iPhoneでマインドマップ書いたら意外に良かった

すごい今更かもしれませんが、最近マインドマップを使い始めています。

以前から、アイデアを生み出し思考を整理する手法として知っていましたが、試した末に自分には向いていないと言って止めていました。

紙に様々な色ペンを使って書く、中央にイラストを書くなどのルールがめんどくさいなと思ってしまったのです。

しかし、最近iPhoneアプリでマインドマップを作ってみたところ、意外に使いやすく、なかなか使えるツールなんじゃないかと思い直しています。これこそデジタル時代だな、と感心しました。

iPhoneでマインドマップを作る便利さ

手書きのマインドマップは、紙を用意してイラストを描いたりカラフルに書くように推奨されていますが、正直この作業は面倒です。

しかしiPhoneであれば、どんどん枝が伸びるように言葉を登録していくことができ、勝手にマインドマップに仕上げてくれます。色も自動で変えてくれます。

それ以外は紙のマインドマップと同じです。画面が小さい、と思うこともありますが、それほど気にはなりません。簡単なものであれば、それほどマップの要素も多くないので、十分です。

おススメアプリは無料で使えるSimpleMind

とりあえず無料で使うならシンプルマインドがお勧めです。

Home – SimpleMind

これだけで十分に、マインドマップを書くことができます。操作性も特に悩む事はありませんでした。

有料版なら、Dropboxなどを使って、ウィンドウズやMacなど他のデバイスと同期することができるようです。使っていませんが。もっとリッチなマインドマップを書きたいと思ったら、スマートフォンでは限界あるかもしれませんね。

知的ワークの生産性をどう向上させるか

今、Deep Workという本を読んでいるのですが、改めて知的活動の生産性をどう向上させるか、考える必要があるなと思ってます。

アイデアを生み出し、深く考えていくことが、アウトプットの量と質に関係していきます。

そのときに、こういう手段やツールを知っておくと、生産性も大きく変わるんじゃないかと思ってます。手元のiPhoneで手軽に「一人ブレスト」できるようになって、そう実感しました。

最近は移動中にiPhoneでマインドマップ書いたり、文章を書くことが増えてきましたし、こういうツールが充実していくと、生産性を上げていけそうです。

これを機に、マインドマップの本も読みました。

Kindle Unlimitedにあるので、ユーザーは良ければどうぞ。こういうとき、Kindle Unlimitedは読みたい本をさっと読めるのが良いですね。

参考:使える!マインドマップおすすめアプリ『SimpleMind』 │ Hayaoki-Note.com

KPIを設定したけど成果が出てないと思う人はこの本を読もう

KPIという言葉はすっかり当たり前になりましたね。Googleトレンドでみても、年々増えています。

ただ、ちゃんとKPIをマネジメントして成果を出す、というのは結構難しくないですか?

KPIマネジメントでよくある課題

KPIを設定したのに、うまく成果に結びつかないときに、理由はいろいろ考えられます。

KPIと称して目標数字をかけるものの、効果が出ない。効果が出ないどころかほとんどみんな途中から数字を忘れてしまう。達成できないことによるあきらめが感じられる。

「KPIを設定し、PDCAサイクルを回しましょう」という考え方はわかるもののの、ほんとにそれを実行し効果を出すためには、何かが足らないのではないでしょうか?

成果を出すためのKPIマネジメントについて、より実践的な方法を知りたいと思っていました。

リクルートの実践的なKPIマネジメント手法

リクルートに関連する記事や本を読むと、ビジネスを発展させるためにKPIを設定して、それをぐるぐる回して改善した、という話がよく登場します。

例えばこの本。

リクルートの手法から学ぶ新規事業の作り方・育て方

ビジネスモデルを成長させる仕組みに、KPIマネジメントが含まれています。

それで、具体的にどうやってマネジメントしているのか気になっていたのですが、その内容を知ることができる良い本と出会うことができました。

【書評】強い会社をつくる会計の教科書

本書はユニクロやアスクルの監査役を務めた会計士の方が書いた、会社が会計に強くなるための具体的な指南書です。

新しい目標管理制度「OKR」を学ぼう

以前から気になっていた、新しい目標管理制度であるOKRの本を読みました。

夏休みの読書にどうぞ。2018年上半期このブログで売れたビジネス書ランキング

このブログの読者は何を読んだのでしょう。上位20冊をご紹介。

 

