買ってよかったものリスト(2018年版)

これもまた今更って感じの記事になるのですが、2018年の中で、買ってよかったものを挙げておきます。

他人のこういう記事を読むの好きなんですよね。便利なもの、生活を豊かにしてくれるものは、積極的に買っていきたいものです。

ノートパソコンスタンド

[amazon_link asins=’B00WRDS0AU’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’a8d21e49-ab12-42fd-88e4-bedc5b53b242′]

 

姿勢が悪くなって、首肩が痛くなりやすくなったので、買ってみました。自然にパソコンを見るときの目線が上がるので、姿勢が前かがみになってしまうことはなくなりますね。

完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty Lite」

[amazon_link asins=’B07MT8H17T’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’6c119a15-4df9-4e8c-845d-f25eb2efa7e7′]

 

信頼のAnkerです。コスパ最強。完全ワイヤレスの便利さを味わうと、ケーブル付きのものに戻そうとは思えなくなりました。人混みの中で電波干渉することもほとんどないですし、基本これで困ることはありません。時々耳から外れて、地面に転がってしまうことがありますが・・・。

スマート家電コントローラ「ラトックシステム」

[amazon_link asins=’B076Q99TT7′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’76aa900c-5336-4a2c-83b1-622dd1b6d711′]

 

Amazon Echoを買ったので、家電を操作したくなって買いました。リモコンで電波飛ばすやつなら、記憶させればAmazon Echoから命令できるようになります。小さなことですが、声だけで命令できるのは快適です。もし壊れて動かなくなったら、また買ってしまうでしょうね。それぐらい欠かせないものになりました。

PhillipsのHueとか、Qrio Lockとかにも関心が芽生えてます。

[amazon_link asins=’B076GY1G4W’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’e23376aa-062f-4f59-9173-4e353d2ddc48′]

[amazon_link asins=’B07DJGX1FF’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’e642d679-f38f-44dc-8de8-5c9a052665b6′]

 

澤井珈琲カフェインレスコーヒー豆

[amazon_link asins=’B00KHFCGDC’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’67277ba8-fef6-4819-a5ac-db24505b7397′]

 

コーヒーをほぼ毎日飲みますが、流行りのカフェインレスに切り替えました。カフェインが入っていると、一日2杯も飲むと体がしんどくなるのですが、カフェインレスならそういう負担もありません。カフェインレスでも十分おいしい。

ザバスダイエットプロテイン

[amazon_link asins=’B077B918ZT’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’6f4c2ccf-e3dd-488d-9205-f7f82ea7ccb0′]

 

変な間食をやめるために購入。「何か食べたい」と思ったときに、これを流し込むと空腹感がなくなって間食をやめられることが増えました。

完全食COMP

COMP 完全食

人間に必要な栄養素をバランスよくカバーする完全食。2017年ごろには試してたと思いますが、2018年は本格的にお世話になりました。夏の暑くて食欲ない日とか、時間がないときはcompでさらっと済ませていました。超絶便利です。

高級トースター

[amazon_link asins=’B075CYJ1W7′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’e06cb336-ba1b-4145-ad05-a3e535ea4471′]

 

バルミューダが火をつけた高級トースター市場ですが、PayPay祭りに乗じてこちらを購入。スチーム機能で焼くと市販のパンがこんなにおいしくなるなら、もっと早く買っておけばよかったと思ったぐらいです。日々のパン食生活が豊かになります。

高級コンデジ SONY RX100

[amazon_link asins=’B00898JY8E’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’04355cea-5683-4d03-a9f5-7f8d88e67624′]

 

これまでカメラはミラーレス一筋でしたが、なかなかカメラを持ち歩いて撮るのが難しくなってきたので、ポケットに入るお手軽なカメラが欲しくて購入。本当にポケットに入るし、画質も良いので買って正解でした。スマホのカメラも良くなってきていますが、まだ初代RX100の方が画質が良いですね。中古で2万円台というコスパの良さも魅力。

 

