戦略の本質を理解する良書 – 【書評】ストーリーとしての競争戦略

経営戦略系の本では、久々にヒット。重厚で面白かったです。

最終的には、ひとつのストーリーとして動的な流れで戦略を考える、という主旨の本なのですが、金融日記でも書いてある通り、戦略の基本的な考え方みたいなものが一通り紐解かれていて、それだけでも頭が整理されます。

目次
第1章 戦略は「ストーリー」
第2章 競争戦略の基本論理
第3章 静止画から動画へ
第4章 始まりはコンセプト
第5章 「キラーパス」を組み込む
第6章 戦略ストーリーを読解する
第7章 戦略ストーリーの「骨法10カ条」

ファイブフォースとか、欧米型と日本型の経営スタンスの違いとか。企業のスタンスはポジションと組織力のバランスで構成されている、とか。ビジネスにおける競争戦略の様々な要素が紐解かれつつ、「ストーリー」の重要さを説いていきます。

この本は、基本的な知識ということではなく、戦略とはどういうもので、用語として言われていることはどういうことを示しているのか、という点を教えてくれます。部分的な捉え方ではないし、用語の解説でもない。目立った切り出し方はないのかもしれないけれど、骨太な論理を語ってくれる本です。

そして基本的な論理から発展して語られる、ストーリーとしての戦略というコンセプトは、非常にうならされました。

経営戦略なんて絵に書いた餅で、役に立たないと思う人も多いかもしれないけれど、自分は違うと思っています。こういう戦略論理に触れるとき、自分の周りに置き換えながら、いろんなことに思いを巡らせます。あれを試してみよう、とかアプローチを変えてみよう、とか。次の一歩を踏み出すときのアイデアの素となってくれます。そういう本こそが良書なんだと思うのです。

失敗した企業が山ほどいて、その中で輝く企業がいる。その要素をこの本は示しているように思えました。自分が戦略を考えるときは、この本をまた開きたいと思います。

そして、しばらく軽い戦略本なんかは読まないでしょう。

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