第20位:わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

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読解力をつけたいと思って読んだ本でしたが、世の中には同じように思う人がいる、ということでしょうか。

「わかったつもり」になりがちだと思う人は、おすすめです。

読解力を高めたい!同じ文章を読んでも、深く読み取れる人は何が違うのか?

 

第19位:グロービスMBAマネジメント・ブック

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有名なグロービスMBAシリーズ。本書は経営マネジメント全般をカバーした本で、最初に読むにはおすすめ。マーケティング、ファイナンス、組織など、マネジメントとはどういう範囲なのかを扱うのかを理解できます。

グロービスといえば、最近テクノロジーにフォーカスしたクラスを開講してましたね。テクノロジーは本当に重要なウェイトになっているので、良いと思います。

グロービス、法人向けに「テクノベート・マネジメント・プログラム」を2019年1月に開講へ
テクノロジー時代の戦略立案と組織マネジメントのスキル・マインドを磨く新プログラム | ニュースリリース | グロービス(GLOBIS)

 

第18位:ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?

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ノーベル経済学賞を獲得したダニエル・カーネマンの有名な本です。

行動経済学というのは広く浸透してきましたが、この重厚な本は、人の心理がどのように作用し、行動に結びつくかを様々な事例を元に紹介してくれます。

心理と行動の関係が理解できる「ファスト&スロー」

 

第17位:全史×成功事例で読む 「マーケティング」大全

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マーケティングの発展の歴史を眺めながら、マーケティング手法を学べる一冊。

市場が成熟するに従って、マーケティングの重要性は高まっていますので、歴史からおさらいをどうぞ。

 

第16位:入門経済学

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経済学というのはとっつきづらいものではありますし、この真面目な教科書が売れていることが少し不思議ではあります。しかし、本書はとても平易に経済学の理論が書かれているので、しっかり学びたい人にはおすすめです。

 

第15位:ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件

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経営戦略としては、未だに色褪せない名著。時々読み返すと、また発見があるから不思議です。

戦略の本質を理解する良書 – 【書評】ストーリーとしての競争戦略

 

第14位:イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

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こちらも2010年発売ですが、未だに売れる濃厚な一冊ですね。課題解決としての原則がわかりやすく書かれてます。

イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」

 

第13位:ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

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上半期に読んだ中では、一番印象に残ってる本ですね。組織論の歴史と最新のトレンドが描かれていて、価値観のシフトが起こってるんだなって思いました。

これからの組織に求められるものがわかる「ティール組織」

 

第12位:20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

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起業家精神を説いた一冊。副業や兼業も注目される中で、自分でビジネスを起こすというのがどういうものか、考える良いきっかけになるんじゃないでしょうか。

【書評】20歳のときに知っておきたかったこと

 

第11位:リーン・スタートアップ

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起業へのハードルはどんどん下がっていますが、その中でどういうアプローチをとるべきかを学ぶには、この本が良いでしょう。

不確実性の高い現代で、リーンスタートアップをなぜ学ぶべきか

 

第10位:グロービスMBAマーケティング

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19位にも登場したグロービスのMBAシリーズ。こちらはマーケティングの本です。

 

第9位:ドラッカーが教える実践マーケティング戦略

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ドラッカーシリーズはたくさんありますが、この本は読みやすいのが特徴。

 

第8位:ざっくり分かるファイナンス

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「ファイナンス」という言葉の意味がよくわからない、会計との違いを知りたいという方におすすめ。

 

第7位:知識創造企業

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情報化社会という言葉が古くなったぐらい、情報があふれていますが、組織が情報を使いこなして強い組織になるためには、ナレッジマネジメントが重要になります。ナレッジマネジメントの教科書ともいえる本書は、今でも売れていますね。