こうやってあげてみると、あまりモノを買っていない一年だったかも。スマホやパソコンなども、あまり買い替えなくても困らないぐらい、性能の進化は緩やかになってきた気がするし。

とはいえ、年始に家のいろんなものを断捨離してメルカリで売りつつ、買い足したものもあるけれど、それはまた別の機会に。

【書評】データ分析の力 因果関係に迫る思考法

データを使って何かの見解を導こうと思うとき、どう分析して、因果関係を説明しますか。

「この分析結果から、○○をやると○○が○%向上します」と明確に説明するためには、それを実現するためのデータ分析手法を知っておく必要があります。

本書は、計量経済学の著者が、データ分析の手法を数字を使わず、わかりやすく説明してくれます。

 

読んでいてすごい楽しかったし、データ分析の入門書として理解できてよかったです。

ランダム化比較試験がなぜ優れているのかに始まり、いくつかの手法のメリット・デメリットを、実例を交えて教えてくれます。

ランダム化比較試験 – Wikipedia

 

実際にデータ分析しようと思う人や、データ分析結果を評価する人には必要な知識かなと思います。

データ分析アプローチについて、おぼろげに理解していたのが、自分でよくわかりました。

データ分析手法を知りたいと思ったら、本書はとてもおすすめです。

 

こちらも参考にどうぞ。

【書評】会社を変える分析の力(河本 薫)

このブログで売れたビジネス書(2018年版)

もう2019年も1月が終わろうとしていますが、今更ながら2018年にこのブログで売れたビジネス書をまとめておきます。あまり上半期から変化は見られませんでしたが、若干の入れ替わりもあります。

このブログを読む人たちの傾向を知るための定点観測として。

第20位 全史×成功事例で読む 「マーケティング」大全

[amazon_link asins=’4761270233′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’bf7e53e8-5989-4cf0-8c90-a30c5bad1845′]

 

このブログでは、1冊にまとめて学習できる本が好まれているように思いますが、マーケティングの事例を絡めたものであれば、この本。

第19位 小倉昌男 経営学

[amazon_link asins=’4822241564′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’a066983a-1b87-4a61-9c83-4f8c72d05e0e’]

 

上半期では入っていませんでしたが、根強い人気ですね。ヤマト宅急便を新しい事業として生み出した経緯から、経営哲学が見える良書です。

第18位 わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

[amazon_link asins=’B00GU4R8YQ’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’a8c59d08-155d-4aac-8f4d-381260b5369d’]

 

読解力は、最近「AI vs. 教科書が読めない子供たち」でも懸念が提示されていましたが、これからの人間にとって、とても重要になるスキルでしょう。

第17位 グロービスMBAマネジメント・ブック

[amazon_link asins=’447800496X’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’d98cdabb-66d4-4525-b501-03c8322e2107′]

 

グロービスの本は、経営知識を幅広く学ぶには良いシリーズ。

第16位 入門経済学

[amazon_link asins=’4535558175′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’a9b3d521-cbac-4a95-9d2d-dffaa8b5c01f’]

 

お堅いイメージのあるタイトルと表紙ですが、意外に読みやすいのが特徴。

第15位 イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

[amazon_link asins=’4862760856′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’c783a48e-6046-4245-8921-c3359387e2b4′]

 

個人的にも時々読み返す一冊。課題解決アプローチの教科書的な本です。

第14位 ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件

[amazon_link asins=’B00978ZRYA’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’49d1e7e8-c575-4169-89a9-37fdd1e445ae’]

 

この本も時々読み返しますね。「競争戦略って複雑で美しいものだな」って読むたびに思います。

第13位 知識創造企業

[amazon_link asins=’4492520813′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’a546eaea-9a81-43d1-846e-7eecab01e0c7′]

 

ナレッジマネジメントを知るには欠かせない一冊。SECIモデルとか知っておくと、組織運営にも役立ちます。

第12位 グロービスMBAマーケティング

[amazon_link asins=’B07MTP7DZ5′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’e4bc7681-5f0c-484f-80c7-6bc2183a31a2′]

