ベネッセの個人情報流出で、今後ベネッセの強みは維持できるのだろうか

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ベネッセで大量の個人情報流出がありましたね。いろいろ情報は出回っているところですし、原因等の解明は捜査中とのことです。

お客様情報の漏えいについてお詫びとご説明

そして、ベネッセの株価は大きく低下しました。4400円から、流出が発表された7/10には4100円まで下がっています。ちなみに、ベネッセの過去5年の業績グラフを貼っておきます。利益率は低下気味ですが、売上は伸びてますね。

個人情報を多く持っていることはベネッセの強み

ベネッセの強みはいろいろあるのですが、今回対象になった膨大な個人情報を保持していることが大きな強みになっています。

ベネッセは通信教育や出版をメインに行う会社で、顧客の開拓手段のひとつとしてダイレクトメールがあります。反応が高まるダイレクトメールのノウハウに関しては、非常に高いものがあると聞いたことがあります。そのときに、送る先として顧客情報が重要になってくるわけです。

昔は住民基本台帳を閲覧できたそうですが、それもできなくなり、最近だと家族連れが集まるような施設でスタンプラリーなどのイベントを行い、景品と引き換えに個人情報を入手する方法で、熱心に情報を集めているようです。

個人情報に対する規制は年々厳しくなっているので、逆にそれを取得できる企業というのは大きな強みになりうるわけです。

それだけ企業にとって根幹となる重要な情報が、このような形で漏えいしたのは残念ですね。全容はまだわからないので、何ともという感じではありますが。

今後どうやって信頼回復していくんだろうか

マクドナルドのCEOだった原田さんが社長に就任して間もないですが、今後どのように信頼を回復していくのかは気になります。個人情報を収集するのが強みのひとつだったわけですが、それも今後は同じやり方では情報を集められないかもしれません。

恐らくはシステム管理の問題だったと推測しますが、社会の大半の人はそういう事情はあまりよくわからないと思いますし。それとも、みんなあまり気にせず情報を渡してしまうんでしょうかね。

個人情報保護法で、今回の漏えいが罪にならない可能性があったり(以前から問題視されてましたね、この点)、漏えいのきっかけとして名前が挙がったジャストシステムの株価がストップ安になったりと、いろいろ話題は尽きません。名簿屋の闇は深いなって思いました。

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おまけとして、ジャストシステムの過去5年の業績グラフも貼っておきます。ここ数年は上昇傾向ですね。2009年にキーエンスの傘下に入ってます。

個人的には、ベネッセが水族館などでスタンプラリーをやって個人情報を集めるのはちょっと嫌ですね。親としては子どもが楽しいから良いかと思う反面、個人情報は不必要に渡したくない、という気持ち悪さにさいなまれるので。