ユニクロとしまむらの違いをGoogleトレンドからデータ分析したよ

最近、ユニクロの業績が落ちており、四半期決算で純利益が予想より大幅に低下したというニュースがありました。

カジュアル衣料品店チェーン「ユニクロ」の成長神話の陰りが鮮明になってきた。ユニクロを運営するファーストリテイリングは2016年4月7日、業績予想を大幅に下方修正し、16年8月期の純利益は従来予想を500億円下回る600億円とした。2015年8月期に比べ45.5%の大幅減だ。

「業績は不合格」柳井氏も認めるユニクロの「陰り」 「値上げ」引き金の客離れが止まらない : J-CASTニュース

原因のひとつとして、値上げがフォーカスされています。一方で、しまむらは値上げによって業績を回復させているという記事がありました。両社は価格に対する反応が随分違うんだな、と不思議に思いました。

ユニクロのように「値段が安い」というブランドイメージが定着している場合には、あまり値段をいじらないほうが良く、逆に、ユニクロほどイメージが定着していないなら、値上げが上手くいくケースもあります。

東洋経済オンラインは6日「しまむら、V字回復の理由は「値上げ」にあった」と題する記事を掲載しました。2015年の秋冬シーズンに売り出しヒットした「裏地あったかパンツ」は、同社にしては高価格帯にも関わらずヒットし、3年ぶりの営業増益を牽引したとのことです。

ユニクロは対前年比でマイナスになることが多いですが、しまむらは対前年比マイナスが非常に少なくなっています。
同じように値上げ戦略をとりながら対照的な結果になっているユニクロとしまむら。この違いに注目することが大切だと思います。

KON617「訪日外国人客・ホテル稼働率・ファーストリテイリング・しまむら~政府は数字遊びではない現実的な問題解決を考えよ」

勝手に、両社とも安いというイメージがあったので、値上げに対して反応が異なるというのは意外でした。

 

なぜユニクロとしまむらで、値上げに対する反応が違うのか?

改めてユニクロ(ファーストリテイリング)としまむらの業績を比べると、しまむらの方が季節変動が少なくなってる気がします(iPhoneアプリの「ポケットIR」から拾ってきたのですが、ちょっとファーストリテイリングの値が怪しいかもしれません。)

FR_しまむら

あと、過去のファーストリテイリングのIRインタビューが公開されていて、顧客は価格感応度が高いことが語られています。

Q3: 原油価格の低下により、最近では素材関係も下がり気味だと思いますが、今後の価格戦略についてコメントをください。
A3: 岡崎CFO:
足元の1品単価が上がっているのは、一部の商品の値上げをさせていただいた影響もあるとは思いますが、それより大きいのが比較的価格の高い商品の売れ行きが好調だということです。例えば、ボトムスや、ヒートテックエクストラウォームのような価格が比較的高い商品の需要が強く、販売は好調です。お客様の志向としては、価格感応度はまだ高いと感じています。

質疑応答の概要 | FAST RETAILING CO., LTD.

 

また、過去をみると人件費高騰でも価格を上げていますし、今回が初めてのことではありません。

ユニクロ、今期2度目の下方修正が映すもの | 専門店・ブランド・消費財 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

で、ここで仮説として思い浮かんだのが、「ユニクロとしまむらは、季節変動のインパクトが違うのではないか?」ということです。季節変動が大きいということは、セールなどと組み合わせて価格反応度が高いと思いますし、季節変動が小さいということは、価格反応度がそれほど大きくなく、コンスタントな売上・利益を出すということになるのでは、と。

 

Googleトレンドのデータで季節変動を確かめる

では、ユニクロとしまむらについて、季節変動の違いをどう調べようかと思ったときに、Googleトレンドを使ってみようかなと思いました。Googleトレンドだと検索件数の相対的な傾向が2004年から月単位で取れます。

実際にみてみましょう。赤が「ユニクロ」で、青が「しまむら」です。

ユニクロ_しまむら

ここから言えるのは、ユニクロの方が検索回数が多いってことと、ユニクロの方が変動が大きいということです。このグラフを見ても、ユニクロの方が季節変動が大きいのよね?と思いますよね。

 

で、ユニクロとしまむらが、どれほど季節変動になっているのか、Googleトレンドの値をもう少しデータ分析して推測しようと思います。

ここからは、R言語を使ったデータ分析になります。細かいことは省略しますが、時系列データから季節変動要素を取り出してみます。

その結果がこちらです。4つグラフがありますが、生データ、季節変動、トレンド、残差(ランダム成分)になります。季節変動を見たければ、2番めを確認しましょう。見事に繰り返しになっていて、5月に小さな山、11月に大きな山というトレンドです。

ユニクロ

次は、同様にしまむらでもGoogleトレンドのデータを分析してみたいと思います。その結果がこちらです。

しまむら

ユニクロと同じように、2番めのグラフでは季節変動が生じています。これだと「ユニクロと一緒で季節変動あるじゃん?」となりますが、右側にある変動幅の数字が違います。しまむらの方が変動幅が小さいんですね。なので、季節変動という点でみると、しまむらにも季節変動はある。ただ、ユニクロよりは小さいということが言えます。

あとは、4番目にある残差(ランダム成分)の値が全体としてユニクロより小さいのが特徴ですね。

 

ということで、ユニクロの方が季節変動が大きいため、セールや価格値引きなどを組み合わせて売る調整が必要になっているように思われます。しまむらは、変動要素が高くないため、値上げしてもそれほど大きく顧客離れを引き起こさないモデル(ブランドイメージ)になっていると考えられます。

こちらからは以上です。

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