就活生におすすめ。これからの社会で求められる人材像がわかる「BQ」

社会人としての時間を過ごすうちに、論理的思考や知識だけでは簡単に通用しないことがたくさんあるってことに気づいてきました。この本で示されているフレーム「BQ」は、まさにそれ以外の部分を含めて総合的に考える必要があることに気づかせてくれます。

 

BQは以下で構成されている、と本書では述べられています。

BQ = IQ × EQ × SQ

ここで新しいのは、稼ぐ力BQが3つの能力から構成されている、という点と、SQ(感性)という要素を示したことでしょう。特に、時代とともに求められているもとが変わっているという点は、非常に頭に入ってきました。

戦後復興期は欧米など追いつくための見本があるので、技術等を高度化するIQが最も重要だった。その後、高度成長が終わって安定成長期になると、組織でいかにパフォーマンスを高めるかという点でEQが求められた。そして、今は成熟した社会の中でSQが求められている、という解釈です。

 

これからどういう社会になっていくのか

本書の中では、これからは知的で感性が求められる社会になると述べられています。単純な数値で表現できるような工業製品は付加価値が低下し、アジアなどの価格競争に巻き込まれていきます。実際、世界は「一物一価」に収斂しているのは、統計上でも明らかになっています。

そういう時代に入っている中で、どういう人材が求められるのでしょうか。

商品を大量生産する工業化社会なら、画一的で管理しやすい人材が活きる場面があるかもしれません。しかし、いまは価値観が多様化している知的感性時代。そういう時代に良いものを生み出すには個性が必要であり、何も特徴がない平均的な人は埋没していくだけです。

平均的であると埋没する、というのは確かにそうで、組織に対して立場が弱くなりがちで、自分の付加価値を作り出すのが難しい気がしてきています。企業を選ぶ立場の個人からみても、強く管理するタイプの企業ではなく、挑戦や自主性を重んじる企業の方が、これらの能力を鍛えやすい環境になる、という著者の主張はうなずけるものがあります。

 

最も面白かったのは、CA藤田社長との対談

個人的に最も面白かったのは、巻末にあったサイバーエージェント藤田社長との対談です。

人材の流動化について

経済学的には人材を効率よく移動しやすい社会にすることで、産業の移動や入れ替わりをスムーズにして、効率良い経済を継続していく、という考え方があります。実際、いろんな統計で人材が硬直化することの弊害は生まれていることがわかっています。

参考:日本の景気は賃金が決める | Synapse Diary

ただ藤田社長は、人材の流動化について疑問を呈されていました。

僕は雇用の流動化が進むという予測に関して懐疑的なんです。世界のインターネット業界は、グーグルやイーベイのように単一の事業で世界展開する会社が多いですよね。単一事業だから社員はスペャリストが多くて、転職も活発です。  一方、同じインターネット産業でも日本は特殊。最初は単一でも、成長すると総合商社化して幅広いサービスを提供するようになります。たとえば私たちもそうだし、GMOさんやヤフーさん、楽天さんもそうです。  総合商社化すると、即戦力の専門家を連れてくるより、新卒で採用して幅広くこなせる人材を一から育成する日本型雇用がフィットします。

ここは面白い考察で、確かに言われてみるとそうだな、という気がしました。この理由がいまいち自分の中で飲み込めていないんですが。安定雇用を求める日本人気質に合っているのか、ベンチャー投資資金が多く流れない日本では事業領域を広げることでリスクを分散させるのか、とか。ただ、確かに実態はあまり人材の流動化を促進させる気運は小さくなっている気がします。もう少し時間を要するのでしょうか。

クリエイティブを担うリーダーの重要性とリスクについて

起業家」を読めばわかるのですが、サイバーエージェントのアメーバ事業は、途中から藤田社長が現場介入して成功に導いていきます。で、クリエイティブな要素が強く求められる時代には、まさにトップの感性を現場に注入するというアプローチはひとつの正しさを証明したような気がします。

