リブセンスの四半期決算の内容が芳しくなく、株価が急落したというのが話題になっていました。興味がわきましたので、どういう状況になっているのか、少し調べてみました。
リブセンスが生命線のSEOを叩き落とされてピンチむかえる : 市況かぶ全力2階建
財務状況などは、こちらの決算資料を見てもらえばわかりますが、売上が思ったほど伸びず、販管費が多くなっていることから、利益を大きく圧迫しています。これまで順調に成長してきたはずが、どうしてこうなったんでしょうか。
投資家情報|株式会社リブセンス
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求人サイト全体が落ち込んでいるのか?
外部環境はどうなってるんでしょうか。まず、求人掲載件数は多少の凹凸があるものの右肩上がりです。特に求人サイトは顕著に成長しています。
公益社団法人全国求人情報協会 : 調査発表/求人広告掲載件数
あと、有効求人倍率も特に落ち込んでいないです。なので、求人に対しては旺盛な状況だと思われます。
よって、求人掲載件数自体が大きく落ち込んでいるようには見えず、リブセンスが競合に比べて負けている可能性が高いんじゃないか、と考えられます。
リブセンスの強みは何か?
リブセンスのビジネスモデルで注目されたのは、成果報酬型の掲載料でした。それによって、広告主は無駄な費用を払わずに求人とのマッチングを受けられることになります。で、それを成立させるために応募者側に「お祝い金」を払うというアイデアが盛り込まれたことが、注目ポイントだったかと。
一方で、いくつか記事を読むと「SEOに強い」ことが強みのひとつに挙げられており、それが検索エンジンのアルゴリズム変更によって低下したというのが見られます。
好調リブセンス、その「手堅さ」の所以とは?
(1/2) 求人情報「リブセンス」株急落のなぜSEOがうまく機能しなくなったせい、との見方 : J-CASTニュース
この記事を書くまでリブセンスのことを深く知っていたわけではありませんが、SEOによる流入が多く、リスティングに大きく頼らずとも集客できることがひとつの強みだったようです。確かに、「地名 アルバイト」とか検索して、トップにきたらクリックされる確率は高いですわな。
そして、いろいろ言われている通り、検索順位は落ちているようです。「名古屋 アルバイト」で検索すると、リブセンスが運営するサイト「ジョブセンス」は10位だったりします。
求人サイトのコアコンピタンスは何か?
求人広告の強さを決める要因は何かってことで言えば、ひとつは求人掲載数の多さだと思います。多ければ多いほど、マッチングの確率が多くなります。プラットフォームビジネスの基本ですね。
求人掲載数の比較
Google検索で1位・2位だったバイトル、タウンワークと名古屋市のアルバイト求人数で比較します。
バイトル:2577件 タウンワーク:3056件 ジョブセンス:589件
数でみれば一目瞭然です。名古屋しか調べていないですが。
一応、スクリーンショット貼っておきます(5/21時点)。
ブランド想起
あとは、プラットフォーム自体の名前を検索して、調べるってこともありそうです。なので、Googleトレンドで比較してみました。
2013年頃は、ジョブセンスがバイトルを一時的に逆転しているようですが、検索数でも差が生じています。タウンワークが圧勝ですね。
ここからは完全に想像ですが、リブセンスは売上が停滞するタイミングが早かったなってのが正直なところなんじゃないかと思います。人材サービスは成熟した業界で、その中でリブセンスはニッチなところを狙って成長してきたと思うのです。認知度があまり高くない状況で、サービス名で検索されるのではなく、「地名 求人」などの検索流入を丁寧に拾ってきたというのがこれまでだったんじゃないかと。
そして、ネットでの認知向上にやや限界が出てきた中で、マスメディアでCM打ったりして、これからブランド力をつけるってフェーズなんですが、それと同時に売上の頭打ちが来ているんですかね。
こういう勢いあるベンチャーには頑張って欲しいものです。
リブセンスはなぜ株価が急落したのか http://t.co/BzEvbYelKZ @reijiさんから