創造的なアイデアを生み出す組織をつくるためには

 

第6位:財務3表一体理解法

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財務諸表をどう読むか。基本を学んでも、いまいち起業の全体像が財務諸表からはわからない、という状況が僕にはありました。そのときにこの本を読んで、「なんてわかりやすい表現なんだ」と感心したのを今でも覚えています。

 

第5位:モチベーション3.0

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2010年に発売された本書が、いまだに売れるのも不思議な気もしますが、確かに名著です。アメとムチという単純な作用では人は動かない、ということ。モチベーションを高めると人の生産性も上がること。人のモチベーションの源泉はどこにあるかを知りましょう。

人を活かす方法を理解する-【書評】モチベーション3.0

 

第4位:財務3表図解分析法

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6位の「財務3表一体理解法」と同じシリーズです。セットでどうぞ。

 

第3位:この世で一番おもしろいミクロ経済学

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経済学は、ミクロ経済学とマクロ経済学に大別されるのですが、主に一般でイメージされるのは「マクロ経済学」でしょう。しかし、ミクロ経済学も企業の取引や経済活動の原理が理解できます。本書は漫画でわかりやすく書かれているので、最初の導入におすすめ。

この世で一番おもしろいミクロ経済学

 

第2位:この世で一番おもしろいマクロ経済学

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3位にあるミクロ経済学と同じシリーズ。マクロ経済学の方が説明が難しいと思っていましたが、期待を裏切らずわかりやすい説明が漫画表現されています。

この世で一番おもしろいマクロ経済学

 

第1位:経営戦略全史

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経営戦略と言うジャンルは少しずつ歴史を積み重ねてきたわけですが、それを一冊に丁寧にまとめたのが本書です。一冊持っておくと、教科書的に読み返すことができるでしょう。

経営戦略を学び直して、本当の意味で理解するための「経営戦略全史」

 

以上、2018年上半期売上が多かったビジネス書でした。興味があるジャンルはありましたでしょうか。良い読書を。

【書評】マーケティングは組織革命である

USJのCMOで有名だった森岡さんの最新本を読みました。

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森岡さんの本は、過去にも2冊読んできました。

革新的なアイデアはどんな人でも思いつけるかもしれない。この本を読めば

【書評】確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

 

特に「確立思考の戦略論」は、数式をモデルにしたマーケティング理論が詳細に展開されており、読んだときは衝撃を受けたものです。

で、期待をして本書を読んでみたのですが、内容としては「マーケティングというより組織の本」という印象でした。

組織運営も「社内マーケティング」として捉えなおす

簡単に言ってしまえば、組織運営を「社内マーケティング」と捉えなおしたものです。ただ、「言うは易く行うは難し」で、実経験を伴った言葉には、説得力を感じます。

企業にはいろんな阻害要因が付き物ではありますが、この本を読むと、最初はマーケティング部部長という、最後のCMOから比べると役職も低く、権限が十分でなかった著者が、様々なロジックと戦略を駆使して、社内を説得し、変えていったことがわかります。

プロ・マーケターとしてUSJに雇われた2010年、私の立場は「マーケティング部長」という部長級でした。もちろん社長の強い期待を背負って入りましたが、職務権限そのものは 10 人程度いる各部門長の中の一人にすぎませんし、部長級以上の幹部の中では格段に最年少でした。しかも、上方向には、社長、取締役、片手の人数くらいの執行役員達(直の上司だったマーケティング営業本部長をはじめ、他部門を統括する本部長達)がいましたし、横方向にも他の部長や次長が数十人もいて、マーケティング部長として本気で仕事をすれば、上下左右と多くの衝突が避けられない構造に置かれていました。会社全体を動かせるような立場ではそもそもなかったのです。

そういう前提で本書を読むと、自分が置かれている状況がどうであろうと、言い訳できなくなるんじゃないでしょうか。例えば、こんな感じです。

  • 同意してくれる人がいない →相手の立場にたってロジックを組み立てよう
  • 邪魔する人がいる →意思決定者を絞り込んで説得しよう
  • 経営資源がない →段階を踏んだ計画を立てよう