しかし、一方でそのリスクについても対談では触れられていました。

結局、知性の部分はある程度引き継げても、感性については後継者も引き継げないんですよ。だからBQが高くて感性の鋭いトップであるほど、辞めたときの反動も大きい。

これは、まさに感性の重要さを示しているとともに、その特性上引き継ぐことが難しいので、事業そのものが瓦解するほどのインパクトを生んでしまうんじゃないか、ということです。企業や投資家からすればたまったもんじゃないですが、個人からみるとそういう要素が備わって認められれば、代替がきかないので付加価値を高められる、と見ることもできます。

自分が活躍しようと思うフィールドが、こういう要素が含まれていると感性を鍛えられるかもしれません。

 

この本を読んだのは、最近の自分のモヤモヤがきっかけでした。冒頭で書いた通り、論理的思考や知識などの「頭の良さ」だけではビジネスで勝つことは難しい、というのを肌で感じ始めたからです。この本は、そういうモヤモヤをBQというフレームワークでスッキリ説明してくれます。

いずれにしても、どこかに遊びに行って「楽しかったね」だけで終わる人は見込みがない。楽しい思い出と一緒に何かしらのビジネスのタネを持ち帰ってくるかどうか。それがBQの高い人とそうでない人の違いです。

こういう感覚を持てるかどうかが、稼ぐ力を養う上で重要だなと思う今日このごろです。

BQ〜次代を生き抜く新しい能力〜

心理と行動の関係が理解できる「ファスト&スロー」

上下巻2冊セットをようやく読み終わりました。行動経済学は数年前から流行っているし、今更感があるかもと思いながら読みましたが、杞憂でした。非常に示唆が多い内容でした。

 

もちろん、他の行動経済学本に登場する内容も結構あります。アンカリングなどは以前読んだ「予想通り不合理」でも登場していました。

タイトルの元にもなった「システム1」と「システム2」の考え方などは、個人的にはとても新鮮でした(原題は「Thinking, Fast and Slow」)。自分の思考のクセやパターンが客観的に見つめられて、いろいろ発見がありました。

上下巻あるので書かれていることもそれなりにあるのですが、個人的に気になった事項だけここに書き留めておこうと思います。

 

部下は叱って育てるべきか。褒めて育てるべきか。

カーネマンは、人材育成の面でも非常に面白いことを言っていました。上司が部下の失敗を叱るとその後改善しやすいのも、理論として説明できる、と。それは部下の仕事に対する「バラつき」であり、叱るときは下降線の近くにいるのだろうと思われます。次以降は確率論では平均に回帰するので、叱った状態から改善する確率は非常に高いのだ、と。

ここから言えることは、確率に左右するような行為は、上司は叱っても褒めても意味がない、ということです。もっと重要なことを見ましょう。そうではないところを指摘したり指導するのは意味があるのだと思います。

 

人の予測はどの程度有効か。ビッグデータは何のためにあるか。

人は規則性のないものを予測することは、実際苦手なんだそうです。まあ、当然ですよね。一方で、人間は因果関係を見出そうとする性質があるらしく、規則性がなくても因果関係を説明しようとして、一見理屈が通っていると信用してしまうのだとか。

ここから考えるのは、人間が直感によって因果関係を見出したり仮説を作ることは、機械ではなかなか真似できない優れた機能である反面、やはり情報が不足していたり経験や規則性がない事象を予測するのはあまり上手ではない、ということです。

そして、事実から規則性を導き出す点については、アルゴリズムの方が優位性が高いのです。ここに、ビッグデータなど、実際のデータを用いた分析で補完したり検証することは非常に重要だ、ということです。

ビッグデータというとバズワード化してしまった感じがありますが、要は「人間の予測はあてにならない場面が多いから、事実に立ち返って検証しろ」ということです。

 

最後に、ダニエル・カーネマンのTEDの講演を貼っておきます。本の終わりのあたりの一部が理解できます。

 

ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?

