ロイヤルホストはなぜ業績が好調なのか

先週のカンブリア宮殿は、ロイヤルホストでした。低迷するファミリーレストラン業界の中で、高価格路線で業績が上がっています。ロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングスの業績を見てみたのが、以下のグラフです。ただ、ロイヤルホールディングスとしてホテルとか機内食なども運営していて、ロイヤルホストの売上は全体の1/4近い割合です。

特に、営業利益率の伸びが良い感じですね。好調なのがわかります。

royalhost

高級食材による客単価の向上、呼び出しボタンやドリンクバーをなくした接客サービスの刷新を図っています。なんでロイヤルホストがこのような戦略を取るのか、ファミリーレストランの業界動向から紐解こうと思います。

ちなみに、今回の記事を書くにあたって、ファミリーレストランの歴史に興味を持ってこの本を読みました。

 

 

ファミリーレストラン産業は衰退期

外食産業の市場規模は1997年頃がピークで、そこから右肩下がりの傾向が続いています。

gaishoku

(単位:億円)(統計局ホームページ/第13章 商業より作成)

戦後は新しい業態として、家族の外食という文化を作り出し発展してきました。その後はガストを始めとする低価格路線で、客単価の減少を、客数の増加でカバーする時代が続いていましたが、それも限界が訪れている状況です。

原因はいくつかあるのだと思いますが、人口減少という大きなトレンドとともに、ファミレスに求められる価値が変わったのだと思っています。昔は、洋食など珍しい料理を気軽に食べられる場所でした。その後は、ドリンクバーなど気軽に「いる空間」として存在を増していきます。それと並行して、和食や中華など業態が多様化し、新しい状況になったのだと思います。

明確に言えることは、マクロトレンドとして外食産業は衰退期に入っており、新しい業態・新しい価値を生み出さなければ生き残るのが難しいフェーズだということです。

 

ファミリーレストランの業界構造

ファミリーレストランのシェアでみれば、すかいらーくが20%で業界一番です。次いで、サイゼリヤ、セブン&アイ(デニーズ)、ココス、ジョイフルと続きます。ロイヤルホストは上位5社の中に入れていません。

ロイヤルホストは戦後の外食産業を創りだしたパイオニアと言われていますが、効率性を重視して店の数を増やすような方針ではないということと関係していると思います。

 

カスタマーエクスペリエンスの向上

ロイヤルホストといえば、他のファミレスに比べると価格がやや高く、品質が高いというイメージがあります。実際、各店舗にコックを配置して、調理のレベルを保つ努力をしています。

しかし、価格競争に伴うコスト削減で、管理コストを低下しました。その結果、コックの数が減少。サービスが低下という循環にハマっていきます。

何が低迷の原因だったのか。「競合の低価格攻勢に飲まれて、自社の強みを見失っていた」と矢崎は振り返る。合理化を追求する他社がセントラルキッチンで集中加工した食材を使っているのと違い、ロイヤルホストの場合は厨房にコックがいて、大半の料理を作っている。そのため売り上げを増やそうとメニュー数を増やせば、コックの対応が追いつかず調理や盛り付けに時間がかかってしまう。「料理が出てくるのが遅い」――そのことがさらに客数減を招き、売り上げが落ちるという悪循環に陥っていた。

“おいしさ”追求でロイヤルホストが復活 | 企業 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

社長が交代し、顧客が喜ぶメニューを創りだしていくことで、客単価が向上していきます。ロイヤルホストは、これまで他社の低価格路線に引きずられていたものの、改めて自社の強みを思い出したわけです。

 

組織を活性化させることができる

カンブリア宮殿を見たとき、呼び出しボタンを廃止した実験店舗では、接客のレベル向上が求められていました。これまでは呼び出されるまで対応する必要がなかったのが、常に顧客の様子を気配りする必要があるからです。

ただ、接客する人は「呼び出しボタンがない方が接客が楽しい」と言っていました。これは、気遣いをすることで顧客の喜びが増し、感謝の言葉を得られるからでした。

そもそも呼び出しボタンというのは、すかいらーくが新しい業態店舗として生み出したガストから始まったものです。いかにコストを下げ、低価格でメニューを提供するかというコンセプトの中で出てきたサービスでした。それがいろんな店や業態に広がっていったのです。

そう考えると、昔のレストランに戻るということだと思いますし、実際それによって顧客の満足度は上がり、働いている人もスキルは求められますが満足感も増していくでしょう。

 

まとめ

  • 低価格路線によるファミリーレストランという業態は転換が求められている
  • 客数が増大しない今は、客単価の向上を目指すしかない
  • ロイヤルホストはメニューや接客レベルなどのカスタマーエクスペリエンス向上による高価格路線
  • これまでのロイヤルホストのブランドを活かせるし、組織の活性化にもつながる

というわけで、ロイヤルホストは良い方向に向かっていると思っています。