JINSという企業を改めて分析してみる

読者の方から質問をいただきました。

詳細は省きますが、こういう内容です。

JINSの将来性や経営の観点での管理人様の評価を教えて頂けませんでしょうか。

こういう質問をいただくと、自分の中でいろいろ調べるエネルギーが湧いてくるので好物です。笑

JINSについては、このブログでも何度か書いてきたのですが、市場環境などを含めて書いたのがこの記事です。

JINSが平均年収を10%も上げなければいけない理由

2014.11.07

これは2014年11月のものなので、ちょっと古くなっていますね。情報のアップデートがてら、ご質問に答えられればと思います。

 

メガネ市場について

まず、国内のメガネ市場全体になります。これは、2011年以降4年連続で上昇しています。

2014年の国内アイウエア市場規模は前年比101.7%の4,798億円であった。2011年以降4年連続のプラス成長となった。普段アイウエアを必要としないユーザーを取り込んだ非視力矯正市場という全く新しい市場の創出や、オリジナルブランドによる日本メーカーの復権、度付きアイウエアのインターネット通販の拡大などが主な要因である。

国内アイウエア市場に関する調査結果 2015 – 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

まさにJINSに代表されるような、低価格でファッション性の高いメガネが打ち出されたことで、新たな市場を開拓した形でしょう。

 

一方で、世界のメガネ市場がどうなっているか。データがほとんど見当たらなかったのですが、こういう記事がありました。

世界のメガネ市場規模は2013年時点で980億米ドル。国別では、米国が280億米ドル、日本が100億米ドルとなる。一方で、中国は561億1800万人民元(約87億米ドル)にとどまった。 1人当たり平均消費は、さらに少ない。13年末の人口で計算すると、米国が88.25米ドル、日本が78.60米ドルに上るのに対し、中国は41.24人民元(6.4米ドル)。伸び代の大きい市場といえる。

中国メガネ業界に成長ポテンシャル、近視人口は世界最多 | newsclip (ニュース、ASEAN、その他のニュース)

元データを正確に特定できなかったのですが、この数字を信じるならば、経済発展とメガネの消費量や消費額にはある程度相関があると思われます。今後は、経済発展していくアジア市場全体でメガネはもっと消費されていくのではないでしょうか。

まとめると、日本は成熟市場ではあるものの、回復傾向にある。海外では経済成長とともに今後のメガネ消費の上昇が期待できる、というところでしょうか。

 

JINSの業績について

JINSの売上と利益率はこんな感じで推移しています。

image (2)

当初ほどの利益率ではありませんが、売上高と利益率は直近では改善してきています。

次に、競合各社との比較で見てみます。まず前提として注意する必要があるのは、メガネトップという業界リーダーが上場廃止しており、比較が難しいという点です。なので、以下はそれ以外の競合との比較になります。

まず売上高の比較です。JINSは三城ホールディングスの次にあります。(企業名が見切れてますね。すみません。。。)

image (3)

次に営業利益率です。JINSが圧倒的に大きいですね。これはやはり、SPAモデルの強みでしょう。

image (4)

まとめると、日本市場では恐らく業界3位。利益率でみれば業界の中でトップ、という状況です。

 

今後の戦略

JINSの今後の戦略は、「CEOメッセージ」から読み取ることができます。

投資家情報 – ライブラリー(株主の皆様へ) | 株式会社ジェイアイエヌ

最新のものを見ると、ポイントを2つに絞って語られています。

 

革新的な商品の開発

一つ目が「JINS MEME」。ついに発売になりましたね。自分の状態を可視化できるメガネとして、僕も非常に注目しています。ソフトウェアを技術者に公開し、アプリケーションを開発できるオープンなプラットフォームになっています。今後、このプラットフォームがうまく育ち、キラーコンテンツが登場すれば、革新的な商品になる可能性を秘めています。このあたりの動きは、まさにIT企業さながらで、若い会社だからこそかな、というところもあります。

また、高い利益率があり、それを原資に商品開発や設備投資に回す、という好循環もSPAモデルの特徴です。

 

グローバル展開

もうひとつがグローバル展開ですね。2015年9月末現在で、中国は57店舗にまで拡大し、今後も大量出店を見込んでいるそうです。前述した通り、中国市場は伸び代が大きい市場であり、成長が見込めるのだと思います。

ここで競合の三城ホールディングスを見てみると、複数の国に海外展開しており、最も店舗数が多い中国だと75店舗あります(2016年3月期 第2四半期の事業報告書より)。ただ、2011年では138店舗あったのが、年々減少してきています。

 

戦略という点では、JINSがまさに時代の波に乗っている感があります。成熟していたメガネ市場をSPAモデルによる低価格とファッション性・機能性のある商品開発で席巻してきたJINSですが、今後の成長も期待できると思います。

あと、ネット通販に対応しているかというところも、ひそかな注目点ですね。オムニチャネル化はどんな小売業にも言えることですし、ネット専業のメガネ通販会社も登場しています。各社も力を入れていると思いますが、このあたりは経営の本気度合いが試されると思います。

参考:ネットと実店舗の融合が進む青山商事、パルコ、メガネースーパーのオムニチャネル事例を学ぶ | ネットショップ担当者フォーラム

 

まとめ

  • メガネ市場は、国内はやや改善。海外はアメリカが巨大市場で、中国は今後の成長市場。
  • JINSの売上シェアは(恐らく)国内3位。利益率はトップ。SPAモデルの強み。
  • 今後の戦略は革新的な商品開発とグローバル展開。

というわけで、「JINS MEME」を開発したり、ネット通販に力を入れていたりと、ITもうまく取り入れて強くなっている気がします。何より、競合と比べて数字や戦略に勢いを感じますね。

今日はこのへんで。

【書評】振り切る勇気 メガネを変えるJINSの挑戦(田中 仁)

2014.07.16

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