「Google Fiber」がアメリカで拡大中。なぜGoogleがネットワーク網を整備するのか

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Googleが光ファイバー網を拡大というニュースがありました。
The Google Perspective: Gigabit Internet in Local Governments

Googleは「Google Fiber」として、2年前からインターネット網の提供サービスを行っています。最初はカンザスシティで展開されており、Wikipediaによれば人口200万人ぐらいなので、「いち地方都市」ぐらいの規模感になるそうです。
1GbpsのISP事業「Google Fiber」、ユタ州第3の都市へ~全米展開が本格化か -INTERNET Watch

で、最近そのエリアを拡大し始めたので、Googleが本格的に光ファイバー網を広げていくんじゃないのか?と噂されています。

 

冒頭に紹介した記事で、なぜGoogleが光ファイバー網を整備するかの理由が書いてあるわけですが、簡単に言ってしまえば、インターネットのサービス提供には、ネット網というインフラの制限が最終的には問題になるためです。

インターネット黎明期にソフトバンクがYahoo!BBでブロードバンドを広げた結果、インターネット企業の台頭が広がったように、ネットワークインフラがインターネット上のサービスを向上させることになります。

ちなみに、Google Fiberは上下1Gbpsらしいのですが、1Gbpsってどれぐらい速いのか?というと、Wikipediaによると光ファイバー網の主流は100Mbpsとのことなので、100倍ぐらいは速いことになります。
FTTH – Wikipedia

 

これで思い出すのは、数年前に流行った「光の道」構想です。僕の浅はかな理解では、当時の総務大臣から「光の道」構想が提示され、ソフトバンクが賛同を示して宣伝していましたが、日本のIT戦略の課題はインフラではなく利活用、というアンチテーゼが登場して空転してしまった感じです。

Google Fiberも何か目立った結果を出しているわけではなく、先にインフラを整備することで、ギガビットに対応した新しいサービスを生み出せる土壌を整えたってところですかね。卵が先か、鶏が先か、ではないですが、日本でも数年後にはまたネットワークのスペック向上が議論になる気がしました。

スタンフォードの自分を変える教室

「自分を変える」といういかがわしい自己啓発のにおいがするタイトルに、「スタンフォード」という冠がつくだけで期待度が高くなるのはなぜなんでしょう。というわけで、読みました。

 

内容自体に、すごい驚くものは少ないかもしれない。ただ、「意志力」というものをどうやって増やしたりコントロールしていくか、ということが語られているので、自制したい人はいろいろ刺激を受けて良いだろうと思います。

運動や瞑想を行うことや、呼吸をゆっくりすること、睡眠を十分に取ることなどは、至極当たり前のように言われているけれど、それが科学的にも必要な行為だということがわかります。

 

継続的な習慣に落としこむ

先延ばしすると、「明日以降の自分」は今の自分よりやる気に満ちていて、きっと自分が先延ばししたタスクを消化してくれるだろう、という希望的観測がどうやら人間には備わっているようです。ですが、何回も挫折する通り、そんなはずはありません。

ラクリンによれば、タバコを吸うなら「毎日同じ本数」を吸うよう喫煙者に指示すると、タバコの量を減らせとは言われていないにもかかわらず、なぜか喫煙量が減っていくといいます。

というわけで、「一時的に先延ばし」する、というのは非常に難しい一方で、「継続的にその状態になる」と想定すると、自分の意思が強く働くようです。当たり前の話ですが、長期的な視点からどうなりたいのか?であったり、日頃の行動を習慣化することを意識するのが有効そうです。

 

どうやって望ましい行動を継続するか

継続しろといってもそんな簡単ではないことは自分でも良く知っています。本の中ではこう書いてありました。

いちばんいいのは、あなたができるようになりたいと思っていることを習慣にしている人たちに出会うことです。あなたが見習いたくなるような新しい〝仲間〟を見つけましょう。支援活動グループや教室、地元のクラブ活動、オンラインのコミュニティなどに参加するのもよいでしょうし、あなたの目標に役立つような雑誌を購読するのでもかまいません。同じ目標をめざす仲間に囲まれていれば、努力するのがふつうに思えてくるでしょう。

これも言われてみれば当たり前のような話ですが、自分だけではなく他人の目を利用し、刺激を受けたり、「恥」の感覚を取り入れることで目標に近づくということです。

 