こういう考え方を知っておくと、組織の中で腐らずに頑張ろうかなと思えます。

 

組織の弊害をどう取り除くか

みなさん、組織が良い雰囲気で、結果を出していきたいと思うでしょう。

そのためには人間の本質を踏まえた上で、組織の弊害をどう取り除き、仕組や風土を作るのかも具体的に書かれています。

人間には元来自分を安全に守る本能があり、至る場面でその本能が顔を出します。それを理解した上で、コミュニケーションや制度設計を行うべきです。

例えば人事評価について、本書ではこう書かれています。

安易な方向に流れやすい個々人を、あえてちょっとだけ緊張感のある環境に置く…。自己保存のために、部下はより高い成果を出すのに必死、上司も部下に良い仕事をさせるのに必死、そういう連鎖が拡がれば会社の業績は上がります。毎年、同じようなことを繰り返しておけば許される組織では、人は楽に生きようとします。そんな組織からは、革新的なアイデアや、常により良い業績を生み出す執念は生まれてきません。人間はある程度追い詰められないと本当の力を発揮できないからです。

結果を出すためには、アイデアや自分の役割だけでなく、組織を機能させる仕組みまでコミットしなければいけない、ということです。

これを読むと、どんな役割・役職であれ、組織を動かしてビジネスをしようと思ったら、組織マネジメントについて知っておかなきゃならないと改めて思いますね。

ちなみに、読みながらすごいうなずいたのが、「組織のメンバーに対する捉え方」です。

しかし私は、 社長と平社員は役割が違うだけで対等な存在 だと考えるようにしています。「年齢差による呪い」と同様で、どちらの方が偉いとか、偉くないとか、役割の違いを優劣や上下で捉えると、お互いに対等にコミュニケーションができなくなる呪いに支配されてしまうからです。

組織は、役割が違う人が集まって構成されています。そのどれかが欠けると、組織は力を失ってしまうという意味では、「全員が対等」であるところから出発する必要があると思ってます。責任範囲も含む役割が違うだけだと。こういう考え方で組織を運営したいなっていつも思いますね。

 

最後に収録されている対談4本も読みごたえがあってよいです。もともとは雑誌の企画だったようですが。

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Excelのテーブル機能でリレーショナルデータベースをつくる

この記事は週末プログラミングの一環です。

Excelでデータ分析が簡単になってきているという話を何度かしています。

Excelでピボットテーブル使う人に全力でPowerQuery(パワークエリ)をお勧めしたい

昔から使われている機能にピボットテーブルがありますが、標準で作成するとデータソースは一つの表でなければいけません。

しかし、データ分析を少し凝ったものにする場合、データソースが一つの表であるのは不便です。マスター情報など、データベースを分けた方が、データ管理という点では便利だからです。

この記事のテーマは、Excelで複数データを紐付けて、リレーショナルデータベースを構築し、ピボットテーブルで集計できるようにすることです。

 

Excelの標準機能で実現できる

Excelには「テーブル」という機能があります。

Excelのテーブル機能の使い方まとめ | あなたのExcelスキルが120%活かせるWebアプリ作成ツール -Forguncy(フォーガンシー) | グレープシティ株式会社

テーブル機能自体は、見栄えがよくなったり、値の指定がしやすくなるなどありますが、個人的に気に入っている機能があります。それがリレーショナル機能です。

 

リレーショナル機能の使い方

これを使って、複数のテーブルを作り、テーブル間のリレーショナルを定義すれば、Excel上でリレーショナルデータベースを作ることができます。

Excel のテーブル間にリレーションシップを作成する – Office サポート

データベース設計の観点からいくと、いくつかのテーブルに正規化で分けたくなるんですよね。そういう場合も、テーブル機能でリレーションを作成すれば、Excelでもちょっとしたリレーショナルデータベースが実現できます。

 

