イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」

 

コンサルに入門しようというときに読んだバーバラ・ミント。そのときはわかったつもりになっていたけど、久しぶりに同類の本を読むと、自分の中でまた違う捉え方がされるから不思議だなあ。

 

仮説思考とかロジカル・シンキングなど、いわゆるコンサル会社が使うテクニックを説明しているのだけれど、非常にわかりやすいテキストという感じ。特に、仮説思考を中心にストーリーを組み立て、そこからMECEなどのロジカルシンキングを組み入れるポイント、調査し分析した結果のイメージまで事前に仮説に組み入れる入念さは、非常に参考になる。

 

人は、「犬の道」に迷いこむことがよくある。情報に触れすぎていて、情報量オーバーで自分の思考が失われる。羽生善治が言っているように、情報が豊富だから、一定レベルまでは多くの人がすごい早く到達できるようになる。でも、その先に行くためには、自分独自の思考を膨らませないと差別化は難しい。ホワイトワーカーに問われるのは、正にこの点だろうと思う。

 

ドラッガーは、ホワイトワーカーの労働生産性はとても低いと指摘した。実際に数年コンサル会社で仕事してみて、確かにそういう感覚がある。再利用が難しく、組織として知識を活用している感覚が低い(だからこそ個人に稀少価値が生まれやすいとも言えるのだけれど。)

 

この本には、知的生産性を向上させるヒントが多く詰まっている。バーバラ・ミントよりもはるかに読みやすい、というおまけつき。

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