第11位 リーン・スタートアップ

[amazon_link asins=’4822248976′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’9aba0382-b245-4c73-b555-a6c6d69a6230′]

第10位 ドラッカーが教える 実践マーケティング戦略

[amazon_link asins=’4862802419′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’4892faba-8237-407d-8ce6-65897d6a96f6′]

 

ドラッカーは根強い人気ですね。

第9位 ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

[amazon_link asins=’4862762263′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’ac80f8ed-b566-44c1-8304-827636f2235c’]

 

2018年の中で、注目だったのはこの本ですね。働き方改革、副業解禁など、いろいろ職場や働き方のモデルが変わっていく中で、どういう組織運営が今後在りうるのかを考えさせられます。

第8位 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

[amazon_link asins=’4484101017′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’01095d83-b78d-488e-8319-e4791370ece0′]

第7位 ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務

[amazon_link asins=’4334033970′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’c185a57f-da09-44d2-849e-6342e91fb5f8′]

 

ファイナンス思考」でも紹介されていた本書ですが、ファイナンスを学ぶという意味では、最初の一冊として良いと思います。

第6位 この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講

[amazon_link asins=’4478013241′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’cf8ebbef-cbce-48c7-b35d-e5f29fdfba49′]

 

とっつきにくいと思われる経済学をわかりやすくマンガで説明してくれる本。

第5位 財務3表図解分析法

[amazon_link asins=’4022736852′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’7cfe9426-6717-49ce-a306-bf83966e27c5′]

第4位 この世で一番おもしろいマクロ経済学――みんながもっと豊かになれるかもしれない16講

[amazon_link asins=’4478017832′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’57608ac2-b567-48fc-8c79-e913405a6864′]

第3位 モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

[amazon_link asins=’4062816199′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’dab0d773-629e-4016-b635-ee97e099d9e5′]

 

最近ますます、モチベーションというものが、ビジネスや生活を豊かにするものだと思ってます。情報やお金は流通しやすくなっていて制約がなくなっていく中で、個人のモチベーションが何かを成し遂げる上で重要なものになってる気がします。

第2位 財務3表一体理解法

[amazon_link asins=’4022736844′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’d49e0f5d-8c87-4f6a-874c-71eb7883650c’]

 

5位と合わせて、根強い人気のシリーズ。財務入門書にどうぞ。

第1位 経営戦略全史

[amazon_link asins=’4799313134′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’87de78b5-f8d4-4554-91a7-2320e028ea97′]

 

いまだによく売れる本書。経営戦略というのは、歴史の浅い領域ではあるのですが、その発展を網羅的に学べる一冊。

 

以上です。経営を勉強したい人は、ご参考に。

AI時代にこれから求められる人間のスキルは「読解力」

少しタイムリーではないですが、こちらの本を、読みました。

[amazon_link asins=’4492762396′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’220c1684-b9d7-43b1-b4c3-f13710873c83′]

 

東大合格を目指すAIの東ロボくんの研究開発をされている数学者の方が著者です。その研究を通して得られた知見から、今後AIがどう人の仕事を変えていくのか、そのときに人に求められるスキルは何か、を書かれています。

AIの特性については、僕はディープラーニング検定で読んだテキストを読んでいたので、そうたよねって感じで納得しながら読みました。

[amazon_link asins=’4798157554′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’13450760-c2a3-4e59-a6b8-aeee60bade85′]

 

「AIはこのまま進化すれば万能になり、いずれは人間の仕事はすべて奪われる」というイメージがありますが、AIを構成する技術には未だに結構制約は多いですし、少なくともAIが人間に替わって全ての作業に対応できるわけではありません。

 

ただ、本書の恐ろしさは後半にあります。

数学などのパターンに応じた問題は解けるのですが、読解が苦手なのですね。そこは今後も人間が活躍できる領域というわけですが、実は読解力は最近人間も低下傾向にある、というのです。

そうなると、やはりAIに仕事を奪われる人が多くなってしまうのでは?というのが著者の懸念です。

昔、読解力について記事を書きましたが、読解力というのは、文章を丁寧に読み、論理的に構成しながら意味を理解する力です。

読解力を高めたい!同じ文章を読んでも、深く読み取れる人は何が違うのか?