複数テーブルをまたいでピボットテーブルを作る

連結したテーブルは、ピボットテーブルでまとめて集計することができます。逆にそれ以外に利用方法はあるんでしょうか…

挿入からピボットテーブルを選び、「外部データソースを使用」を選択します。

外部データソースを使用

そして、「テーブル」タブで「このブックのデータモデル」を選びます。前述のデータのリレーションを設定していないと、この選択が表示されないので注意してください。

このブックのデータモデル

そうすると、フック内の全てのテーブルを対象にピボットテーブルで扱うことができます。

 

リレーション機能を使った場合の注意事項

ただ、リレーションを作ると、ピボットテーブルの集計フィールドやグループ化が使えなくなります。これはこれでデメリットですね。。。

リレーションシップで出来なくなること(集計フィールドの追加とグループ化) / ピボットテーブル / Excel2013: haku1569 Excel でらくらく データ分析!

 

以上、Excelでリレーショナルデータベースを構築して、ピボットテーブルで集計できるようにする方法でした。

パーク24の業績からカーシェアリングの現在を調べてみる

駐車場事業で強く、最近はカーシェアリングにも注力しているパーク24の動向を調べてみました。

主な興味は、カーシェアリング事業は現状どこまで拡大していて、今後伸びる見込みがあるか、です。

 

パーク24の売上と利益

まずは全体の売上と利益の確認です。利益率はじわじわ下がっているものの、売上は堅調な伸びを示しています。

パーク24の業績

 

事業構造

パーク24は駐車場事業、モビリティ事業の2つで構成されています。さらに、駐車場事業は国内と海外に分かれてます。モビリティ事業の中に、カーシェアリングが含まれます。以下は、それぞれの事業の売上高の推移です。

パーク24の事業別売上

売上は国内駐車場が大半。カーシェアリングは伸びているものの、パーク24の中では海外の駐車場事業が売上の伸びに大きく貢献しています。これは英国で30パーセントのシェアを持つNational Car Parksを買収したためです。

ニュースリリース | 2017年 | パーク24株式会社

駐車場事業で、海外進出にも積極的に出ていこうというのがわかります。

 

また利益率という点でみると、また違った絵が見えてきます。以下は事業ごとの利益率です。

パーク24の事業別利益率

国内の駐車場事業は当然利益率が確保できていますが、2番目に多いのは海外の駐車場事業ではなくカーシェアリング事業です。2015年は8%だった利益率が、14~15%確保できるようになっています。

海外の駐車場事業は、のれん償却が重くなっており、利益が小さくなってしまっている状況です。償却期間も長めなので、今の状況だけであれば利益を出していくのに時間がかかるかもしれません。それも含めた上での投資期間という位置づけでしょうか。

 

駐車場事業の競争環境

国内の競合企業

駐車場事業で国内の競合になりそうなのは、パラカと日本駐車場開発でしょうか。それ以外にもローカルなどを含めると様々競合がいると思いますが。

東洋経済に、三社の分析概要が記事になっていました。

パラカの場合、地方中核都市へのドミナント進出が奏功。今2016年9月期は5期連続の最高純益更新となりそうだ。5月に増配幅の拡大も発表している。また日本駐車場開発は、子会社で展開するスキー場が歴史的暖冬とスキーバス事故のあおりで苦戦し、今2016年7月期は営業減益となる見込み。ただ、主力の駐車場事業自体はいたって順調で、タイや中国で展開する海外駐車場事業も今期の黒字転換を達成しそう。スキー場の一過性要因が消える来期は、利益の急反発が期待される。

引用元:地味なパーク24が過去最高益を更新するワケ | 不動産 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

三社の業績を比較すると、以下のようになります。

駐車場事業系企業比較

それぞれ駐車場事業だけではないので、本当おおざっぱな比較ですみませんが、それでもこれをみるとパーク24にはすでに国内にはあまり敵がおらず、海外進出を強化していくというのが、今後の方針ですね。

 

シェアリングエコノミーの台頭

ただ、意外というか別モデルから競合がやってきています。それがシャアリングエコノミーです。国内だとakippaが最有力になります。驚いたのは、akippaの駐車場登録数は業界3位になっていることです(記事は2017年時点)。

