iPhoneアプリ「Mailbox」は本当にメールゼロにできる

Mailbox – Put Email In Its Place

いろいろ噂になっていて、流行りモノみたさで登録したけど、使ってみたら非常に良かった。これまで使っていたGmailアプリをすっかり使わなくなってしまった。

まあ、使い方は別のところで検索して調べてください。なんでこのアプリを使うと受信トレイがゼロになるのか、っていう話と、今後のMailboxの可能性を考えようと思う。

本当にメールを根絶できる仕組み

画期的なのは、メールを「先送り」できることだと思う。タスクと同じで、今は読んでも仕方ないもの、後で思い出したいものがあるので、そういうものを先送りしてくれる。そして、また後でメールボックスに登場するのだ。終わったらアーカイブしてくことも必要だけど、未来にストックする仕組みはこれまでなかった。これで処理していくと、どんどんメールの数が減っていく。

そして、ちょっと使ってみたら、本当に受信トレイがゼロになった。これは気持ち良いし、一度ゼロにすれば、それを維持しようと頑張れる気になれる。使い始めて、受信トレイがゼロになってからは、基本的にずっとゼロだ。

あとは、使っていて気持ち良いUI。メールを処理するときの操作性。この辺りはどんどんユーザーの要求も上がってきているから、必須条件になっている気がする。

ユーザーの使い方を再発見する

ヘビーユーズしているiPhoneアプリが他にもいくつかあって、同じような特徴があるのが、「Sunrise」っていうカレンダーと、「Any.Do」だと思うのです。どちらもUIやデザインは優れているっていう点と、カレンダーやタスクリストという普遍的でありきたりと思われるものを対象にしている。

Gmailがアーカイブやラベルという考え方を持ちだしたときも「画期的だ!」って思ったけど、どうやって使うかによってUIの部分はまだまだイノベーションがあるんだなって思う。ただ、それと同時にとっても平等な競争社会だから、一度勝つだけじゃなくて勝ち続けていくことの方が大変だと思うけどね。

だから、その先はいかに自社固有の部分にユーザーを引き込んでいくかが重要になる。実際、Mailboxの先送りなどのラベルは、Gmailには反映されなくなっている。技術的なハードルなのかは知らないけど、Mailbox特有の部分は囲った方が良いと思うね。

Mailboxのマーケティング

アプリとかIT系サービスであれば、プロモーション動画を作るとか普通になってきてるなあ。今回Mailboxが注目されたのは、製品発表前にプロモーション動画が注目されたこと、リリースされた後も登録順に迎え入れるという「待ち行列」を作ったことだと思う。

特に後半の待ち行列に関しては、アプリの表現も秀逸で、自分の前に何人、自分の後に何人いるかが視覚的にわかるようにされていて、アプリを開くたびにその数字が変わるのが面白かった。これは、期待を高める効果と、待っている間のストレスを緩和するという意味で、有益なアプローチだと思う。

そして今後の問題は、その先どうやってマネタイズしていくのかとか、もっとユーザーを長くヘビーユーザーにしていくためのキラーコンテンツは何か、ということだと思う。

今後のキラーコンテンツは何か

Mailboxの今後は、マネタイズとかそういう問題というより、どうやってユーザーを引き止め続けるかだろうと思う。GmailをラッピングしてUI部分を革新したのは良いのだけど、ユーザーのスイッチングコストはまだまだ低い。自前でコンテンツを持っているEvernoteやDropboxに比べると、ね。

でも、今後は別のメールサービスへの対応もするつもりみたいだし、勝手な想定ではメールとタスク管理サービスをUIで統合していく形を目指しているんじゃないか、と。イメージ的には、GmailとRemember the MilkがスムーズにきれいなUIで統合されていく、みたいな感じかな。Web版などにも拡大していくのかな。

ちなみに、キャリアからのメールなど、一部文字化けする。最近はキャリアメールなんてほとんど来なくなったから、あまり不満はないけど。

個人によって使い方は違うと思うけど、僕は良いと思うよ。Mailbox。

Mailbox 1.6.2(無料)
カテゴリ: 仕事効率化, ユーティリティ
販売元: Orchestra, Inc. – Orchestra, Inc.(サイズ: 12.7 MB)
全てのバージョンの評価: (3,731件の評価)
iPhone/iPadの両方に対応