仕事を円滑に進めるために「責任範囲」を理解する

組織におけるスムーズな仕事の遂行と、「責任範囲」の関係について書こうと思う。

 

上司の責任範囲に関する事項をエスカレーションする

組織の上下関係では、ほとんどの場合部下から上司へ報告する機会がある。仕事の進捗状況や問題・課題の有無などが主なところだろうか。そして、このような場で上司に対して、何を報告するか。逆に、何は報告が不要か。その判断基準になるものは、上司/部下双方の「責任範囲」にあると思っている。

スムーズで効率が良い上下関係というのは、「それぞれの責任範囲が適切に分かれていて、それに従った仕事がなされている状況」を指すのだと思っています。ああ、言葉にするとわかりづらい。

つまり、上司と部下ではもちろん責任範囲は違っていて、例えばチームリーダーとそのメンバーであれば、メンバーは任命されたタスクに対して責任があり、チームリーダーはチーム全体のタスクが品質高く実行されることに責任がある。また、プロジェクト責任者であれば、契約面や金額面、社内の体制などに権限があるので、その点がチームリーダー以下と異なる。

で、例えばメンバーの誰かの仕事が遅れることになると、チーム全体の進捗に関わってくるので、チームリーダーへのエスカレーションが必要になる。だから「タスクが遅れている」という状況は必ず報告が必要になる。だけど、「タスクのやり方がわからない」というような「仕事のやり方」に関することは、責任範囲としては結構グレーゾーンだったりするので、ケースバイケースかもしれない。ここらへんが報告対象の分かれ目になる気がする。

べき論からすれば、タスクそのものの責任はメンバーにあるわけだから、チームリーダーは「知らねえよ、自分で頑張れ」でも良いかもしれないし、「チームリーダーとしてチーム全体を預かる立場だし、優しく教えてあげる」でも正解な気がする。でも、チームリーダーが部下の仕事のやり方まで口に出す場合、「そのタスクの責任」は作業をしている人ではなくなってしまうんじゃないだろうか。そうすると、責任の所在が曖昧になるか、いつまでも責任という自覚を覚えない人間が誕生するか、みたいな状況になってしまう。

まあ厳密な場合を想定して話を進めてしまうけど、組織の仕事がスムーズに遂行されている状態というのは、この場合でいえばメンバーはタスクの遂行に責任を持つので、進捗が遅れる場合や品質に懸念がある場合のみチームリーダーに報告するのが、双方一番コミュニケーション量が少ない。

 

自分や周囲の責任範囲を見極める

前提が長くなっちゃったけど、組織が円滑に遂行していくためには、それぞれの責任範囲がどこまでかをできるだけちゃんと認識することが重要になるわけです。

自分の責任範囲で収まる話は、上司にエスカレーションする必要がないし、上司からみれば「自分の裁量で判断しろよ」ということになる。逆に上司も、部下がやる仕事の責任範囲を圧迫してまで口を出すのは、部下の権限を余分に踏みにじっていることになる」ので、それはそれで注意が必要。

というわけで、自分や自分と関係する人が、何に対してどこまで責任を負っているのか見極めておくと、何を議論して、何を自分で判断すれば良いかが明解で、円滑に事が運びやすい。

 

あえて責任範囲をはみ出した主張をする

やや逆説だけど、責任範囲を自覚した上で、時にはそれをはみ出した発言、行動をすることも必要になる。それにはいくつか意味があって、まず個人で見た場合。いつまでも自分の責任範囲に凝り固まると、ポジションが変わって責任範囲が広くなったときに思考がついていかなくなる。日頃からトレーニングする意味でも、そういう意識をして議論なり発言していきたいもんだ。

あと、時間の流れとともに、ビジネスは変化する。そして組織も変化するし、どんどん前提事項は変わっていく。だから、ずっと同じ仕事の領域をこなせば良いわけでもないし、流動的な責任範囲の境界を、いつでも突破できるような準備や意識が重要かな、と。

 

今日はこれぐらいで。

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