このような革新的なビジネスモデルから、創業まもないベンチャー企業でありながら、akippaの登録駐車場数は業界3位となっている。その将来性に目を付けた企業も少なくない。たとえば2016年12月にトヨタ自動車が同社に出資し、トヨタ車に搭載されるナビサービスでakippaの駐車場が検索できるようになった。

引用:駐車場業界は「シェア」の破壊力で激変する | オリジナル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

それ以外の駐車場登録数を確認できなかったのですが、駐車場を選ぶ人にとってはひとつの有力な選択肢になっていることは事実でしょう。

ただ、パーク24もB-Timesというサービスを開始しており、こちらは自社開発の駐車場ではなく、住宅や商業施設の余った駐車場を活用するシェアリングモデルです。

B-Timesとは | 駐車場予約ならB-Times

運営台数はまだ小さいですが、これがどこまで拡大していくのか、今の収益源であるTimesがどういう影響を受けていくのか、注目です。

 

カーシェアリング事業の競争環境

さて、次はカーシェアリング事業です。シェアリングエコノミーの台頭といわれていますが、どの程度事業が進んでいるのか、チェックしていこうと思います。

まずカーシェアリングの会員数でみると、国内市場全体は2017年で100万人を超えており、その中でタイムズカープラスが圧倒的です。

カーシェアリング市場動向 – 2017年総括版:主要5社 2016年主要トピックス | カーシェアリング比較360°

パーク24の直近発表によると、会員数が100万人の大台になりそうとのことなので、市場全体はまだ成長しているということでしょう。

パーク24、18年上期は2期ぶり増収増益 国内外で雪害も海外事業が大幅伸長 – ログミーファイナンス

 

前述の通り、すでにカーシェアリング事業自体はコストを十分ペイできるレベルになっており、他社と比較した会員数の多さや、市場の拡大、会員数が増えるほど収益が増えるモデルであることを考えると、今後の成長が期待される分野であると再確認しました。

ちなみに、自動車のシェアリング事業の分析については、こちらがきれいにまとめられていてわかりやすかったです。

三井住友銀行「自動車シェアリングの動向」(PDF)

そしてこちらの資料によると、2020年までにカーシェアリング事業は5倍まで成長すると予測されています(2012年比)。まだまだ市場全体では成長余力がありそうですし、パーク24はその中でリーダー的立ち位置を形成できているということですね。

 

まとめ

パーク24の事業構成からすると、駐車場事業は国内で強者の立場であり、それを活かしてさらなる開発やシェアリングサービスとの競争を繰り広げながら、海外事業を展開するという構造です。

一方のカーシェアリング事業については、市場全体が未成熟な段階から取り組み、今やこちらも国内でトップの立ち位置を形成しています。

駐車場事業とカーシェアリング事業の組み合わせがうまいのは、駐車場という「場所」はすでに確保しており、その上で自動車をレンタルするという相乗効果を築けている点でしょう。

 

駐車場事業ではシェアリングエコノミーの脅威にさらされながら、一方のカーシェアリング事業では自分がレンタカー事業を攻める立場になっていて、面白いなと思いました。

規模の経済が働くインフラモデルなので、場所・ネットワーク・データを膨大に保有している立場からすると、その地盤は簡単に崩れなさそうだなという印象でした。

 

プラットフォームビジネスの優位性については、こちらの本がおすすめです。なぜシェアリングエコノミーが強いのかが理解できますよ。

「プラットフォーム革命」を読んでAmazon、Facebook、Uberのビジネスモデルを理解する

今日はこのへんで。

Excelでピボットテーブル使う人に全力でPowerQuery(パワークエリ)をお勧めしたい

この記事は、週末プログラミングの一環です。

データ分析がブーム的に盛り上がっていますが、今でも Excelはビジネス現場での重要なツールですよね。

そして、あまり知られていませんが、マイクロソフトはどんどんExcelを進化させていて、データ分析しやすくしています。PowerBIというBIツールも提供していますしね。