それにしても、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」とも内容や事例が一部重複していたりします(切り口は違っていたりしますが)。心理学がいろんな分野に取り入れられているのがトレンドとしてありますね。行動経済学もそうですし、MBAやマーケティングでも論理から感性に軸がシフトしている感じです。心理学というのは、今後も重要性が高い分野になるでしょう。

 

古いiMacを快適に使い続けるためのメモリ解放アプリ

iMacを使っていますが、型番はMid2007で既に5年以上は経過しています。やはりコンピュータの類は時間が経つとどんどん性能が落ちたりするものですが、いろいろ駆使して未だ現役です。

というわけで、古いiMacでも快適に使い続けるためのアプリについて書こうかと。

 

前提:メモリ増設済み

アプリの前に、iMacのメモリは増設済みなことが前提にあります。
iMac(Mid 2007)のメモリを増設したよ | Synapse Diary

最初は1GBでスタートしたけど、途中で結構遅くなってしまったので、最大である4GBまで増設しました。多分、そもそも増設していないと、今は耐えられてなかったと思います。

 

メモリ解放アプリは「MemoryMagic」一択

メモリ解放は重要です。いろいろ使っていると、メモリ量が枯渇して遅くなったりフリーズしてしまったりするので。いくつかメモリ解放アプリを使ってきましたが、このMemoryMagicが現時点で最強です。
Mac“最強”のメモリ解放アプリは『Memory Magic』だ! しかも今だけ無料! : tidestar

Memory Magic 1.2(¥300)
カテゴリ: ユーティリティ, 辞書/辞典/その他
販売元: Vlad Alexa – Vlad Alexa(サイズ: 1 MB)
全てのバージョンの評価: (20件の評価)

その前はMemory ScopeやFreeMemoryを使っていたんですが、MemoryMagicを試してからは、完全にMemoryMagic一択になりました。他と比べて何が良いかといえば、メモリ解放時の挙動です。

Memory Scope 1.04(¥300)
カテゴリ: ユーティリティ, 仕事効率化
販売元: Bloop – giovanni simonicca(サイズ: 0.9 MB)
全てのバージョンの評価: (125件の評価)

FreeMemory Pro 1.8.1(¥200)
カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
販売元: Rocky Sand Studio Ltd. – Rocky Sand Studio Ltd.(サイズ: 2.3 MB)
全てのバージョンの評価: (602件の評価)

Memory ScopeやFreeMemoryは、メモリの残量が結構少なくなってから解放するので、メモリ解放するときに毎回一定時間フリーズしてました。これは結構ストレスだったんですよね。なにせ古いiMacなので、メモリ解放の頻度も結構多いし。。。

でもMemory Magicは余裕があっても定期的にメモリ解放を行ってくれるので、フリーズなども起こらず、使いながら常にメモリに余裕を持ってくれる素晴らしいアプリです。

過去に無料セールだったときにダウンロードしたんですが、再度インストールするなら有料だとしても買うと思います。

Office for MacでWordのセクションを削除する

久々にWordの操作でよくわからずに戸惑ってしまった。セクションを追加して編集してたんだけど、途中で追加したセクションを削除したかったのだけれど、方法がわからず時間がかかってしまった。

操作方法は、以下の画面の通り。最初は環境設定の「表示」メニュー。

section1

 

ここで「編集記号の表示」で「すべて」にチェックを入れる。

section2

 

これでWordファイル上にセクションも表示されるようになるので、該当箇所で削除ボタンで削除できるようになります。

 

 

MSのOfficeというのは不思議なもので、まずビジネスの現場では恐ろしいほど普及しています。なかなかちゃんとした統計が少ないのが難点だけど、MS Officeのシェアは9割ぐらいあると言われています。Office系のオープンソフトや代替ソフトも登場してきてはいるけれど、なかなかシェアは増えないのが現状です。

そして、そのスキルという点でいえば、結構千差万別というか定型化が難しい気がしてます。こういうWordのセクションの機能だって、知らない人も結構多いですし。こういうのを定型化しよう、となると「資格」という発想になるし、実際MS Officeの資格はありますけどね。

