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Jリーグ2部制+プレーオフ導入を決定して、いろいろ議論を呼びました。少し前に、なぜ2ステージ制にするのか、という記事をこのブログでも書いています。
Jリーグはなぜ2ステージ制に移行するのか? | Synapse Diary
Jリーグでは、プレーオフ制度の欠陥が指摘されていましたが、いよいよ2部制+プレーオフの内容が固まってきたようです。
年間13位が優勝することも。これでいいのかJリーグの新ポストシーズン | フットボールチャンネル
「わかりづらい」「シンプルじゃない」「ヨーロッパなど主要リーグは1リーグ制」などいろいろ議論がありますが、プレーオフを導入するシンプルな理由として、「プレーオフは儲かる」という点があると思います。
ヨーロッパのチャンピオンズリーグはとても儲かる
ヨーロッパでは「チャンピオンズリーグ」という存在が大きいです。それは、この本を読んで強く思いました。
この本では、チャンピオンズリーグの発展の歴史が描かれているのですが、サッカー最高峰と言われる通り、有名クラブ・有名選手が一同に会して戦う場になっており、興行的にも出場するだけで非常に大きな収益を得られます。
Wikipediaによると、優勝クラブは賞金合計で3600万ユーロぐらいもらえるそうです。さらに、国の広告やテレビ放映権料の分配が加わります。
各サッカークラブの収益金額をみてみると、一番稼いでいるレアル・マドリーで6.5億ドル。10位のリヴァプールで約3億ドルです。
つまり、1位のレアル・マドリーですらCLで1位になれば年間収益の5%ぐらいを稼ぐことができるし、10位のリバプールになると10%以上です。それ以下のチームはいかほどクラブにお金をもたらすことができるんでしょう、ということです。
なので、ヨーロッパの主要リーグは事実上、自国で1リーグ制+チャンピオンズリーグによるプレーオフ、を行っているということです。
ちなみになんですが、今年の夏に本田圭佑の移籍話が出て見送りになりましたが、これにもCLの時期を控えていたからではないか、という話もあります。まあ、ここらへんは憶測の域を出ないわけですが。
CSKAモスクワが本田圭佑を移籍させないのも当然だと思えてしまうUEFAチャンピオンズリーグの賞金額事情 | サッカーコラム速報でろブロ
JリーグにおけるACLの位置づけ
ヨーロッパのチャンピオンズリーグと同じような位置にあるのが、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)です。アジア版ですね。いろいろ理由はあると言われていますが、ACLは儲からないし、過密日程で選手が疲弊する、というのでJリーグからみればメリットがほとんどない気がします。
今年出場するのはリーグ優勝したサンフレッチェ広島、2位ベガルタ仙台、3位浦和レッズ、そして天皇杯を制した柏レイソル。この4クラブに対し、JFAとJリーグはまず財政面でアウェー遠征の渡航費に対する支援を決定した。昨年までの財政支援(渡航費の全額負担)は準々決勝以降にとどまっていたが、今年はグループリーグ(以下GL)から決勝トーナメント1回戦までJリーグがその80%を負担することになった。準々決勝以降は50%となるが、それとは別枠でJFAが強化費として勝ち上がるたびにボーナスを支払うという。クラブ側にかかる財政面の負担を軽減することで、資金を別の部分に回せるようにしたのだ。さらに言えば、賞金を含めて勝てば獲得できる収益を増やすことでクラブのモチベーションを上げる狙いもあるようだ。
これを読む限り、資金面でメリットになりうるほど大きくはない。ACLの賞金に関するソースがこれぐらいしか見当たらなかったのですが、優勝賞金が1.2億円ぐらいのようです。
ACLの賞金が安すぎwww こりゃやる気も出ないわなwww – サカ豚ニュース
ちなみに、Jリーグは2012年でみると浦和レッズの営業収益が53億円ぐらいです。だいたいJ1常連チームは30~40億円ぐらい。1.2億円ぐらいだとすると、営業収益の3%ぐらいでしょうか。
ただ、Jリーグも手をこまねいているわけではなくて、遠征費用などを補助することで、結果的に賞金総額を上げてJリーグクラブのモチベーションを上げようとしているようです。
【ACL奪還へ!総額最大1,2億円ボーナス・でも気になる大気汚染(ACLグループマッチスケジュール詳細)】 | GO’S Heaven’s Doorsoccer | スポーツナビ+
というわけで、ACLがドル箱であれば良いのですが、欧州CLと同じとはいかないようです。そうなると、結局「自分たちで国内でプレーオフを作るしかないのでは?」というのが今日の結論です。
なので、2ステージ制が良いかと言われると確かに気持ち悪いのですが、野球もセ・パ分かれていてプレーオフをやっているので、同じフォーマットならどうか、とか、ひとまずプレーオフを国内で行う必要がある、ということですね。
今日はこのへんで。