僕も苦手でした。幼少期からもっと本を読んで、読解力が身についていたら良かったな、とそのときは思いましたが、個人的な経験からすれば、訓練すれば何歳からでも、今よりはマシになります。

ルールに従った対応はAIは得意なので、抽象的な概念で捉える、コンテキストを理解するなど、人間にしかない能力を鍛えないと、これけらの人材は勝てないんだなーと、末恐ろしくなりました。

インターネットツールは、テキストから画像、動画へと、消費する負担が少ない方へシフトしてきていますが、これから求められる能力は逆に、複雑な文章を読み、コンテキストを理解できる人材だということです。

 

これから社会人になる人は大変ですね。すでに社会人の人も、自分のスキルが陳腐化するリスクは常にありますが。

子供や若手を育てる立場にいる人や、親世代の人にはご一読おすすめです。

[amazon_link asins=’4492762396′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’220c1684-b9d7-43b1-b4c3-f13710873c83′]

 

「ファイナンス思考」は日本の経営管理の問題が理解できる。PLから一歩踏み出そう

「PLに比べてBSは難しい。」

経営コンサルでそう言われることがあります。損益計算書はいろんな人にとって理解しやすいが、貸借対照表はそれに比べると、理解して経営活動に活かすのが難しい、という意味です。

 

そのような状況に憂慮し、問題意識を持って書かれたのが本書「ファイナンス思考」です。

[amazon_link asins=’4478103747′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’2dde41ef-3d44-4396-a79e-d2ed045fbc8a’]

 

経営コンサルで、いろんな企業の経営状況を見る機会がありますが、損益計算書は短期的な業績を見る上では非常に有効ではありますが、それだけでは限界があります。

成果が出るのに半年や一年以上の時間を要する事業の場合、損益計算書だけ見ても実態はわかりません。その場合、投資対効果や貸借対照表など、損益計算書以外の財務分析を行って、企業の成長性や健全性を評価する必要が出てきます。

ただ、損益計算書は一度覚えるとわかりやすいので、いろんな場面で使われることが多く、便利なツールであるが故に、「損益計算書を中心にした経営管理に偏重している」というのが本書のテーマです。

今の日本企業の経営管理や財務管理の状況が端的に描かれており、著者の問題意識にすごい納得しながら読みました。

最近良く聞く「GAFA」に代表されるように、大きく成長している企業がどうファイナンス的に成長を実現しているのか、という点も理解できます。企業の経営スタンス、日本の資金調達状況、銀行の考え方など、様々な点が現場業務と照らし合わせて納得感満載でした。

要約のような内容は、こちらが充実しているので、興味を持った方は、まずこちらから読んでみるのもよいと思います。

企業価値を上げる「ファイナンス思考」とはなにか? 朝倉祐介氏が見出した、稼ぐ力の正体 – ログミー[o_O]

 

[amazon_link asins=’4478103747′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’2dde41ef-3d44-4396-a79e-d2ed045fbc8a’]

ビジネスモデルの「サブスクリプション」って何が良いの?メリットは?

これからはモノ売りじゃなくてサービスだ!と聞くし、サブスクリプションが隆盛だと言われています。

Google トレンドでみても、「サブスクリプション」は認知度が高まっているようです。

けれど、実際どうすごいのか?時代はどう動いてるのかを知りたくて、この本を読みました。

[amazon_link asins=’4478105529′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’9b927428-26b0-4d21-ae79-4925697753a0′]

 

著者はSalesforceの創業時から参画し、サブスクリプションモデルのメリットや、従来の収益モデルからサブスクリプションモデルへの転換の大変さが詳しく語られています。