ただ、個人的にはこれを持っているとどの程度できるか、というのは評価が難しいんじゃないでしょうか。そして、こういうスキルというのは現場で役だってなんぼなので、やりながら知識とスキルを貯めこんでいった印象が強い。やはり必要にかられないとやらない、というか。

 

というわけで、Office for Macの情報がもっとネット上に増えるといいなーと思う今日この頃です。

プログラマ35歳限界説を考える

今日は、プログラマ35歳限界説について。
プログラマは35歳が限界どころか、死ぬまで上達しつづけるのでは – モジログ

僕はプログラマではないけれど、ITコンサル業界に入ったときから、この話は出ていました。上述の記事では、プログラマは年齢とともに成熟できるはず、と書かれていますが、問題はそこではないと僕は理解しています。

 

技術の変遷が激しく、知識や経験を成熟させづらい

僕が社会人になった頃は、オープン化やオブジェクト指向なんて言葉は既に普及し尽くされた感じで、これからはWebベースで、とかSOAによるアーキテクチャが重要だと言われていました。また同時に、セールスフォースなどのSaaSも登場し始めていた覚えがあります。

今は仮想化技術が普及期を迎えており、クライアントの興味も相対的にアプリよりハードウェアやネットワークなどに関心が高まっている気がします。

また、クライアントサーバ型からWebに移り、自前からクラウドに移ることで、開発言語や開発をサポートする環境も変わってきています。これを考えたときに、全くついていけないとは思いませんが、キャッチアップして成熟させていくことは難しい、というのはわかると思います。

市場全体で見た場合に、人が成熟するスピードより早く技術や市場が変化してしまうので、継続的に自分を成長させながら市場に適用するのが難しい、というのは35歳限界説のひとつの要因でしょう。

 

年齢とともに管理職になるのが必然

技術者として生きていくのであれば年齢は関係ないですが、おおよその企業の組織設計は、年齢とともに管理者になっていきます。そういう役割を求められていくと、必然的に管理者としての能力や仕事が求められてきます。

管理者としての要素が入ると、どうしてプログラマが限界を迎えてしまうのか。分かりやすいイメージとしては、プログラマが「職人」であり、管理者の適性を持っている人が少ない、ということでしょうか。これは本当でしょうか。確かに、僕が見てきた中でも、適性がある人といない人がいて、適性がある人の方が少なかったイメージはあります。ただ、これも確率論の世界なので確かなことは言いづらい感じがします。

逆に、ちゃんと管理職になってしまうと、もうプログラマとして現場でコーディングするようなことはできなくなる、ということの方が正解かもしれません。

 

日本では、IT技術者が不足しているとか、技術力でアメリカに負けている、ということを良く言われたりします。シリコンバレーから世界を制する企業がどんどん登場している事実からしても、それはその通りなのかもしれません。個人的には、ITゼネコン的体質が多い市場が、こういう状況を生んでしまっている、という至極当たり前の問題意識を持っていたりします。特に受託開発で食べているような中小SIerは、自分たちで新しいビジネスモデルを構築し、プログラマ単価の積み上げでない料金モデルを作る必要があるんじゃないか、と思う今日このごろです。

直帰率や訪問別PVが劇的に改善した。ブログのランディングページを考える

SEOでは、検索エンジンからの流入に対してランディングページを設けてコンバージョンを上げるというのはセオリーですが、ブログでは当てはまらない考えだと勝手に思っていました。

 

で、施策を打ったところ、直帰率と訪問別PVが劇的に改善しました。最初、目を疑ったぐらいです。直帰率については、対策前は70%ぐらいでした。大半は直帰してたってことですね。それが対策後は3%程度です。急に一桁になりました。僕の目がおかしいんですかね?

