ローマ法王に米を食べさせた男

なんというか、これはすごい勢いの本だな。面白くて一気読みした。 石川県羽咋市の市役所職員の話なんだけど、スピード感、スケールが想像以上で爽快だった。

人口減少と高齢化が進み、限界集落も出始めている地域で、地域活性化を行うためにいろんな施策を打っていく。そのアグレッシブさ、アイデアの豊富さにまず驚く。そして、それが実を結び、地域が変わっていく様子は素晴らしいの一言だ。

 

論理的に考えて、感性で動く

なんでもそうですが、何かをやろうとする時は、情報収集が非常に大事になってきます。よく調べないと何も出来ないのは、テレビの構成作家時代に身にしみて覚えたことです。それで全国の2万人から5万人までの市町村で、町おこしに成功したところと失敗したところを114ヵ所調べました。

こんな感じで、下調べを入念に行うスタンスがある一方で、

私たちに何が足りないのか? 行動する力がまったくないんです。知識や情報を持っていても行動理念がない。手をこまぬいて何もしなければ、村は「自然消滅」します。過疎高齢化すると百年間嘆き続けても、会議ばかり何度も開いても、多額のコンサルタント費用を払い、きれいに印刷した計画書を千冊積み上げても、村は何一つ変化しないんです。

行動の重要性を挙げる。要は両方必要だってことです。当たり前なんだけど。

 

マーケティング能力

商品を発掘して、どうやって売るかという、いわゆる「売る仕組み」を作るのが素晴らしい。

内輪の人間でなくてよそ者に語ってもらうことで、初めて気がつくんですよ。組織でもそうです。だから外からものを見る見方、外からの援護射撃を取り入れていったんですよね。

っていって、大学の教授や東京のメディアを引っ張りだしたり、意図的に地元メディアには情報を流さなかったり、海外のメディアにアプローチしたり。

誰にどうやって見せるか、ということをすごい考えているんだろうな、という事例が山ほど出てくる。良い商品を作ることも重要だけど、その見せ方、売り方を工夫して創造することで、状況が変わるのもまた真実。

 

本質を考える

何か行動や結果に結びつけていくためには、物事の本質を捉えておく必要がある。そうでないと、何を目標にして、どうアプローチするかは全然変わってしまうからだ。そういう点では、例えば「村」とはどういう仕組みで動いているか、「地域活性化」とは何を目的にするのか、など本質的な部分を捉え、思考した内容が書かれているのはとても面白い。

例えば、青年団活動は、このように考えている。

人間には3種類いると言われているんですね。いてはいけない人、いてもいなくてもいい人、いなくてはならない人。それを考えた時に、青年団活動をしている4つのグループは、羽咋という1軒の家にとってなくてはならない存在なのか問いただしてみたんです。町の人たちから、おまえたちはなくてはならないんだと言われているだろうか。あるいは、そういった認識を持たれているだろうか…

こういう視点で考えたときに、どこまで有意義か、あるいは有意義になるかを考えることにつながっていくわけで。

 

最後に。やる気になる一言を貼っておしまい。

そこから始まった信条・モットーが、前にも書いた、 「可能性の無視は、最大の悪策である」  です。とにかく1%でも可能性があるなら、徹底的にやってみようよ。最大の悪策は、やりもしないうちから、絶対出来ないと思いこむことなんです。人間というのは、非常に狭い経験と知識で物事を判断してしまう。長く生きていても経験が狭い人もいるんです。むちゃくちゃ若くても、ものすごく豊富な経験をしている人もいます。1%でも可能性があるのなら、とにかく突き進んでその1%にかけてみようという考え方です。

たくさんエネルギーをもらいました。

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