働きながら、社会を変える

慎 泰俊¥ 1,575

働き方を考える上で、この本にはいくつかヒントがありそうだ。様々なバックグラウンドを持つ人たちの方向性をどう纏めていくか、社会貢献できるようなソリューションをどう見出すか、という点で大いに参考になるだろう。読みやすい文章であるし、多様な働き方をしたいと思っている人は、読んで欲しい。

 

ここで書こうと思っているのは、社会貢献へのアプローチとしての「行政の補助金」について。

ネタを少しばらしてしまう気もするけど、この本でも解決策のひとつとして、行政の補助金を有効活用する手段が書かれている。これを読んで、制度があっても利用されていない現状はたくさんあるかもしれないし、「行政からいかにお金を引き出すか」というのは、NPOなどの社会貢献アプローチとしては有用なんだってことだ。

市場経済というのは、不均衡を是正する仕組みがある。おいしい条件があれば、みんなが群がることで条件が緩和され、平準化される、というあれだ。しかし、市場経済だけでは難しいので、それを是正しようと行政は制度をつくるけれど、市場のような効率性が十分に効かないので、なかなか制度利用が進まないんじゃないか。

 

別の例だと、中小企業で女性の産休を取得しやすい制度づくりを支援するNPOでも、国からの補助金を引き出すことで財政的な問題を解消しようとしている。

結婚しても、子どもを産んでも、オンナの人生は選べる!女性が働き続ける環境作りを支援する「Arrow Arrow」 | greenz.jp グリーンズ

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国や自治体の制度は永続的に続くわけではない。だからこそ、一時的に社会のギャップを埋めるために補助金を活用するスキームをつくるのがNPOというのは、良い組み合わせな気がする。制度をつくる側と利用する側の中間的な存在が必要なんだろう。

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