サブスクリプションモデルを理解したいなら、この本を読めば十分でしょう。

そしてこれからは確かにサブスクリプションがもっと増えるでしょうし、どういう特徴があるのか、なぜサブスクリプションモデルが必要かを簡単に触れておきます。

サブスクリプションモデルのメリット

収益が安定化する

サブスクリプションモデルは、単発での売り上げを追うのではなく、長期的・継続的な収益を積み上げていくモデルです。ということは、収益が安定しやすくなります。

例えばユーザー数×単価で売上が構成されていれば、来月のユーザー数を予想すると、来月の収益もほぼ確定します。毎月・毎年の売上変動に一喜一憂するのではなく、安定的な収益をベースに、長期的な顧客獲得のためのサービス改善、営業拡大を図ることができるようになります。

顧客の情報がわかる

サブスクリプションモデルだと、顧客とダイレクトにつながることになります。それによって、顧客とのリレーションが深まり、情報がさらに多く獲得できるようになります。そうなると、顧客に対する理解が深まります。

つまり、顧客とのリレーションが深まる→情報を多く獲得→顧客理解が深まる→サービスを改善する・・・という良いサイクルを築けるようになります。

単発で売上を追い求めると、営業コストも高く、狩りのように新しい顧客をつかまえなければいけません。それとは対照的なのがサブスクリプションモデルです。

サブスクリプションモデルへの転換は大変

本書の中では、サブスクリプションモデルへの転換がどういう点で大変かを詳しく説明してくれています。

短期的な売上の低迷

サブスクリプションモデルへの転換は、たいてい短期的な収益の低下を招きます。これまで一括で売上を計上していたのが、「分割払い」のように売上を先送りしてしまうからです。

そうなると、投資家や従業員がそのような収益の低下を受け入れられるか、という問題が生じてきます。

最近「ファイナンス思考」を読みましたが、この問題には共通的な要素が含んでいるように感じました。「ファイナンス思考」では、短期的な収益の追求を「PL脳」と呼び、PLの売上・利益に過剰に縛られるのではなく、長期的にキャッシュフローを増やしていく企業活動が重要だと書いています。

[amazon_link asins=’4478103747′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’4b3342db-d10c-4177-91a6-bf7b3ef1aa25′]

 

サブスクリプションモデルへの転換もまさにそのような考え方が背景にあります。本書の中に登場する、Adobeの収益モデルの転換事例は、この波を乗り切っており、本当に見事だなと思いますね。

マインドの変化

収益モデルが変わるということは、企業活動全般を変えていかなければいけない、ということです。

例えば、営業は短期的な売上を求めるような行動をしがちです。そういう行動やマインドを変化させるために、新たに組織のインセンティブや行動様式を変える仕組みが必要になります。

あと、アップルが最近iPhoneなどの販売台数発表をやめるとして話題になりました。

アップル、今後はiPhoneやiPad、Macの販売台数を公表しないと発表。「事業の強さの指標とならないから」 – Engadget 日本版

その理由のひとつとして、ハードウェアの販売拡大はこれからは難しく、逆にiCloudやApple musicなどのサービス領域の成長が大きいことが挙げられています。

Appleも事業モデルを大きく転換し、サブスクリプションの比重が今後は大きくなっていくのでしょう。

これからは顧客との長期的な関係構築を前提に、サブスクリプションをベースにしたいろんな事業モデルが生まれていくんだと思います。飲食店のサブスクリプションサービスも生まれていますし、Amazon Primeのように、一部のサービスをサブスクリプション化することも考えられます。いろんな可能性がありそうですね。

[amazon_link asins=’4478105529′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’9b927428-26b0-4d21-ae79-4925697753a0′]

 

英語ですが、著者のプレゼンをYouTubeで見ることができます。手っ取り早く理解したい方はこちらをどうぞ。

「採用学」を読んでこれまでとこれからの人材採用を考える

HR TechやPeople Analyticsへの関心が強まっていて、先日もこういう記事を書きましたが、

HRテックやピープルアナリティクスを勉強するための本をいくつかご紹介

今回は、特に人材採用について理解を深めるために、こちらの本を読みました。

[amazon_link asins=’4106037882′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’da7d7db8-61eb-4f60-b9c2-a91c0895cf7f’]

 

