を深く理解することができました。感覚的にわかっていることも、理論的に学習すると思考と応用が深まるというものです。企業グループ内のリスクをまとめてヘッジするための「キャプティブ」という存在も、この本で初めて知りました。

さらに、投資や財務へのインパクトについても、具体的な計算方法を含めて学習することができます。これらが企業評価に加わることで、より現実的な価値に換算することができ、業績予測やデリバティブなど様々な領域とつながっていきます。

 

リスクマネジメントというと面倒、というイメージもありましたが、科学的にリスクを管理する仕組みが理論上存在していて、自分の中では新しい発見でした。

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