タブレット出荷台数

Googleが低価格タブレットの発売を検討しているらしいけど

Googleが低価格タブレットを販売することを検討している、というニュースが出ていたので、少し調べてみた。果たしてこれは正しい戦略なのだろうか?

ペイジ氏がローエンドのGoogleタブレットへの取り組みを認めたことで、「Googleが200ドルを切る独自のタブレットを今夏にリリースしようとしている」という先ごろ浮上した観測が現実味を帯びる。このタブレットは7インチ型で、クアッドコア・プロセッサを搭載、OSはAndroid 4.0で、通信機能はWi-Fiのみとされている。

グーグル、低価格タブレット市場を狙う方針を鮮明に (Computerworld) – Yahoo!ニュース

 

今のタブレット市場の伸び

タブレット市場は急速に伸びている。2010年は1700万台だったのが、2011年には6100万台との見込み。2015年までに年平均成長率81%で伸びる。そうなると、2015年までには約20倍になる計算になるので、3億台を超えることになる。ちなみに、2010年のPC出荷台数が3億台を超えていたぐらいなので、2015年までにはPCとほぼ同じぐらい普及する、という計算になる。
ビジネスニュース 市場動向:破竹の勢いで成長するタブレット市場、ネットブックをのみ込む – EE Times Japan

 

タブレット出荷台数
(上記数字のイメージをグラフ化したもの。途中の成長率など、数値でよくわからないところは推測で埋めているので注意。)

この予測を見る限りは、製品ライフサイクルでいえば今が成長期にあたる。ここでは差別化とブランド化が重要なポイントになる。(ちなみに携帯電話は世界で4億台ぐらい。参考:Kindle Fireが2011年第4四半期のAndroidタブレット市場で台数シェア首位に、IHS iSuppliの調査から – 家電・PC – Tech-On!

 

シェアとしては、iPad対その他大勢

そして、2011年時点でのシェアは、iPadの一人勝ちの状態。

2011年通期(1~12月)で見ると、タブレット端末の出荷台数ベースのシェアで、Kindle Fireが6%と第3位となった。iPadシリーズのシェア62%(4049万3000台)、Galaxy Tabシリーズの同9%(同611万台)に続く数字である。
Kindle Fireが2011年第4四半期のAndroidタブレット市場で台数シェア首位に、IHS iSuppliの調査から – 家電・PC – Tech-On!

 

他にも販売価格なども比較すると、こんな感じ。

タブレットの販売価格比較

 

製品ライフサイクルが成長期で、普及を迎えているときにこのシェアの偏りはGoogleとしては面白くない。Androidを広く使ってもらうのが目的だから。

 

そもそもGoogleはなぜ自社で端末を発売するのか?

そもそも、なんでGoogleは自社で端末を発売するのだろう。Kindle FireでもGalaxy TabでもAndroidを提供しているので、検索広告やGoogle Playを目的とするのであれば、達成しているんじゃないだろうか。

しかしこれにはひとつの理由があるようだ。iPadに対抗するには、高い顧客体験を提供する必要がある。それが他社任せのままでは、いつまでもシェアNo.1のiPadの牙城を崩せないのだ。Androidのバージョンはメーカーによって違うしね。だから、Googleが参戦してAndroidのシェアを広げていきたいということなんだろう。

そして、Galaxy TabやKindle Fireの値段とその売れ行きを見ると、タブレットは価格感応度が高いんじゃないかと。

 

Googleの低価格戦略は正しいのか?

Googleがこのシェア争いに参戦するなら、低価格で入り込むのは正解なようにみえる。だけど、iPadもKindle Fireも自分たちのプラットフォームへの入り口としてタブレットを展開しているし、AmazonなんてKindle Fireが売れるほど赤字になるという構造になっている。このタイミングでGoogleがこの2社にくらべて魅力的なプラットフォームを築いているかといえば、Google Playもまだいまいちピンとこない感じだもんね。

Googleからすれば、Amazonのようにシームレスに自社のプラットフォームと接続したり、楽にコンテンツを管理するのではなくて、端末の操作性と価格で勝負することになるんだろう。そうなると、Kindle Fireより低くないとダメかもねえ。だけど、Kindle Fireも端末だけでいえば赤字らしいからな。

とはいえ、このままの状態を放置することもできないから、何か手を打たないといけないからね。そして、Samsungがどう出てくるかも興味深いところ。

 

個人的には同じ値段ならKindle Fireを買うな。ただ、200ドルを切るというのは確かに魅力的ではある。電子書籍が日本で開始されたら、買っちゃうかもなあ。

 

参考:
新型iPad 対 Androidタブレット――タブレット競争を勝ち抜くのは?|Appleウォッチ|トピックス|Computerworld

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