何かの本でこれが薦められていたので読んでみたのですが、正解でした。組織における人材採用について理解を深めるのにも良いですし、また採用をどうデータに基づいた活動に変えていくのか、ということを理解するにも、非常に良い一冊だと思います。

採用活動にパラダイムシフトが起こっているのでは

本書で語られているのは、今の採用市場はパターンが形成されており、成熟化する中でアンチパターンが生まれてきている、ということです。

リクナビやマイナビに代表される就活サイトが台頭し、マッチングの入り口が集約されていくとともに、エントリーシート→グループディスカッション→面接2回ぐらいという、テンプレートのような採用活動がどの企業でも採用されている、という実態があります。

そういう採用パターンが形成されてくると、対策も高度化してきて、エントリーシートの書き方、面接での受け答えなどで、「正解」らしきものをちゃんと学生側も習得するようになります。そうなると、「本当に企業が求める人材は誰か?」ということがわかりづらくなってしまいますよね。

根本的な問題は、「多くの企業が採用をパターン化してしまっている」というところにあります。本書では、はっきりこう述べられていますね。

まず一つ目は、就職情報サイトが日本の採用・就職のスタンダードとして定着した結果、企業の内部から、採用力の一部が失われていったということだ。

しかし、本書ではそういう状況から脱却するように、新しい採用方法を実施する企業の例も豊富に紹介されています。改めて、「自社に合った採用とは何だろう?」ということを考えるきっかけになるでしょう。

就職情報サイトが採用ツールとして普及・定着し、それを使うことが多くの企業にとって当たり前になってきたいま、それを使うこと自体はもはや、人材獲得競争上の優位をもたらさなくなりつつある。そのことに、一部の情報感度の高い求職者は気づき始めているから、今後、一部の求職者については就職情報サイトを 使わずに 就職活動を行う傾向が強まっていくだろう。

数年前からそうだとは感じていますが、このような採用パターンからの脱却、パラダイムシフトが起こってきているのが現在なのだと思います。

就職試験でよく語られる「コミュニケーション能力」ってなんだ?

よく採用の場面で語られる「コミュニケーション能力」というのは、一体どういうものでしょう?

本書の中では、それについても深く探求されています。僕の理解でいえば、日本企業は「評価基準が曖昧」であり、「その曖昧な基準をどの企業も採用している」という構造が存在しているということです。

日本のガラパゴス的な採用は、同じような評価基準により、同じような「優秀さ」をめぐるきわめて同質化した競争になっている。

代表的なものが「コミュニケーション能力」というものであり、本来的にはいろんな「コミュニケーション」の在り方があるし、それによって評価ポイントは異なるはずなのですが、それをひとつの「コミュニケーション能力」という言葉で、いろんな人が各自イメージした曖昧な「コミュニケーション能力」を評価するようになってしまっている、ということです。

しかし面白いのは、あるコンサルタントの考察として、人の能力には「変わりやすい能力と変わりにくい能力」があるといったものが紹介されています。そして、「変わりやすい能力」のひとつにコミュニケーション能力があるのです。あくまで個人の見解にはなりますが、確かにコミュニケーションは、程度の差こそあれ、誰でも場数を踏めばある程度は話したり説明できるようになります。

そうなると、今はうまく話すことができなくても、入社して教育すれば良いということになります。であれば、入社時点ではその点を実は重視しなくても良いのでは?という仮説も出てきます。

さらに、面接官によって自由に質問して評価するより、画一的な評価基準で面接評価した方が、入社後のパフォーマンスと面接時の評価に相関関係が出るという研究結果も紹介されています。このような「構造化面接」の方が、科学的でばらつきを抑えられて、検証もしやすいというメリットがあるということでしょう(もちろん、素晴らしい面接官が直感で見抜いた方が評価精度が高いということもあるでしょうが)。

就職情報サイトを中心とした採用活動は成熟してきてしまっており、新しい動きが出てきています。その中で、科学的なアプローチや新しいアイデアによって、採用活動を工夫する企業や手法が登場してきているのが現在です。面白いですよねー。採用する側も採用される側も、新しい動きが求められている、ということですね。