直帰率

訪問別PVも1.3ぐらいだったところが、2.3ぐらいに約1ページ分増加しています。直帰率が低下しているので、当然といえば当然です。

pv

 

ブログにおいては、ランディングページそのものを作るというより、流入してきた個別ページからどうやって効果的に回遊率を高めるか、という視点になるんだと思います。以下の記事にある対策を実施しました。
ランディングページ最適化編・ブログのアクセスアップを考察*prasm

 

サイドバーのカテゴリ別人気記事表示

ブログのサイドバーに表示される人気記事を、カテゴリ別に変更しました。多分、これが効果あったんじゃないかと個人的には思っています。

サイドバーのカテゴリ別人気記事を表示することで、ページ全体に統一感が生まれた気がしました。あと、記事を読みながら関連するキーワードの記事が表示されるので、目に止まりやすいんじゃないかと。

やり方はこの記事の通りです。

ワードプレスのサイドバーにカテゴリ別人気記事を表示する | PLUS

※Wordpress Popular Postsを最新の2.3.3にアップデートしたら、表示がおかしくなりました。ご注意ください。

 

カテゴリーの重要性に目覚める

ブログの場合、あんまりひとつのテーマに絞って書いている人の方が少ないんじゃないかと思う。テーマを絞る方がマーケティング上有利なのはわかっているけど、そのためだけに書いているわけでもないよね、という気がして。

で、今回の対策を行う中で、いろいろなカテゴリーを育てる、という考え方が重要なんだと思いました。つまり、カテゴリーごとに記事を充実させていくことで、ブログ全体を育てていく感覚というか。

そう考えるようになると、いろいろ記事を見たりページ分析結果を眺めては、記事のカテゴリーを見なおしたり、新しくカテゴリーを作ったり、カテゴリーを廃止したり、いろいろ見直すようになりました。

 

関連記事プラグインも追加

関連記事プラグインも少し見直しました。これまではYARPP(Yet Another Related Posts Plugin)を使っていたけど、それに加えて、Where did they go from hereを導入した。

「他にこんな記事も見てます」を簡単に導入できるWordPressプラグイン〜Where did they go from here | カグア!Googleアナリティクス解説Blog

Amazonと同じように、直接ユーザーの履歴から、関連性のある記事を表示するためのプラグインです。データが蓄積されるまで待つ必要があるのが欠点といえば欠点でしょうか。だから、あまり実際の記事でも表示されていませんね。

ただ、やはり人間の方が関連性を見つけるのは上手なようです。特に、文字などではなく内容そのものの関連性を読み取る必要がある場合は。YARPPは、関連性を示してくれますが、なかなか関連性が高い記事を示してくれる感じがしません。残念ですが。

というわけで、関連記事プラグインはしばらく二刀流で表示して様子見したいと思います。

 

まだ対策してから数日しか経過していないので、今後傾向は変わるかもしれないけど、今のところ好感触です。ぜひ、ブログにもランディングページの考え方を。

知識やノウハウを売り物にするためには、ITを駆使する方が有利

KIBSという言葉を知ってるでしょうか。

Knowledge Intensive Business Servicesの略で、「知識やノウハウを集約して高い技術やノウハウ等を提供するサービス業」のことを指す言葉だそうです。具体的には情報サービス産業とか、広告業などが対象になるんだとか。

IT系の産業を調べていると、時々KIBSという言葉に遭遇することがあります。なんでかといえば、世界を見た場合に、価値は有形財から無形財に変遷しており、無形財の中でも付加価値が高い、KIBSといわれる産業を育成し、そこに人が移動した方が良いよね、という考え方があるからです。

で、KIBSに関する面白い論文をネットで見つけてしまったので、少し引用しつつ気づいた点を書こうと思います。

 

KIBSにおける都市型とローカル型

まず、見つけた論文はこれです(PDFファイル)。
「知識集約型サービス支援サービス業(KIBS)の専門的人材活用」に関する研究

この中で、KIBSにも「ITを駆使する系統」と「人的なサービスを駆使する系統」の2種類があると定義しています。前者がITサービスや経営コンサルなどで、後者が弁護士や会計士などです。(論文上ではT-KIBS、P-KIBSと定義しています。)

そして、ITを駆使するT-KIBSは都市型で対象エリアが広く、人的サービスを駆使するP-KIBSはローカル型で労働集約産業だと説明が続きます。これは非常に面白い観点だと思いました。つまり、人的サービスを駆使すると労働集約型になってしまってスケーラビリティが出ないので、エリアが限定されるというわけです。

 

知識やノウハウを売り物にするKIBSで労働集約ってどういうことだ?

