問題解決の実学

わかりやすい。企業変革の一連の流れがうまくまとまっていて、理解しやすい。

内容は、具体的なテクニック論ではなく、テクニックの前に必要な、どのような考え方で問題にアプローチしているか、という点が書かれている。

個人的には、改革の実行段階では、数値目標よりも使命や理念が大事だと語っているところが印象に残った。数値目標のみを前面に掲げると、そればかりに固執して、思考の幅が狭くなってしまう。

進む方向がブレないように、組織として使命や理念を設定し、社内のいろんなレベルにどんどん落としこまれ、そこで数値目標を取り入れていく。

とにかく。理解しやすい。企業変革に興味ある人にはおすすめ。

論理思考と発想の技術

ロジカル・シンキングの本。MECEやイッシュー・ツリーについて分かりやすいの説明がわかりやすい。

他にも論理構造を見抜く観点や、豊かな発想を導く方法が書かれていた。

面白かったのはアイデアを生む発想法について。人間は考えるとき、経験や環境によって知らずに「思考のタガ」が生まれている。このタガを外すためのいろいろな発想法が提示されていた。課題に取り組んで煮詰まるっていうのはよくあること。そういうときに打開する手法の引き出しが多いことは、 いざ壁に突き当たったときに役立つだろうな、と読んでて思った。

 

【書評】考える技術・書く技術

今までも論理的思考関連の本を何冊か読みましたが、この本が一番内容にボリュームがありました。

1999年に書かれたこの本は、マッキンゼーなどでライティングを教えている著者が、そのエッセンスをまとめた一冊です。結構重厚ですね。

MECEやロジックツリーなど、論理的思考でよく登場するおなじみの言葉も出てきましたが、その他にも覚えきれないほど分析手法がたくさん出てきました。

一番印象に残ったのは、何か方向を決めて進むとき、その最初の仮説や設定、適した分析手法など、はっきりと道筋を考えておくことが重要である、という点。簡単に言えば、最初の計画が肝心だということですね。

他にも、ちゃんと文章全体が論理的にバランスが良いか、とか理解しやすい構成などが書いてあり、読んでいて大学で論文を書いていた時期のことを思い出しました。書く内容を一度イラストや図にしてから文章にすると、読み手にイメージしやすい文章を書くことができる、という点も勉強になりました。

この本の内容を消化して、ちゃんと自分のモノにするには多少の訓練が必要だと思わされる一冊でした。論理的思考に興味を持った人には、ぜひ一度基礎を学ぶ気持ちでこの本を手にとって見て欲しいです。

ワークブックもあります。