[amazon_link asins=’4106037882′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’da7d7db8-61eb-4f60-b9c2-a91c0895cf7f’]

 

ちなみに、こちらの記事は、本書の事例として登場する三幸製菓で人事をやられていた方の講演記事です。こちらも具体的な事例が語られていて、非常に参考になります。

「御社が求めている人材は、もう社内にいますよ」 モザイクワーク・杉浦二郎氏が語る、採用活動の再定義 – ログミー[o_O]

こちらは、People Analyticsに関して具体的に書かれていて、理解が深まったのでご紹介しておきます。

あなたは会社の美意識を理解しているか– 採用×People Analytics – – marumaru – Medium

当然ながら超面白い。「サピエンス全史」の続編であり、人類の未来を示す「ホモ・デウス」

前作の「サピエンス全史」を読んで衝撃を受け、その続編である「ホモ・デウス」が早く邦訳されるのを待っていました。

マジでおすすめ。「サピエンス全史」は人間の本質や今の社会の仕組みを新しい視点で理解できる

前作は人類の歴史を俯瞰的に整理し、なぜこれほど人類が地球上で繁栄できたのかが解き明かされていましたが、今回は未来の話です。

[amazon_link asins=’B07GGF5HLH’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’342a1968-7fbf-4c2b-9a3b-63c963549bb7′]

 

これから人類は、どういう方向に進んでいくのかという内容になっており、またしても刺激的でした。

今後の人類は何を目指すのか

最初に結論を書いてしまいますが、本書の中で述べられているのは、「不死と幸福と神性」です。これからの人類は、これらに向かって進んでいくそうです。

成功は野心を生む。だから、人類は昨今の素晴らしい業績に背中を押されて、今やさらに大胆な目標を立てようとしている。前例のない水準の繁栄と健康と平和を確保した人類は、過去の記録や現在の価値観を考えると、次に不死と幸福と神性を標的とする可能性がある。

確かに、人はどんどん長生きになっているし、それを望むようになっている。平和な世界で、経済的な裕福も大事だけれど、精神的な豊かさを強く求めるようになっている。そして、「神性」というのが個人的にはピンときづらい表現ではあるものの、科学やテクノロジーの力によって、人間自身が「世界の神」になろうとしている、ということで良いのかな、と思います。

そのような方向性に進むのだとして、重要なのはその過程で人類社会に何が起こるのか、ということです。

人間は労働力ではなくなり、二分化する世界

いろいろな変化が提示されているのですが、印象に残っていることをひとつ取り上げておきます。

産業革命から始まった世界は、人間が労働力となり、経済を発展させてきました。それに伴って、労働者の人権や健康状態も徐々に改善されていき、いろんな人が裕福になっていきました。

世界全体の共通認識として、多くの人が健康的に生活・労働・納税できることが、全体の幸福につながっていったわけです。

しかし、これからは違うかもしれません。

人の労働力が経済のドライバーではなく、知的資本が経済のドライバーになってきたからです。

貧しい人々が軍事的にも経済的にも不可欠なので、彼らの問題を解決することがエリート層の関心事だった二〇世紀と違い、二一世紀には無用の三等車を置き去りにして、一等車だけで突き進むのが(冷酷ではあるものの)最も効率的な戦略となりうる。日本と競争するためには、ブラジルにとっては何百万もの平凡で健康な労働者よりも、一握りのアップグレードされた超人のほうが、はるかに必要性が高いかもしれない。

そうなると、一部のエリートを確保・育成することの方が優先的になってきます。教育や健康に多くが投資され、そのエリートが世界をアップグレードさせていく。そういう流れが今後は強まっていくのかもしれません。どうなんでしょう。

ただ、これを読むとベーシックインカムとかますます重要な気がしてきますね。

 

それ以外にも、宗教の役割や自意識とアルゴリズムの関係に関するエピソードが僕は好きでした。本当、いろいろ考えさせられ過ぎて、咀嚼できないほどの知的圧倒さがありますが、超おすすめです。

[amazon_link asins=’B07GGF5HLH’ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’342a1968-7fbf-4c2b-9a3b-63c963549bb7′]