最初これを読んだときに、少し違和感がありました。知識やノウハウを売り物にする産業がKIBSのはずなのに、労働集約型というのがイメージとしてピンと来なかったのです。

ただ、よくよく考えてみると伝達手段が問題なんじゃないかと気づきました。つまり、会計士や弁護士など労働集約型と呼ばれるものは、知識やノウハウを伝達する手段が人しかないからではないか、と。逆に、情報サービスやコンサルティングなどは、ソフトウェアや本、資料など伝達する手段が別で存在するのでスケーラビリティが出る、というわけです。

そう考えると、情報商材がなくならないのも、そういうところにひとつ要因があるんだろうという気がしてきました。つまり、「情報」そのものをネットに載せて売れるわけですから、スケーラビリティはたっぷりあります。後はマーケティングの問題でしょう。

ちなみに、MBAに通ってわかったことですが、ケース・スタディで用いる企業などの内容が書かれた「ケース」と呼ばれるものは、ハーバードビジネススクールなどが有料で提供しているようです。これは、まさに知識を文書にして、お金に替えて伝達した例になるでしょう。

 

ビジネスモデルを考えていくと、労働集約型では規模をきかすのがどこかで難しくなります。なので、事業として発展させたり、収益機会を増やすのであれば、「知識やノウハウを人以外でどうやって伝達して課金するか」が重要になるということです。

組織におけるプレイングマネージャーの弊害

組織の中には、部下を「壊して」しまう人が時々存在する。そういう人がどういう要素を孕んでいるか、考えてみる。僕自身はあまりそういう環境に遭遇したことはないけど、いろんな組織で発生しているようなので、推測をたっぷり含めて。

部下を、プレイヤーである自分と比較する

多分、大きな誤解はここからスタートするんじゃないかと思う。そうなると、「自分に比べてあいつは仕事ができない」というネガティブな捉え方から脱却できない。本来管理者は、組織全体のパフォーマンスを最大化するためにあるはずなのに、仕事ができないあいつが悪い、という発想から人を潰すことをしてしまう。

そうではなくて、自分とは切り離して、部下個人をみた場合にどうやったらパフォーマンスが向上するかを考える必要がある。目的の定め方が違う。

 

正しすぎる「正論」を述べる

如何せん仕事ができる人の場合、過去の成功体験があったり、自分に強い自信があるため、それ以外の方法や価値観を受け入れることが難しいことが往々にしてある。また、言っていることが正しいと周囲も納得する場合が多い。

そうなると、意見を言いづらい空気が醸成されやすかったり、高い目標を掲げられて疲れてしまったり、自信喪失してしまう状態になりやすいんじゃないか。こうなると、バタバタと部下が組織から離脱していくようになる。

 

組織としてどう立ち向かえばよいか

プレイヤーとしては非常に優秀で、会社にとって有益っぽく見えることはあるわけです。ただ、全体から見た場合にどうか、という疑問がある。上司からは良い人材に映るし、部下からはちょっとしたモンスターに映る。そういう両面の危険性を持ちあわせているタイプが多いような気がする。

こういう状況を組織としてどう打開するかといえば、やはり広く情報を吸い上げる仕組みを経営者は持っておかないと厳しいだろうと思うわけです。一時期360度評価が注目されたのも、評価者が一方向だけでは、立場や状況によって変わる可能性を拾い切れないからだと思う。

事前に対処するのではなく、後で尻拭いをする

要はまずは部下にやらせてみろ、ってことです。失敗の範囲を推し量って、後からでもリカバリーできるギリギリの線までは任せる、というスタンスを作ることが、自分の問題解決能力を高めると同時に、部下の育成にも成功するんじゃないかと思うので。

つまりは、Before(事前に手取り足取り指導したり、自分でやってしまう)からAfter(部下がやったミスを火消しする)へマインドを変えることが、打開する活路になるんじゃないのかなーと。

 

とまあ列挙してみたけど、書いた内容について誰も需要がないと思うから、どうせ読まれないなと思った。