無料でデータ分析するならMicrosoftのPower BI Desktopがおすすめ

 

そして今回紹介したいのは、データ分析を簡単にしてくれるPowerQuery(パワークエリ)というExcelアドイン機能です。これを知っておくと、データの加工処理が劇的に楽になります。

 

データを集計、加工するときの問題

大量にあるデータをクロス集計したりするためには、ピボットテーブルが便利です。

しかし問題は、ピボットテーブルを作る前の段階にあります。元のデータを綺麗に整形しなきゃいけないのです。。。

例えば、元のデータに余分な行が含まれていたり、複数のデータを組み合わせなきゃいけなかったり。データが加工しやすいきれいな状態で存在している、ということの方がレアですから。

データ分析作業の大半は、前処理の労力に占められるとも言われます。こんな本もあるぐらいです。

 

この前処理をいかに効率的に行うかが、データ分析の生産性に大きく左右されるのです。

 

データの取り込みと加工はPowerQueryを使う

そして本題に入りますが、その前処理を簡単にしてくれるのが、Power Queryです。

この機能をExcelで使う場合は、Officeのバージョンに注意してください。Office2016では普通に入ってます。それ以前のバージョンの方はアドインをインストールすると使えるようになります。

手抜きで申し訳ありませんが、導入方法や基本的な使い方はこちらをご覧ください。

ExcelでPower Queryを使い始めるには – Qiita

ExcelでPowerQueryを使ってデータ収集分析 – Qiita

 

PowerQueryで一番良いところはピボット解除ができる

データを集計、加工したい場合、クロス集計データであれば単純集計に変換した方が良いです。その方がデータをいろいろ加工しやすくなりますよね。

クロス集計の例

データ国A国B国 C
人口100200300
面積102030
GDP50100300

単純集計に変換

データ
人口国A100
人口国B200
人口国C300
面積国A10
面積国B20
面積国C30
GDP国A50
GDP国B100
GDP国C300

 

このクロス集計→単純集計への変換が、Excelでは結構面倒です。でも、PowerQueryであれば簡単にできてしまいます。

①データを一度読み込む
②読み込んだデータの対象の列を選択して、「ピボット列の解除」を行う
③列を選択して、右クリックから列を解除

これで以上です。これだけでリスト形式のデータが出来上がりました。最初これを知った時はほんとに感動しましたよ。

 

データに空白がある場合は注意が必要

データが空白の場合は、ピボット解除のときに消えるので注意してください。その場合は、先に空白のデータを適当なデータで埋めて、ビボット解除した後もう一度置換すれば良いです。

Solved: Re: Unpivot removes rows with no/null values – how… – Microsoft Power BI Community

PowerQueryは他にもいいところがたくさんあります。

  • 膨大なデータを軽い動作で取り込めること
  • WebやExcel、CSVなど多様なデータを取り込めること
  • 取り込むデータを絞り込めること
  • 取り込むときにデータを好きなように加工できること
  • 加工したデータの変換方法を覚えておけること

Excelでのデータ処理を効率化したい人には、ぜひ試して欲しいですね。

 

PowerQueryを勉強するには

PowerQueryの情報は日本語だと少ないのですが、英語だとあります。

まとまって勉強するなら、Udemyのこちらのコースがおすすめです。英語ですが、字幕も出るので比較的わかりやすいですよ。英語の勉強も兼ねて、どうでしょう。

Microsoft Excel – Excel Power Query, Power Pivot & DAX

 

本だとこちらですかね。

 

ちなみに、PowerQueryは最新のExcelであれば統合されているので、すぐに使うことができます。

「プラットフォーム革命」を読んでAmazon、Facebook、Uberのビジネスモデルを理解する

これまで散々GoogleやAmazon、あるいはプラットフォームのビジネスモデル全般の強さの秘密が書かれた本が登場してきましたが、本書ほどプラットフォームのビジネスモデルの強さの理由、成功の要因を詳細に解説された本はありませんでした。