人工知能の活用例を学ぶ「ディープラーニング活用の教科書」

人工知能やディープラーニングの現状を勉強したのですが、

人工知能の現在地とこれからを知る。「誤解だらけの人工知能」を読んで

「じゃあ実際どういうことができるの?」ということを知るために、実例が豊富に掲載されている本書を読みました。

【書評】1日のタスクが1時間で片づく アマゾンのスピード仕事術

「仕事術」系のビジネス書は過去にも何冊も読んできたので、最近はあまり手に取らないようにしているのですが、この本はつい読んでしまいました。

[amazon_link asins=’4046040009′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’50a91203-3ad6-45b4-a7f0-924d4220fe3a’]

 

結論を先に書いてしまうと、Amazonのレビューでも書いてある通り、(失礼ながら)本書の内容はこれまでいろんなビジネス本で語られてきたものから、目新しさが特段あるわけではないかもしれません。ただ、それを実際に「あのアマゾン」がやっている、ということに本書の意味があるんだと僕は思います。やはり説得力が全然違いますよね。

いくつかその中で、気になった点を書いておきたいと思います。

 

KPIや実績などの指標チェックは、計画との対比で行っているか

アマゾンの話が中心なので、やはり指標を業務に落とし込んでゴリゴリPDCAを回していく、ということが書かれています。そのときに個人的に「ああ、そうだよな」と思ったのは、実績数値を「何と比較するか?」が書かれていることでした。

端的にいえば、「計画を立てたなら、それとの比較を常にウォッチすべきで、(計画を達成できなくても昨年度比は上回っているという意味で)昨年度比を言い訳にしてはいけない」ということでした。

これは自分が普段仕事を進める上でも、「計画で目標を決めたのに前年度比を確認する意味とは何か?」という違和感を持っていたところなので、非常に腹落ちしました。前年度比は目標を立てるときには重要になりますし、過去からのトレンドを理解するという点では貴重なデータではありますが、まずは計画を達成することを念頭に仕事を進めるべきでしょう。

 

自分の数値目標を即答できるか

本書の中では、自分の数値目標を即答できるか?という問いが出てきます。

これを読んで、改めて自分の目標を即答できないことに気づきました。確かに計画を立てたときとか、誰かに確認されたときは思い出すのですが、気づいたらすぐ忘れてしまっているんですよね。

ということで、自分の年間目標から月間・週間に落とし込んで目標を整理しなおしました。そうなると、今週の予定や自分の時間の使い方が、本当に目標達成に寄与するのか?ということも考えるようになったので、やはり自分の目標が意識されていることは重要だと思ってます。

 

データを活用できる仕組み

本書はさすがにアマゾンの話なので、いろんなデータが自動で取得してグラフ化できると書かれています。データが確認できれば、すぐに検証し、アクションすることができるようになります。

しかし、いろんな企業とお付き合いすると、意外と数字が取得できない、取得されていてもすぐに活用できる状態になっていないと企業はたくさん存在しています。

このあたりは、ダッシュボードなど様々なテクノロジーが進んでいるのですが、それを使いこなす人材やリテラシーは、まだまだ企業ごとに大きな差異があるし、中小・中堅企業でも十分に環境が整っているわけではない、と思います。

ただ、先ほどの目標の話とも通じますが、「必要なデータがいつでも簡単に取得・確認できる」というのはビジネスのスピードや生産性を上げるためにも非常に重要なことです。BIツールやダッシュボードツールも増えてきていますし、こういう環境を整えることが、PDCAサイクルの高速化をもたらすでしょう。

Windows環境でBIダッシュボードを構築できるOSS「Metabase」が手軽すぎて良い

それ以外にも、仕事を効率的に進めるアプローチやアイデアが書かれているので、自分のケースに当てはめてみると良いんじゃないでしょうか。

[amazon_link asins=’4046040009′ template=’Original’ store=’tob-22′ marketplace=’JP’ link_id=’50a91203-3ad6-45b4-a7f0-924d4220fe3a’]